今回、小笠原朋子さんと深森あきさんの合同サークル「渚宮｣で発行された同人誌。
このご本は、芳文社「まんがタイムラブリー｣で、２００１年から２００４年にかけて連載された作品の再録本になります。
以前にも「コミティア｣の時に書いたのですが、こういった商業誌の再録を刊行するというのも、同人誌の存在理由のひとつだったりします。

おそらく初読だと思うのですが（当時は、「ラブリー」の作品はコミックスで読んでいたと思うので）、その内容はいわゆる「女子寮もの」。
色とりどりの寮生さんたちがでてきて、そのキャラクターの色とりどりさが楽しいです。

ふたりの主役、リカさん・マキさんのひとり、マキさんの存在が、そのなかでもとくに楽しいです。腹黒いのが良いですよ。
腹黒くて、お嬢様で、年下の彼氏までいるという、恵まれすぎな境遇じゃないですか（笑）。
そしてリカさんは、同級生だけどみんなのお姉さん（？）で誠実な女性なんだけど、酒好き（寮では禁止ですが…）が高じて、いまひとつお金と若さに欠ける（汗）ひとです。うーん、これでは「お姉さん」というよりオバさ（略）。でも面白いキャラですね。
リカさん伊達くんとくっつくのかと思っていたのに、最後までそうならなかったのはかなしい…。
追っかけな毬子さんとオタクな衿さんのコンビ（？）も、面白いですね。ふたりとも、なにかをどこかに置き忘れている感じが面白さになっているんだろうなと（笑）。

連載の中盤以降に登場する、調理師の原野さんの存在も面白いです。熟女好きはいいのですが、入れあげる方向性に、救いようのなさが感じられて…（笑）。
女子寮長さん女子寮の管理人さん（このひとも年齢に抗してあがいている人【笑】）とくっついてもよかったかもしれないけれど、寮長さん管理人さんが幸せになれるかどうか…、微妙だなぁ。

あと、片付けられない佐原さん、のキャラクターは、現在の小笠原さんが描かれる作品のキャラクター性にも通じているように思いました。出てきた頃のミステリアスなところとか、キャラがはっきりしてからのふくらませかたとか。

しかし、『リッキー･マッキー』がタイトルだったらどうなっていたことやら…。笑えるネーミングだったのはたしかですけど…。
ともかく、こうしてまた、作品が日の目を見て、私たちも読むことができるのは、とてもうれしいです。よかった。

余談：作中に出てくる、銘菓「旅がらす（ミルククリーム入り）」と、「ヤング旅がらす（チーズクリーム入り）」の、違いの意味はなんなんだろ…？（笑）