トークショー、続きです。

飯田さん:「楽園」のメインターゲットはどのような層だと思いますか
蒼樹先生:まったく想定していないです。アダルティではあると思いますけども…
犬上先生:働いている人、社会のリアルを知る人が読んでいそうです。
黒井先生:私が知りたいです(笑)

飯田さん:作品を描くときのファーストインプレッションをどこに置きますか
蒼樹先生:キャラ同士の関係性と、一話ごとにどこまで話を進めるかですね。
飯田さん:「楽園」は一刊行あたり4ヶ月空くという特異な面をどう捉えていますか。
蒼樹先生:次回というより、「この先」ぐらいの長いスパンで話を考えています。 
飯田さん:「楽園」の作家さんともよく話すけれども、「週刊連載って神の所業だよね」と(笑)。
犬上先生:まずシーンありきで展開を考えます。そこではキャラがまったく出てこないので、そこからキャラのビジュアルなどを考えるのがいちばんしんどいです…。
飯田さん:どの作家さんも、「楽園」の打ち合わせは他の雑誌とは違うと言われる
犬上先生:飯田さんは、もしかしなくても私より私の漫画に詳しいんですよね(会場爆笑)。どの作家さんに聞いてもそう言われると思います。他社での作品も含めて、「異常なほど(ここ強調)」作家さんの作品を読み込んでおられます。
黒井先生:(戦史などの元資料を読み込んで) どの場面を現場で見たいか、それを話としてつないでいく感じです。
飯田さん情報:かわぐちかいじ先生に黒井さんの単行本に帯を書いてもらったんですけども、最初に黒井さんの作品を「とりあえず読んでみてください」と渡してしばらく経って、かわぐち先生から「黒井さんの作品は視点がすごい」と返事が来たんですよ。

飯田さん:作品を作るときワクワクすること
蒼樹先生:ネームを切るときです。あと自分の中にあるイメージがコマの枠内にきちんと収まったときも。
犬上先生:ネームを切るときに、「キャラが動いた」時です。今回描いた作品だと(楽園vol.20の『東京 No Vacancy』) 、もともとは主人公と女の子は添い寝するだけで終わるつもりだったのに、ネームを切ってみたらいつのまにかキャラが脱いでたんですよね…。
あと、前回予告の時に出した今回の女の子に対するイメージが私と飯田さんとでぜんぜん違っていたのには驚きました。 
黒井先生:ネームを切るときに、戦史という業務日誌のような無味乾燥の文章を物語として組みあげていくと、「キタキタ!」と(笑)。