そういえば、実話系4コマのお仕事がメインの方のコミックスについて書くのは初めてかな?
(実話系4コマでは『とびだせニッポン!』【小笠原朋子先生】を読んで、すでに書いていますが)

NYANという漫画家さん。これまでそのお名前を聞いたことはなかったのですが、祥寺はるか先生の別ペンネームと知って、ああなるほどと。
私が読んでいた限りでは、「まんが4コマKINGSぱれっと(一迅社)」でゲスト掲載を何度か描かれている作家さんです。
というか祥寺はるか先生の作品は、最近描かれている『僕の彼女は同人腐女子』シリーズもよいのですが、一番最初に読みきりで描かれた、『お修羅場へようこそ』(「まんが4コマKINGSぱれっと」vol.4)に惚れました。
まずその画でつかまれましたが、架空の漫画家さんのコアな日常やら、腐女子のコアな日常やら、そういった共感を呼びにくいネタを思いきりよく料理した作品を描かれるところがすばらしいと思います。

そしてその祥寺はるか先生が「NYAN」先生として、実話系4コマ誌で病院&ナースのコアな日常を描かれているのがこの作品。
ぱれっとでの作品を読まれている方はご承知かと思いますが、この『病院のないしょハート』でも、描かれるキャラクターたちのかわいらしさは、さすがです。
ナースは当然。むくつけきドクターたちだってかわいい。果ては霊魂や「G」もめちゃかわいく描かれてしまう、そんなNYAN先生の手腕に感服します。
しまいには、読んでいてあまりのかわいらしさに、本題のどぎつさよりも「キャラ萌え」のほうが先行してしまうわけです。まったく、ある意味困ったものだ。
でもほんとに、ナースの日常とか手術とか解剖とか、題材としてはひじょうにどぎついものが多いのです。
それこそ、描き方が悪ければドン引きされるだけで終わるものばかりですが、NYAN先生の手にかかると、もっと読みたい、どんどん読みたい、どんな内容でもいいから最後までとことんついていきます! ってなくらいにまで、おもしろく読めるのだからすごい。
あ、そう言っておいてなんですが、「ミルクプリン(106ページ)」はちょっとすごすぎだと思いました…。男性の眼からするとインパクトが強く感じるのかもしれません。
あと、ナースさんの食卓事情(69ページ)はとても共感を持って読みました。なにげに独身男性と変わらないのですね。

題材が特殊なだけに全編たいへん興味深く、またNYAN先生の手腕で楽しくおもしろく読めるということで、ぜひお勧めしたい作品です。