サイン会月間も終わって。ひさしぶりに目先を変えて、ストーリーまんがでも読んでみますか。
と取り出したのがこちら。

最近、私が週刊誌では唯一毎週読んでいる、講談社の「モーニング」。そのモーニングで月イチ連載されているこの作品。
最初に読んだとき(コミックスにも収録の「#5」)は、「画はきれいだけれど、講談社がよくこういうモチーフを描いた作品を載せたものだ…」と思ったものです。
なぜそう感じたかといえば、この作品がゲイカップルのふたり暮しと、その中で作られる料理を描いているから。
でもコミックスで最初から読んでみると、私が読みだしたあたりではすでに、ゲイだからとか、そういう意味での葛藤のような部分を描いた展開(続き物ではないですが)は少なくなっているんですよね…。じつはそういう部分も面白い、というより「興味深い」ものだったりします。
まあ最近は最近で、作品にシリアスさとコミカルな味がほどよく出てきているから面白いですけれどもね。

雑誌では未読の、1話目から4話目までの感想をひと言ずつ。
「#1」>ゲイの人たちの、生活や生き方に対する葛藤を思い切り凝縮させている。ような気がする。ゲイのひとの心境は私にはよくわからないですけど。
これが第一話目というのは勇気があるというより…、よく次以降も続いたなあという感じです。
それにしても、主人公・シロさんの同僚弁護士(♀)が主人公を指して、「43歳の男であの若さと美貌は気持ちが悪い!!」って、ヒドくないか!?(笑)
ツンデレかよ、とか思いたくなるくらいですよ。それはともかく、歳相応にメタボってたら、それはそれで見た目が不快なんじゃないのか?
「#2」>はいこちらも、「その若さと美貌がキモい」ネタですね。主人公と偶然出会っただけなのに、そしてスイカを半分こしたいからとはいえ、奥さんも主人公を自宅にかんたんに入れなくても、という感じだが。しかも自宅に入れた後になって、「ハンサムすぎる、気持ちワルイ!!」って言っているのですが。ほんとにヒドイな、この作品に出てくる女性って(笑)。
そしてゲイだから安心される、ちゅうのもどうなんだか。じつはその娘さんのセリフが面白いのだけれど。男女関係でも、さすがにそういう多情系のひとは少ないと思うけど…。
「#3」>主人公のルームメイト・ケンジさん(美容師)の日常を紹介、のような感じで。
シロさんに怒鳴られて、子供のように泣きじゃくるケンジさんがかわいく感じられるのは今回だけ。
でも泣きながらさらっと、ゲイのひとの重い葛藤を語っているんだよきっとこれは。
「#4」>主人公の昔の女。その女性とケンジさん(彼女に嫉妬している)とのからみがコミカルで面白く。
でもそのコミカルさの裏で主人公は深く葛藤していて、というのが良い。冒頭2話と比べるとバランスが良いなと。

じつはこの作品、メインは料理なのかもしれないが。作る場面に、ページを多く割いているので。でも個人的には胡桃ちの先生の画には負けると思ってます。と、強引に4コマに話を持っていってみる。まあカテゴリーがちがうからなんとも言えないけれど。

いまのところ、私はモーニングに載っていれば最初に読む作品になっていますし(それ以外のときは『GIANT KILLING』ですが)、コミックスも池袋ジュンク堂では先週(11月第4週かな?)のコミック売り上げ数第2位だったようで、コミックスも意外に売れているようですね。池袋だからなのかもしれないけど。
大ブレイクはしないだろうけれど、地道に続いてほしい作品ではあります。