小笠原朋子先生が今年出された単行本、『おいしい日曜日』と『ウチへ行こうよ!』(ともに竹書房刊)の2冊購入応募者全員プレゼント、「コラボブック」が先頃完成。竹書房さんの方からきょう届きました。

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まず表紙のデザインが素晴らしいですね。両作品の全メインキャラが一列に並ぶという単純なものなのですが、空色と白を基調としたパステルカラーの色使いがとても目を引きます。小笠原先生の「腕の良さ」のひとつは、このパステルカラーの使い方の上手さにもあると思います。
そういえば、このデザインは小笠原先生がサークル「渚宮」で出されている同人誌ともかなり近いように感じられます。本の体裁も同人誌と一緒ですからね。

内容は、『おいしい日曜日』の単行本未収録部分を載せたところがメインなのですが、とくに4作目の、「出版社の新年会にいく三上さん&あかりさん」の回は、単行本から省かれたときに悔しかったので、限られた形とはいえ補完されたのはとても良かったです。なにより、三上さん&あかりさんに別の第三者が(準)恋敵的な立場で現れるという展開は他の回ではなかったですし、目新しさという点では作中のベスト1に挙げられてもおかしくない回だったと思うのですが。
あと、あかりさんの友人が生殺しにあう回も、想像するだに彼らの哀れさがしみてきて(笑)、連載時から面白かったなあと。

描きおろしは、文字通りの両作品コラボ。『日曜日』の2年後という設定だそうですが。
方向性としてはわりと違った作品だったと感じられる両作品だったのですが、うまくコラボレートされているなと。
それにしても三上さんと明彦くんは好みが合うよねぴったりと(笑)。
しかし、こずえさんが如月聖良先生に化けるネタは連載&単行本でも使われましたが、こういう形で再び使われるとは。三上さんと如月聖良先生は同じ創作者同士だしアリっちゃアリですよねこういう展開も。
そして最後のオチも、ああ良かった?。という感じです。でもこの二人だと、紆余曲折あったんだろうなあ…と。そこが知りたい。単行本後半のような堂々巡り的展開かもしれないけどそこが。

じつに楽しいコラボブックです。だけどこれ、このクオリティ&ハイレベルなら同人誌として頒布して普通に完売レベルですよ。全プレとはいえ、限定数なのが色々な意味でもったいないです。