8月22日、秋葉原のCOMIC ZINでは「フェローズ・フィエスタ」なるイベントが開催されました。
エンターブレイン社刊行の漫画誌、「Fellows!」とその掲載作品を押し出すイベントとして、出版社と書店がとても近い位置で共催するもので、その一環として同日に、Fellows!での掲載作家7人によるサイン会が開催され、しかもそのうちの一人である森薫先生は300人を相手のサイン会を敢行!、というのが分かってきたのは当日になってからという話なのですが。
まあともかく、思わず「正気か?」と言いたくなる規模ですが、じつは過去に、あずまきよひこ先生が2007年に「電撃祭」において350人サイン会を開催されていたのですね。とはいえ、一書店でのサイン会としては最大規模だったことは疑いないところです。

一書店でのサイン会の規模が前代未聞なら、その参加券の配布も前代未聞。前日の21日午前8時からの配布という異例のギリギリさ&時間の早さでした。
理由は様々に考えられますが、私にとっては、ちょうど21日が仕事だったこともあり、その早さなら参加できるということでありがたかったです。
万全を期して山手線の始発で到着し、その時点ですでに店の前に40人ほどの「列のようなもの(COMICZINの名物ならぬ名人店長・塚ぽんこと塚本氏いわく)」が出来ているのも異例のことかと。この塚本氏の発言も、徹夜&早朝の列伸びを止められないまでも最低限のところにしたかった、塚本氏の苦心が言わせたところなのかと。

森薫先生のサイン会はただでさえ希望者が多く、これまでのサイン会でも配布日の6時7時に来たぐらいでは確保が覚束なかったわけで、それを考えると今回の300人サイン会は大英断でした。
と、森薫先生以外のサイン会では、笠井スイ先生の参加券が最初に完売したわけですが…。もちろん笠井先生が悪いわけではないですが、参加者の先物買いが過ぎるのではないかとちょっと思わなくもない気がしたのはなぜなのだろうかと。

そして当日。私が確保した入江亜季先生のサイン会が7人サイン会のトップバッター。平行して森薫先生がサイン会を続けられているので厳密には最初でもないかもしれないですが。
11時から開始でしたが、さほど広くは無いZINの店内では人を待たせる場所もなく、お店の外や3階のFellows!関連の展示フロアーにも人があふれたようでしたが、それが想定内のものだったのかは果たして…。
いきなり4階のサイン会会場まで上がってみると、塚本氏が普通に私の入江先生サイン会参加券を見て、イラスト希望キャラ(『乱と灰色の世界』の主人公・乱の子供キャラか大人キャラの選択)をたずねてこられたので番号関係無しかと思ったら、違っていることに列に並びかけてから気づいたりしましたが(笑)、外でしばらく待ったのち、12時すぎに順番が。
ZINのサイン会は宛書が本名フルネーム制なので、私の場合たいてい名字ネタで時間を使い果たしてしまうのですが、今回は入江先生・森先生ともに、イラストへの描きこみが半端ない感じでしたので、それ以外のことも合間合間に話せる感じなのが嬉しかったです(笑)。

入江亜季先生には、「精緻な描きこみで、漫画を読んでいる側、絵を見ている側にも刺激になる作品だなと感じます」と作品の感想を言わせていただいたのですが、入江先生にはあまり言われないタイプの感想だったようで、ちょっと驚かれた様子でした。
あと、私の前にサインをいただいていたツイッターサイン会クラスタの葵さん(アカウント @xiang4ri4kui2 )の発言を受けて思い至ったのが、「雰囲気は1960年代~70年代の漫画作品から感じるようなものなのに、不思議と古さを感じさせない」というところでした。これには入江先生も、「もっと、新しさを感じさせるようなものになっていくべきなのかと思うのですが」と言われていましたが、そういうものはキャリアを積むごとに自然と変わっていくものではないか、と私は思いました。

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入江先生からサインをいただいた後少し待ちましたが、13時前には森薫先生の順番に。
森先生には、「作品の展開の緩急の付け方というか、アップダウンが自然なのに、気づくと高低差があるところがすばらしいです」と感想を言わせていただいたのですが、「上がっても下がっても、あまり単調では飽きが来てしまうので大変です」と、森先生。
その前には私の名字ネタで、私の父方の実家が熊本だと知り、「Fellows!の掲載作家さんでも、熊本ご出身で珍しい名字の方(百名 哲先生だったかな?)がいるので、熊本は珍しい名字が多いのでしょうか」と話されていたのも印象的でした。

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サイン会以外にも、読めるバックナンバーや原画の展示もあったりして、「あ、この人もFellows!執筆者なのか!」と知る機会になりました。
秋葉原はおろか、他のどの書店でもできないであろうイベントを実行してしまったCOMIC ZIN さんには頭が下がります。
そして300人サイン会を達成してしまう森薫先生にも頭が下がります。凄すぎます。