湖西晶『ソーダ村のソーダさん。』
1本目>高原さんのつくる美味しいごはんを、果子さんはモリモリ食べているようです。ていうか4杯目ってのは居候の立場でなくても食べすぎだろう。居候という意味でも健康という意味でも、古浦自重(笑)。
そして、今回のなつめさんはことわざを間違えません。でもその裏で果子さんは葛藤していました。この神社が、そしてなつめさんたちがどうなるのかを伝えるべきなのかと。
2本目>「働かざる者食うべからず」なら、「食べた者は働くべし」なわけで。前回同様雪かきに精を出す果子さんです。雪をもろに被っている斎田さんですが、文句を言う以前に、下ろされた雪の下にいるあんたが悪いよ(笑)。
品のないことを教えてるのは果子さんが勤める雑誌の編集長さん。この辺はいろいろな向きがあると思います。かけるのが好きな人、かけられるところを見るのが好きな人、いろいろです。ですが、「かけるのはともかく、かけられるのは」、って斎田さん? いやあ、その向きは想定してませんでした(笑)。男がかけられるのは…、BL?
3本目>斎田さんが警察官である以前に、誰がやっても犯すのは悪いことですよね? ていうか斎田さん、役どころを変えてもやりたいことは変わってねえのか?(笑)

4-6本目・15本目>果子さんが未来から来たなんて信じていない斎田さん。果子さんの家を探すために、果子さんから連絡先を聞き出そうとしています。
「そこ(果子さんの家)に14歳のアンタがいたら(果子さんが未来から来たことを)信じ」ると斎田さんは言っていますが、そんな斎田さんの疑問を吹き飛ばすようなことを果子さんが言いだすのです。
「連絡できる身内はもういません! 私もいまは意識不明!」、「…どうせなら(未来から着く時期が)もうちょっと過去ならよかったのに」。
…斎田さんでなくても、「は!?」、と言いたくなりますわね。要するに、4年前の果子さんは何らかの事故か事件に巻き込まれて意識不明だったと。身内のひと(おそらく果子さんのご両親&いたなら兄弟姉妹)も同じ出来事に巻き込まれて亡くなったのでしょうね。でもその出来事があったのはさらに前で、もう過去を直すことはできないと。
ということは、果子さんも左右田神社の人々と同じような立場にいたということなのか。だからこそ今回のラスト・15本目で、「私みたいな目には誰もあわせたくない」と果子さんが決意しているのです。

7-10本目>左右田神社の人々を死なせたくはない、だけど過去を改変することは危険なのではないか(「タイムパラドックス」ですね)。ということで葛藤する果子さんのもとに再び現れたD(ディートリンデ)・ペッパー。前回の果子さんの自己紹介が寒空の下だったので、ペッパーさんは果子さんを「ぺっぷし」と呼んでおります。ペプシではない、コカコーラです彼女は(笑)。
でも果子さんは果子さんで、勝手に「ペパちん」なんてあだ名をつけてますから(笑)おあいこでしょうか。
そのペパちん。葛藤する果子さんに、時が来れば元に帰れるし、火事を防いでも防がなくても果子さんには何の影響もないと助言します。それを聞いた果子さんは即決します。火事を防ぐと。
いやこれは意外でした。「過去をやり直す」系読み物の定番パターンなら、火事を防ぐような行動をとれば不都合が生じてしまうことが多いと思います。
たとえば、火事を防げても果子さんが消滅するとか、火事を防いだらその代わりに別のアクシデントが起きてトータルでプラスマイナスゼロになるとか。そういうことが起きないとわかっていたら、普通は火事を防ごうと思うでしょう。逆に、そういう定番に行かないぶん、難しい選択にもなるような。

11-14本目>5本目と6本目で果子さんが怒りに任せて斎田さんにぶっかけた雪のせいで、斎田さんは冷凍人間になりました。って、どんな冷凍庫だよ左右田村。
でもただでは起きない斎田さんです。沙和さんに人肌で暖めてくれと…、やるのかやらないのかこのふたり。
まあそれはともかく? 頭も冷えたらしい斎田さんは、困っている果子さんを追い込むような真似はしないように気持ちを切り替えたようです。
しかし、「キャー」とか沙和さんが言っているんだけども、ほんとにやってるのかやってないのか。

14-15本目>ペパちんが果子さんに出した、神社の人たちを救う条件とは。ひとつ、「未来のことは誰にも何ひとつ教えないこと」。これは難しいですね。明かせないがための葛藤が、これからのこの作品の盛り上がる「鍵」になるのでしょうか?
もうひとつの条件が「(できれば)なつめちゃんと仲良くすること」だそうです。こちらは難しいのか難しくないのか、これは果子さん次第でもあり、なによりなつめちゃん次第なんですよね…。相変わらず果子さんを奴隷のようにこき使うなつめちゃんだし。
そしてテレビのニュースで流れた事件。その火事が、果子さんの人生をめちゃめちゃにした「出来事」だったのでしょうね。しかし、よくわからない単語が入っているように思うのですが、こちらも謎のようです。

つづく作品ものちほど