少女に声をかける事案が発生(こりすや)
作者が、画やシナリオに力を入れていることが作品からよくわかる。
話だけを追えばとても扇情的である反面、キャラクターがどう動いているかを掘り進めていくと、欲情に駆られた人間がどれほど愚かになるかを読者に想像させるものになっている。

未正解(くろみや別館)
オリジナルと実話物の2つの作品があるが、両作とも4コマの起承転結のうちの「結」のズレっぷりがうまく笑いにつながっている作品が多い。
オチがうまく落ちている、というより、うまく読者の想像からズレている、と言うほうがあっていそう。
ズレている作品は面白いし、そうでない作品は面白くないと感じる(当たり前かもしれないが)。

香箱さんの式神(妄文社)
基本線はギャグだが、シリアスな場面の入り方や分量がいい。重くなりすぎず、本線とは別にある「もうひとつのラスト」も明るい方向でよいのではないか。

pair of glasses(黒猫亭&やたこ)
ふたりの作家による百合ショートストーリー競作誌。
どちらの作品もせつない…。好きな相手を異性に取られる展開は百合というジャンルでは邪道なのかもしれないが。
どちらの主人公も、涙を拭いて歩いていってほしい。

鬼越JS#3 涙目JS(MPNふかもり)
JS強し!(笑)なところと、まだまだ幼い少女なんだな、と思わされるところの対比がクローズアップされていて、短い作品ながらも前作同様に心に染み入ってくる作品。

うらマヨ!(いわしの甘露煮)
主人公である星崎さんのキャラがボケ倒しまくりでおバカすぎて…(笑)。
ラフ描き状態での発行が残念。ぜひペン入れまでされた状態のものを読みたい。

まじめの一歩(ムンチャイ)
堅物女子な主人公の石田さんが時々見せる可愛さ・美しさにドキッとする。
ダメ上司な井上さんの飄々とした感じにもちょっと憧れてしまう。憧れちゃダメな気もするけど(笑)。

souco2(ogasite)
主人公の「自由人なおじさん」のダメっぽさと、その姪っ子のずけずけ言う感&夢見がちなところが作者の作品らしさを引き出している。

HT(wattstower)
作品の着想、殺人兵器なのに…、というキャラクターデザイン、場面展開、心象風景の描き出し方、短編だからこそなのかもしれないが、非の打ち所がない。
しかも笑いを取るところまでちゃんとあって、流石といわざるを得ない。こういう作品が読めるからコミティアから離れられない。

うるうる(すこやかペンギン)
「うるう年」や「2月29日」を題材にしたオムニバス短編漫画集。
その二つのことだけで様々なモチーフの漫画を描けることがすごいと感じる。
基本ほのぼの路線の作品が揃っているが、鬼のツノが生えてきたおじさんの話が特にほのぼのとして良かった。

セーラー服でもあいしてね(染色)
商業誌短期掲載された4コマ作品の再録本。
最近の4コマ作品としては個々のキャラクターの印象が薄かったかもしれないが、短い作品ながらも主人公が始めての恋を育んでいく過程に心が温まる。
商業掲載時からなにか心の中に引っかかっていたので、再録されて再び読めることに感謝したい。