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日記といふもの

日々どうでもいいことを書き連ねて「いきたい」日記帳です。 最近はTwitterに逃避しがち。良ければそちらもよろしくです。

21 2月

超☆ひだまつり 2~4時間テレビ in パシフィコ横浜国立大ホール(前編)

行って来ましたパシフィコ横浜。通算で3回目のひだまつり、私にとっては昨年の「超ひだまつりZ」以来の2度目のひだまつりです。
今回の会場が5000人収容、前回の超ひだまつりZが2500人収容の会場でしたから2倍。最初の会場だった横浜BLITZが300人収容だったということですからそのときと比べると18倍ですよみなさん。
会場に着いたのが公式の開演時間から15分ほど前。しかしその時点でも入場してくる人がかなりいる状況で、こりゃどうなるのかと思ったら結局30分おし。
最後は宣伝担当・アニプレックスの高橋祐馬さんまでがみずから、場内放送で開演が遅れることをお詫びされていました。

まずは校長先生が、今回は声だけでなく巨大プロジェクターから登場。ちゃんと震えてます(笑)。そしてなんとあの方がアメリカから開会宣言を。って、どう聴いてもその声は小浜(カタカナ)さんですね。映像も絵だけどその方ですよね。許諾とってるわけないですよね。だからこそライブDVDにはできないわけですね。わかります(笑)。
今回は歌よりもトークがらみのコーナーがメインと事前から言われていましたが、冒頭はまず、ゆの(阿澄佳奈さん)・宮子(水橋かおりさん)・沙英(新谷良子さん)・ヒロ(後藤邑子さん)による『できるかなって☆☆☆(みっつぼし)』でスタート。やはりひだまりのアニメOP曲はどの曲も盛り上がりますねえ。
ちなみに今日のセットリストは、3期分のOP&ED(もちろん歌うのはmarbleのmiccoさん)が各コーナーの間に入り、さらにアンコール前ラストで『ひだまりランド・ゴーラウンド』が加わった感じでしょうか。
『できるかなって~』のあとにmiccoさんが『さくらさくら咲く』を歌い、吉野屋先生役の松来未祐さん、乃莉役の原田ひとみさん、なずな役の小見川千明さんもご登場されてトークのコーナーへ。で、このメンバーでトークをしていても充分イベントとして成り立つけど、とりとめなさ過ぎてしまう(というか尺が合わなくなる[笑]らしい)ということで、今回はニッポン放送の「よっぴー」こと、吉田尚記アナウンサーが司会進行役としてご登場。最初のひだまつり以来の参加だとか。
最初に書いてしまうと、この吉田アナの司会っぷりが良かったです。司会として存在感を見せつつもでしゃばり過ぎず、アオりを入れなければというところでは的確なアオりを入れていて、これぞプロといった感じ。アオりのところなんかは、真にひだまりへの思い入れがある人が聞いていたら涙を流すんじゃないかと思うぐらいでした。
ひだまり絡みだと高橋祐馬さんの司会(「ひだまりないと」)もわりと良かった感じですが、やはりプロだけに役者が違いました…。

最初のコーナーは、「みえるひだまりらじお」の拡大版。なんと吉野屋先生・乃莉・なずなも含めた全員の人形が登場です。横にいつもは見ないTBSの豚さんがいたのですが、あとでこの声はmarbleの菊池達也さんと判明しました。見た感じとは違い、わりとアドリブが効きそうな人ですね菊池さん(笑)。なずなの人形がデフォでスカートめくれそうな状態になっていたのは仕様でしょうか?(笑) しかし全員の人形、いつか一般販売してくれるのかなあ?吉野屋先生の人形が発売されたら何をおいても買うのじゃが…。
その吉野屋先生。みんなが、「どんな人に人形を貰ってほしいか」という話になったとき、「小池という苗字になりたい」とか、ひとりマジトークをしていたのは危なすぎると思います松来さん(笑)。
そして声優さんたちがステージ上に現れて、それぞれ人形をもっていく流れなのですが、豚さんを持っていくmiccoさんが「日頃の恨み」を人形にぶつけていたのは、いったいどういうわけなのかと(笑)。あと後藤さんだったか、ゆのと吉野屋先生の人形を逆さにしていったのはひどすぎます(笑)。頭に血が上ってましたね。
で、阿澄さんが出てこないのでひとり残されるゆのっち。誰が貰っていくのか…、というところで神降臨。文字通り、ひだまりの神が、「わたしがかみだ」と登場です。その預言によれば、「ゆのの人形は美少女のものになる」と。
その直後現れたのは、人形じゃなくてリアルうめ先生でした。なるほど、ひだまりスケッチはこうして生まれたのか(流石に実録ではない)…。

それにしても今回はさまざまなトークコーナーがありましたが、このあとのコーナーはすべて開会宣言同様にインスパイア(婉曲的表現)の嵐でした。コーナー名が出るごとに吉田アナが、「誰も思いつかなかった」と言うのが逆に…(笑)。
次のコーナーが「ひだまり鑑定団」吉田アナいわく、「私のイメージの中には石坂浩二さんも島田紳介さんもいません!」(笑)
ひだまりスケッチに関するお宝が登場するコーナー。
最初に高橋祐馬さんと登場したお宝は、アニプレックスさん提供の「最初のひだまつり映像を収録した生DVD」、そしてシャフトさん提供の「製作時に使用した小物類(ゆのの目覚まし時計・ブルータス像・吉野屋先生作:「折れてほしかった」像&折れてない校長先生像)」。シャフトさんからも依頼人が登場する予定だったそうですが、「忙しくてそれどころじゃない(by ゆまさん)」とのこと。今期3作品抱えてますものね。わかります(笑)。
ひだまり声優陣による鑑定の結果、「ひだまつりDVD」には本人評価額10万円のところに365兆円の値が付きました。どこかの国のGDPぐらいだそうですが。そういや日本の国家予算4年分か(笑)。
「シャフトの小物」には本人評価額20万円のところに180万5千円(こちらは記憶があいまい)の値がつきました。一転こちらはリアリティが(笑)。ちなみにゆのの目覚ましが5千円でした。
そしてもうひとりの依頼人、うめ先生が持ってこられたのが、「考え付いた設定資料を記録したノート」「自宅のプリンターで刷りだしてきた手製イラスト」「『☆☆☆』の台本に、『いたずら書き』という名のイラストをうめ先生が随所に入れたもの」。
声優陣がめちゃくちゃ騒いでいたし、阿澄さんが「こういうのは楽屋で見せてくださいよ(=ゆっくり見たいから)」と言っていたのが印象的でした。でもそれじゃウチらが見れねえ(笑)。
鑑定の結果、本人評価額600円のところに「プライスレス」という評価が。うめ先生自己評価額安すぎです! そして「ひだまつりDVDに兆の値を付ける」という前フリのおかげでプライスレスが感動話になってしまったような…(笑)。吉田アナいわく、「マ○ターカードのかた、このコーナーを見てたらこれをCMで使ってください」と(笑)。

そういえば、コーナーごとで一瞬CMが入ったりするのですが、これももちろんインスパイア(婉曲)あふれるCMばかり。「ユー○ャン」とか「エン○ョイ!CM」とか「明○安○生命」とか。音は本物を使っていると思うのですが、あれってやはり許諾とってないと思うんだけど…(笑)。「分かってる人もシャレだと思って許してね」的なところは多々あると思います。

次のコーナーでは、校長先生の長いお面をかぶった人が登場。その声は!
校長先生役のチョーさんが1年ごしの登場です。若くて美人な奥様(阿澄さん情報)同伴でいらしたらしいですよ。
あくまで私見ですが、おそらくチョーさんは昨年のひだまつりZにも登場されるはずだった(だからこその『ひだまりランド・ゴーラウンド』)ところに、公共放送さんところのお仕事がブッキングされてしまってそちらを取らざるを得なかったのではないかと思っているのですが。
それだけに、私にとっては悲願達成の感がありました。
登場してまずは高橋祐馬さんはじめアニプレックスの社員の面々で構成されたユニット「ひだザイル」とともに『おとこのこ&おんなのこパズル』with阿澄佳奈。このデュエットはここでしか聴けないでしょう! というか、ひだザイル息が合いすぎてて笑いました。チョーさんいわく、「忘年会みたいですね」。
チョーさんもまじえて、ここからは「ひだトーク」のコーナー。OP映像がどうみても…ですが(笑)。

この辺からは記憶が微妙になってきているので飛び飛びになることをご了承を。ということでいったん切ります。

11 2月

今野隼史先生&水原薫さんサイン会 in とらのあな秋葉原店A

今日はなにげに忙しかったのですでにサイン会の記憶も薄れつつあるような(汗)…。

『パブリオーン! みずはらさん』(ジャイブ刊)の刊行記念として行われた今回のサイン会。今回は、著者である今野隼史先生にくわえて、この作品のモデルでもあり作品監修を務められている、声優の水原薫さんも参加されるとあっては参加しないわけには行きません。
昨年夏のアニメ『かなめも』の風新新聞拡販イベントinアキバ に私が参加したとき、アニメ出演声優さんからのゲストとして参加されていたのが水原さんでした。そんなわけで、ご縁があるなあと思っていたので…。
参加券配布日は6時前に並び始めたのですが、その時点ですでに20人ほど並んでいて、結局8時半ごろまでに来られなければ店舗配布分をゲットできない過酷さでした。

さて当日。きょうはサイン会の後に来月水戸であるイベントの用事があり(じつは時間的にはダブルブッキング…)、とにかく早くサイン会を済ませないといけない…。そこで12時半ごろに会場であるとらのあな秋葉原店Aへ。
しかしその頃にはもうすでに7人ほど並んでいるわけで。整列は12時50分ごろからと書いてあるのに、早すぎる(笑)。
とらのあな秋葉原店Aがリニューアルされた後、サイン会は地下1階のスペースで行われるようになったわけですが、会場前の待機列(?)が店内にまっすぐ伸びたのは驚きました。と同時に羞恥プレーであるなあと(笑)。まあみんなサイン会に参加してなくても店内にいるのはみんな…ですよね?
列に並んでいる間、いつもなら目に留めない壁の上のほうに目をやると、いままで気づかなかった秋葉原店Aリニューアルお祝い色紙の列を発見。というかなぜあんな一見目立たない位置に?
その列の中に、師走冬子先生が描かれた『あいたま』の樹里さんの色紙と雪乃さんの色紙が各1枚ずつありました。というかなぜ2枚も?
思わぬところで発見をしたところで、13時をちょっと回り、少し遅れる形で地下一階での列形成となりました。

列形成が始まると、あとはその時点でいた参加者全員(二部制の一部50人前後?)が入り終わったところで今野隼史先生と水原薫さんがそろって入場されて、スムーズなスタート。
今回はお二人がサインされるということもあってか、今野先生もサインを入れられるのみでしたので、かかる時間はそれほど少なかったと思います。サインをいただく側も、今野先生と水原さんとに順々にサインをいただく感じで。
なので比較的すぐ私の順番となりました。

まず今野先生に「はじめまして」とご挨拶。
サインを入れられる時間はあっという間なのでとにかくまとめて話をしないと、という感じでしたが、「今野先生の作品を読むのは『みずはらさん』が初めてでしたが、ポップな絵柄(アメコミ的?)が水原さんを描くのにとても合っていると思います」とお話させていただくと、今野先生からは、「この作品は、描いているときから楽しい作品なんです」、「掲載誌の他の作品からは浮いてるかもしれないですけど…」というお言葉が。最後に全員に配られていた名刺を手渡していただきました。

そして水原さん。水原さんも、今野先生から私の本を手渡されるとすぐにサインを入れ始められます。
「こんにちは。じつは昨年夏の『かなめも』の秋葉原での水原さんが出られたイベントに参加させていただいたので、はじめまして、ではないんですよー」とご挨拶させていただくと、「あー! あの拡販イベントですかー!」と水原さん。「と、いうことは…」と話される水原さん、そのとき書かれたサインと一緒に入った水原さんのお言葉は…

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でしたとさ。

今回は待ちがけっこう長いイベントでしたが、サイン会以外の部分でも発見があったりして、やはり楽しめてよかったです。
水原薫さん、今野隼史先生、ジャイブ&とらのあなの関係者の方々、本当にありがとうございます。
31 1月

井ノ本リカ子先生サイン会 in COMICZIN新宿店

明けましておめでとうございます(今更か)。完全に気軽に書けるTwitterのほうに重点が移っちゃってます。
ただサイン会レポはこちらが便利、ということでことし最初のサイン会レポ。私にとっては初のCOMICZINさんでのサイン会です。

『いなかの(2)』(双葉社刊)の刊行記念サイン会として行われた、今回の井ノ本リカ子先生のサイン会。
井ノ本先生を読むのは、『いなかの』が初めてかな? もっと過去に読んだ記憶があるような…。
ともかく、井ノ本先生が描く女の子は私の趣味にぴったり。『いなかの』でいうと、好みは瞳ちゃんなんですけど、茜ちゃんもいいですね。

新宿ZINでのサイン会としてははけが早い、参加券即日完売だったのですが、私はギリギリ終わり際の78番。
当日は、列に並ぶことも無いまま順番を呼ばれる形。新宿ZINは、入口から入ってまっすぐ先にサイン会会場の小部屋があって、入口でサインの宛名(本名&ひらがなオンリー)を確認するとそのままサイン会に入ることになりました。
と、ここでひとつ失敗。参加券裏のアンケートを記入できるところには全部記入したつもりだったのですが、当日のテンションで書こうと思ってた井ノ本先生へのメッセージを記入しないままサイン会に入ることに。初めてで勝手が分からない会場だからこそのミスでした…。

ちょっと狭い入り口から会場までの2メートルぐらいに5人ぐらい双葉社の方(?)などが5人ぐらいいらしたのは心の中でちょっと吹きましたが(失礼)、すぐに井ノ本先生が椅子に座っておられる机の反対側の椅子へ。
「はじめまして」の挨拶のあと、井ノ本先生は宛書から書き始められました。
私の名前をみて「めずらしい苗字ですね」と言われるので、漢字を教えるとさらに驚かれるのは、私の苗字の場合当然のことなので驚きません(笑)。
「この字って、当て字なのですか?」と井ノ本先生に尋ねられたので、かいつまんで私の苗字の由来を一通りお話しすると、また驚かれるのでした。そういう感じで盛り上がっている間にも、井ノ本先生はイラスト(瞳ちゃんでした)を描かれています。速い!

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宛書のところには、私の苗字のひらがなの上に漢字が書かれていたのでした。「聞いていたら書いちゃいますよね」と井ノ本先生が言われていたような…。

短い時間でしたが、じつに楽しいサイン会でした。『いなかの』の今後にも、COMICZINのサイン会にも期待しています。
23 12月

秋★枝『伊藤さん 秋★枝短編集』(メディアファクトリー刊)を読む

なんか、サイン会とかがないとほんとに間隔が開き開きになっちゃいますねえ。ほんとすいません。
Twitterではちょこちょこ書いてるので http://twitter.com/Bon_voyage そちらもよろしくです…。

さて、先頃3巻が刊行された、『純真ミラクル100パーセント』(芳文社刊)に続く秋★枝先生の新刊は、『伊藤さん』という題名。
なに?って感じですが、秋★枝先生のサイト『ロケット燃料』で不定期連載?されていた作品がまとめられた上に、秋★枝先生のデビュー作を含む初期の作品もまとめられた短編集となっております。
秋★枝先生ご自身は、「若さと勢い」があったから描けた作品、とおっしゃっていますが、なにをおっしゃるかと。
デビュー作である『先生+』から、読む者を作中世界に引きずりこませ、作中人物たちの心象風景が読むものの脳裏に映し出されるようなストーリーテリングは確立されています。
そしてなんといっても秋★枝先生が描かれる人物たちの艶めかしさ。これは本当にすばらしい。男性も、そしてもちろん女性もとても艶めかしい。
とくに濃ゆい画風でもないのに人物たちが艶めかしい漫画家さんというのもじつに珍しいのではないかと。

そして各作品ではその艶めかしさを軸足にして、読み進むにつれて笑いがこみ上げてきそうな「憧憬の家」や、切々とした男女の心情をきめ細かく描いた「はじまり」や「ふたりの出会いのお話」、はたまた、「ブラフ」のような人間関係の綾を解きほぐすことのむずかしさを描いた作品など、さまざまな作品を描かれているわけで。
この方は、真の意味で漫画を(同人・商業両方で)描くことで「鍛えられている」漫画家さんだなとつくづく感じさせられました。

そういえば、マクロスFのランカとシェリルを描いた同人作品『ランシェリ』を読んだときにも強く感じたのですが、秋★枝先生の作品は、読むほどにその深遠に嵌りきってしまい戻れなくなるのではないかという恐れを持ちます。この『伊藤さん』にもその恐れを強く感じました。
秋★枝先生の世界にはまり込んでしまいたい人は読むのがよろしいかと思います。
29 11月

柏原麻実先生サイン会 in 紀伊國屋書店新宿本店

サイン会もさすがにもう終わったかな? という時間帯です。
『宙のまにまに(7)』(講談社刊)の刊行記念として行われた今回のサイン会。ストーリー漫画のサイン会に行くのは久しぶりでした。もちろん柏原麻実先生のサイン会も初参加。
実をいうと今回、柏原麻実先生のサイン会なんて行けるはずがなかったのです。なにより参加整理券配布日が平日でしたし。
ところが配布当日の朝、twitterで紀伊國屋書店に並んでいらした方のpostを読んでいて、ツッコミ半分でぽつりと「いいなあ…」とpostを送ったところ、その方から「もう一枚整理券をもらう時間的余裕はあるので、よかったらどうですか?」とメールが。もう当然のことながら、「できるならお任せします!」とメールしましたよ。
結局、配布開始時間に相当の人数が並んだらしく2枚取りは難しいかも…、という状況でしたが、なんとか取っていただくことができました。

さてそこで問題が。『宙のまにまに』がアニメ化されているのも知っているし、その主題歌をスフィアが歌っているのでよく聴いてもいる。ですが、配布日の時点ではそこまでだったんですね。私の柏原麻実先生と『宙のまにまに』に対する認識は。アニメも、地アナの自宅ではUHFの電波が入らないので見られずじまい(地デジめ…)。
先週のサイン会で事前にお会いして本と整理券を受け取ることはできたので(ありがとうございます!)、当然予習のために7巻を読んだのですが、まったりした雰囲気なのにスピード感があって、たしかにこれはアニメ化されても十分面白い作品になっているだろうなと感心しました。
とくに「おいかけられて」の姫(蒔田さん)とその後輩・次原章一の初々しさは心が温かくなる作品でした。

さて当日。整理券の枚数最後のほうでしたので、列に並ぶ時間も16時15分といつものサイン会と比べるとかなり遅いほうの時間。集合時間あたりは紀伊國屋書店の9階から8階まで列が続いていたのですが、いったん列が整うとあとはスピーディー…、にはなりません。どうも一人あたりにかけている時間が長めの様子。9階の会場が近づくと、柏原麻実先生の特徴あるお声(初聴でしたが、ぶっちゃけ「アニメ声」ですよね・笑)が聞こえます。どうやら話し込む時間が長いらしい。

なにせ初めてお会いする作家さん、しかもアニメ化されていてもアニメは未見で、ご本1冊読んだだけの人間で大丈夫なのかと。「喋り過ぎはボロが出る」と自分に言い聞かせながら順番を待っていると、逆に緊張して心臓がドキドキする始末…(笑)。
会場となっているお部屋に入り順番待ちすると私の順番が。
「こんにちは。今日はお疲れさまです」と挨拶させていただきました。

まず整理券に書いた私のHNをご覧になり、すぐにサインの宛書きから入れ始めた柏原麻実先生。私のHNを見てまごつかない漫画家さんは珍しいかも。
最初に柏原麻実先生から、「今回のサイン会は整理券を取るのが大変らしかったみたいですねー?」とご質問が。「友人に取ってもらえたのですが、なんか10時の開店時刻にはほぼ無くなったみたいですよ」と、私。アニメ化にされて、内容も良い作品ですからさすがの人気ですよね。
そして、「イラストを入れるキャラクターのご希望はありますか?」と尋ねられたので、「追いかけられて」の印象から姫をお願いしました。

柏原麻実先生から、「アニメはご覧になられましたか?」と尋ねられたので、ここは正直に「残念ながら、うちは電波が入らなくて見られなかったんですよ…」と答え、「でも、すごくいいアニメになったというお話はいろいろなところから聞いていますし、DVDになったら必ず観ますよ」と続けました。
すると柏原麻実先生からは、「スタッフの方々にもがんばっていただいて、原作者の私から見ても本当に、『良いな!』と思える作品になったんですよ~」、「ぜひDVDで観てくださいね」とDVD鑑賞のお勧めが(笑)。

そしてサインとイラストを入れ終わる間際に柏原麻実先生から、「アニメに負けずに原作のほうもがんばっていきますので、これからも応援してください!」とお話されたので、「もちろんですし、なによりアニメが世に出る前に、原作がまず大事ですから」と私も答えて、「そう言っていただけると…。ありがとうございます」と言われたところで柏原麻実先生がサインとイラストを入れ終わりました。

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個人的には、この程度の知識で会話が出来るのか心配でならなかったのですが、柏原麻実先生のほうが積極的に話しかけてくださる方だったのでリアクション芸人タイプの私には大変助かりました(笑)。

今回は、柏原麻実先生や講談社の方、紀伊國屋書店の方だけでなく、整理券を取ってくださった方もいなければ参加できなかったわけで、ほんとうに感謝の言葉でいっぱいです。
本当にありがとうございました。
22 11月

後藤羽矢子先生サイン会 in ブックファースト新宿店

私にとっては初の後藤羽矢子先生サイン会となった今回。後藤羽矢子先生の、芳文社からの初単行本となった『コミカプ(1)』刊行記念サイン会です。
私が読んだ後藤羽矢子先生の作品は、『どきどき姉弟ライフ』(竹書房)が最初の作品だったかと思いますが、それ以来何度かサイン会はあったはず。でもなかなか行くチャンスに恵まれず、ようやく今回が初のサイン会参加となりました。
本当は今日から3連休ずっと休日出勤だったのですが、今日は夕方出勤にしてもらいなんとか参加にこぎつけました。
会場となったブックファースト新宿店でのサイン会も約半年ぶり。ブルースクエアカフェ内会場でのサイン会も板についてきた(?)感があります。

ちょっと早めの13時45分ごろに会場に着いたのですが、会場ではちょうど、カフェへの入口付近を中心に10番単位で列を形成し始めたところ。整理券番号が運良く列の先頭となる番号だったので移動まで視界もひらけていてアンケートも書きやすくて(笑)楽でした。
配られたアンケート用紙には、「後藤羽矢子先生をどこで知りましたか?」、「あなたにとっての『コミカプ』の魅力とは? or 一番好きな話は?」、「『まんがタイムジャンボ』誌を購読しているか」、「好きな4コマ漫画家さんや作品は?」などの項目が。

やがて開始時刻の14時となり、整理番号20番までの参加者はすぐに会場内へ。
前回の久世番子先生のサイン会に続き、会場には今回も面白い趣向が凝らされていました。
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ホワイトボードには、後藤羽矢子先生が描かれたイラストが。さらに、
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「手にとって見られる」生原稿が…。これはこれまで見なかった趣向でした。やはり、まんがを描くことを描いた作品だからでしょうか…。
そうこうしている間に結構速いスピードで列が流れていると思ったら、今回はイラストのキャラクター指定がなかったのですね。主人公のういちゃん一択だったようです。編集者キャラの天城さんもけっこう魅力的な女性キャラなのですけどね…。
そして後藤羽矢子先生がイラスト&サインを入れられるスピードも速いのです。

そして私の順番もすぐに。
「はじめまして」とご挨拶させていただき、後藤羽矢子先生がイラストを描き始めたあたりで、「後藤羽矢子先生のサイン会に参加するのは今回が初めてです。以前から作品は読んでいるのですが参加するチャンスがなくて。感無量です。」と切りだすと、後藤羽矢子先生も、そのお隣にいた芳文社の編集者の方も、驚きつつも喜んでくださっていました。

やがて描きあげられたイラストとサイン。
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そして今回は他にもおみやげが
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ペーパーとポストカードです。作中のゆるキャラ・「はっちゅ」の初カラーだそうです。

『コミカプ』は、登場人物たちの感情のアップとダウンがとても激しい作品であるように感じます。アップの場面はとても輝かんばかりにハイテンションなういちゃんが見られますが、ダウンになると本当に沈みっぱなしで…。
その落差がこの作品の肝になる部分でもあるし、後藤羽矢子先生の描き方らしい作品になっているように思います。そのあたりが楽しめるようになって、私もこの作品が読めるようになったなと感じます。

今日はいろいろな趣向あり、書店としての環境もかなり良いブックファースト新宿店でのサイン会でとても楽しめました。後藤羽矢子先生、そして芳文社の方にもブックファースト新宿店の方にも感謝の気持ちがいっぱいになるサイン会でした。

17 11月

コミティア90&pixivマーケット(東京ビッグサイト西1ホール&アトリウム)その1

昨日行われたコミティア90とpixivマーケットの(半)合同イベント。早朝(朝6時)に家を出るころには寒かったですが、前回に続いてまた豊洲駅から歩いて(中途半端な距離なもので…)、屋外展示場のpixivマーケットの待機列に並んでいたら陽が当たりだし、上着を着てたら暑い暑い(笑)。
開場が、pixivマーケットのほうが1時間早い10時からだということに直前になって気づいたりしましたが(笑)、混雑すると思われるサークルと分けられた通常サークル行きの列はそれほど並んでいる人も多くはなく、滞りなく入場開始。
今回の私は、pixivのほうに行きたいサークルさんが1サークルだけあったので前日ちょっと迷った末にpixivから並ぶことにしたのですが、結果的に見れば大正解でした。
千歳キイロさん(PGG@B006)のご本「Caviten」は、虫歯菌vsフッ素の萌えキャラ化まんが。この方のまんがを読むのはすごい久しぶりな気がします。同人誌だともうかれこれ(自主規制)年ぐらい読んでいなかったかも。主人公のコッカスちゃんは、萌えキャラでどS。最強です(笑)。首の鈴(?)にはどういう意味が?と疑問に思ったのですが…。
そしてゲストには小笠原朋子さんの4コマ。バトルです。千歳キイロさんも描いていない、虫歯菌vsフッ素の萌えキャラバトル。悪乗りしてるコッカスちゃんがチャーミングです。

さて買い物が終わって10時5分過ぎ、外階段を上がって屋上展示場にあるコミティアの待機列へ。10時10分ごろで7列ぐらい出来ていたでしょうか。列に並んでしばらくすると早くも前方列の移動が開始され、館内へと引き込まれていきましたが、私が並んでいる後方列は結局11時5分前ぐらいになって移動開始。それでも会場内には11時10分ごろには入れたようです。

まず最初に小笠原朋子さんと深森あきさんの二人サークル「渚宮」@や26b。
小笠原朋子さん(今回はご親戚の事情により欠席)の新刊は『ゆなさなニッキ』の再録本・プレビューバージョンとなる『ゆなさなニッキ 0.5』。お試し版的コピー誌ではありますが、予め作られているためもあり装丁が凝られていて面白いです。本の開く部分がシールで止められているのも含めて装丁なのかなあと思いつつ(これには小笠原さんの意図があるようですが)、読んでみるとメインキャラクターの紹介的4コマ再録あり、秋にちなんだ描きおろし4コマ2本ありと、わりとおなかいっぱいになる出来上がりの作品。本編は早ければ次回のコミティア91で刊行される予定とのこと。期待すべし。でも雑誌に掲載されたぶんが合計で約60ページほどしかないというのは意外でした。
深森あきさんは今回本格的なオリジナル新刊を刊行されました。これまでのコミティア参加時に無料配布で刊行された作品を再録した『コミティアでタダで配ったまんが+1』です。
私も毎回コミティアに朝一で来られるわけではないので、じつはこれまで取り逃していた深森さんの無料配布本があったのですが、これを一気に補完できたのはうれしいです。最初の配布本だった「1×1」から取り逃してるからなあ…。
その「1×1」はお味噌汁を作るお話なのですが、これがなんというか、作品から「執着」を感じるのです。できたお味噌汁は、はっきりと描かれているわけではないけれど、なんかすごくおいしそうで…(笑)。作っているときの雰囲気も、食べている雰囲気もそれぞれ良い感じの作品だなと感じます。
このご本のある種メインとなるのが描きおろしの「最初はグー」。モチーフは幻想的というか、SFチックなのですが、登場する男子高校生たちの真っ直ぐな気持ちが目立っていて、これもなんというか、不思議というか、ギャップが印象的になる感じでしょうかねえ。面白い作品です。

板倉梓さんのサークル「WATTS TOWER」@ひ19aは、私は商業誌(まんがタイムスペシャル『蝴蝶酒店奇譚』)から入ったクチなのですが。この方の作品は、ほのぼのとしていそうな雰囲気のなかに、ひねったところが必ず入っているところが面白いと私は感じています。ひねり方は笑いであったり、軽い毒であったりとさまざまですが。
今回の新刊『シロとクロのせかい』は、商業誌での4コマ作品を中心に再録したコピー誌。どちらかというとひねり方は「笑い」の比率が高い作品でしょう。じつは商業誌で4コマ作品を描き始められてまだ間がないという板倉さん。スペースでお話ししたときには、「(商業でも同人でもこれまで多く描かれている)ショートストーリーとはまた違う難しさがあって。でも楽しいです。」とおっしゃっていましたが。
この作品では、起承転結の「転」の部分の突拍子のなさがなかなか面白いと感じました。10ページの長台詞の「転」なんてほんと突拍子もなくて笑えます。
ことし2月に刊行された『SERIAL BUNNY』はショートストーリー。悪から善に更正できても結局暴力を使ってたんじゃ意味ないじゃん、というバックグラウンドがあって、そこに笑いとか少しの毒とか少しのお色気とか、そういう捻りが加わって一本の作品になっている感じです。あとなんといっても、舞台がアメリカなので、ワイルドな感じも(笑)。
次回のコミティア91では、ふかさくえみさん(「すこやかペンギン」@け16b)との合同誌刊行予定とのことで、異色のコラボ(というほどではないけど)が楽しみです。

楠見らんまさんのサークル「猫が行く」は今回「疾走ピバラ145」@ひ25aさんに委託されての参加。楠見さんご本人も売り子さんをされていました。この方も商業誌(まんがタイムジャンボ『みちるダイナマイト!』)から入ったのですが…。この方もfrom コミティアなのか…。
この方のご本。一冊目は『腐女子の『腐』っ。』。基本線は1ページ完結のショートショート的まんがなのですが、どれもハイテンションに裏打ちされたアホっぽさがとても楽しいです(笑)。というかここまでハイテンションな腐女子のいづきさんとつきあえる太田くんは、果報者というのか、「ガンバレ!」というべきか(笑)。
ともかくこれは、モチーフが違っても『みちるダイナマイト!』に通じるハイテンションギャグかもしれません。これはほんとに楽しい。
二冊目の、『まちがい探し★』はショートストーリー。こちらはわりと落ち着いたテンションで、まじめにストーリーを描きつつ笑いをところどころで取って行く感じでしょうか。むしろ、続きというか他のストーリーも読みたかったです…。つーか置いてあったご本全種類買っとけという話ですねすみません。
ジャンボでの『みちるダイナマイト!』もほんとに楽しみです。

続きます。というかまだ書いたのは約30冊分の5冊か6冊分ですよね。
1 11月

「『おいしい日曜日』&『ウチへ行こうよ!』コラボブック」が届きました

小笠原朋子先生が今年出された単行本、『おいしい日曜日』と『ウチへ行こうよ!』(ともに竹書房刊)の2冊購入応募者全員プレゼント、「コラボブック」が先頃完成。竹書房さんの方からきょう届きました。

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まず表紙のデザインが素晴らしいですね。両作品の全メインキャラが一列に並ぶという単純なものなのですが、空色と白を基調としたパステルカラーの色使いがとても目を引きます。小笠原先生の「腕の良さ」のひとつは、このパステルカラーの使い方の上手さにもあると思います。
そういえば、このデザインは小笠原先生がサークル「渚宮」で出されている同人誌ともかなり近いように感じられます。本の体裁も同人誌と一緒ですからね。

内容は、『おいしい日曜日』の単行本未収録部分を載せたところがメインなのですが、とくに4作目の、「出版社の新年会にいく三上さん&あかりさん」の回は、単行本から省かれたときに悔しかったので、限られた形とはいえ補完されたのはとても良かったです。なにより、三上さん&あかりさんに別の第三者が(準)恋敵的な立場で現れるという展開は他の回ではなかったですし、目新しさという点では作中のベスト1に挙げられてもおかしくない回だったと思うのですが。
あと、あかりさんの友人が生殺しにあう回も、想像するだに彼らの哀れさがしみてきて(笑)、連載時から面白かったなあと。

描きおろしは、文字通りの両作品コラボ。『日曜日』の2年後という設定だそうですが。
方向性としてはわりと違った作品だったと感じられる両作品だったのですが、うまくコラボレートされているなと。
それにしても三上さんと明彦くんは好みが合うよねぴったりと(笑)。
しかし、こずえさんが如月聖良先生に化けるネタは連載&単行本でも使われましたが、こういう形で再び使われるとは。三上さんと如月聖良先生は同じ創作者同士だしアリっちゃアリですよねこういう展開も。
そして最後のオチも、ああ良かった?。という感じです。でもこの二人だと、紆余曲折あったんだろうなあ…と。そこが知りたい。単行本後半のような堂々巡り的展開かもしれないけどそこが。

じつに楽しいコラボブックです。だけどこれ、このクオリティ&ハイレベルなら同人誌として頒布して普通に完売レベルですよ。全プレとはいえ、限定数なのが色々な意味でもったいないです。
19 10月

『メガミのカゴ(3)』バナーキャンペーンのサイン本が届きました。

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今夏に行われた、松本ミトヒ。先生主催・『メガミのカゴ(3)』刊行記念バナーキャンペーン。
1巻のときから毎回参加させていただいていますが、字ばかりの私のブログでも、色とりどりのバナーを貼らせていただくことで、毎回単行本刊行の折には彩りとなってくれていました。
それだけでもうれしかったのですが、今回はありがたいことにプレゼントにも当選することができました。当選メールを頂いたときもとてもうれしかったのですが、きょう、その賞品である『メガミのカゴ』キャラクターイラスト入りサイン本、1巻・2巻・3巻の3冊セットが届きました。上の写真は、1巻に描いていただいたメガミ委員長の宮本明美タンです。デジカメのストラップが一緒に写りこんでますが(笑)。

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そして2巻:風紀委員長の八重樫琉子(ルールー)、3巻:モエスの先輩・麻倉南

1巻に明美タンなのはいわずもがなの主役ですし当然のことですが、2巻と3巻はキャラクターの選択にはほんとうに迷いました。
2巻は、ヒーロー浩輝クンもいましたし、観月先生もいましたし、なによりも、クミさんを描いていただこうかどうしようかとめちゃめちゃ迷ったのでした。
3巻の主役はなにげにモエスの先輩だったと思うのですが…。そういう意味では迷わなかったかも。
でもやはり、他にも描いていただきたいキャラはいましたし。だけどこの3人がベストな選択だったと思っています。

『メガミのカゴ』に関しては今回が最後のチャンスだったというのもあって、とてもうれしい出来事でした。
最終回まで残すところあと2回。いっそう注目して読んでいこうと思います。
17 10月

こいずみまり先生サイン会 in とらのあな秋葉原店A

『みずほアンビバレンツ(3)』(双葉社刊)刊行記念として行われた今回のサイン会。今回の会場は、これまでとは異なりとらのあな秋葉原店A(男性向商業誌&同人誌をメインで扱う店舗)での開催となりました。これまで使われていた秋葉原店B(女性向同人誌や音楽・映像関連商品を扱う店舗)の8階はとらのあなさんの事務所になったようです。けっこう広々としたいい環境だったので残念…。

きょうはちょっと起きられずに、ぐだぐだしていたら開始に間に合わない時間に自宅を出ることになってしまいました。
現地到着が14時10分ごろだったのですが、今回会場が変わったことに気づかず、一度秋葉原店Bのエレベーターに乗ってしまったりして。
私が列に並んだときは、すでに25人ほどが列に並んでいたところでした。
で、今回の会場となった秋葉原店Aの地下1階会場ですが、これまでのとらのあなでのサイン会会場と比べるとグレードダウンしてしまった印象は否めません。地下のせいか、なにか重苦しいというか、じめじめした空気も感じたように思いましたし。

列に並ぶときに渡されたペーパーは2種類。
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今回特筆したいのは、サイン会で描いていただけるキャラクターを図示するペーパーも配られたこと。これはすばらしいと思いました。こいずみ先生のサイン会ではこれまで、描いていただけるキャラは作品を問わなかったのですが、今回はさすがにダメだったようです(笑)。双葉社さんから言われたのかな?
ていうか今回も「パンティ」(この作品ではハンカチとして使われた展開がある)までキャラとして入ってるし。実際書いてもらってる人いるし。ちょっ、やめれ…(笑)。

さてちょっと待ちましたが意外と早く私の順番。でも一人当たりの時間としては1分ぐらいだったのではないかと思います。短かったと思うのですが。
「(今回も)よろしくお願いします。」と私があいさつする前にこいずみ先生が、「V、o、y、a、g… ヴォヤージ、でしたっけ?」と。
惜しい(笑)。「ボイジャー」なんですよね。先日の雁須磨子先生サイン会のとき同様、私のむずかしいHNは読んでいただくのが難しいようです。まあ私の苗字もそれ以上に難読なのでどっちもどっちなんですよね。
あと、こういう変わったHNだと作家さんご自身の掲示板で書き込まれてないかとか尋ねられることも。こいずみまり先生のサイトの掲示板には、書き込んだような記憶もあるのですが(かなり以前…)。

前の参加者の方がこいずみ先生と話されていて、ありすちゃんが今回の一番人気だと聞こえたのですが、やはり前回の横浜でのサイン会と、相当に参加者が被っていたのだろうと推察されました。
イラストを描いていただきながら、今回の感想などを話したり。
「今回は、みずほちゃんが男の子(not 「男の娘」)であることから離れられない葛藤を描いているところがあるわけですが、そのあたりの葛藤の描写がすごく興味深いなと」、「こいずみ先生は女性ですが、そういう葛藤の心理描写をうまく描かれているのがすごいなと思います」と私が言うと、こいずみ先生は、「私もココロはオヤジですから」と(笑)。心情的にはみずほちゃんと同性ってことですね(笑)。
でもみずほちゃんがこの作品ではいちばん美人だから困るのですよ。
ちなみに、「『みずほちゃん』と言っていいのかな?」 と私が自問気味に言ったらこいずみ先生や編集者の方からドッと笑いが。

それにしても、今回は静かでいつもより落ち着いていられたぶん、みずしな孝之先生が以前書かれていた、こいずみ先生の印象についての言葉の意味がよくわかったというか。きょうのこいずみ先生の服装とか、別に派手でもなく普通なのになあ…。

そうこうしてる間に、こいずみ先生がイラストとサインを入れ終えられました。
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会場はあまり良くなかったけど(まだ言うか)、サイン会はとてもいいものでした。
こいずみまり先生、関係者の方々、ほんとうにありがとうございます。最終巻も期待しています。楽しみです。
12 10月

小笠原朋子先生作品の2点セット(3)

今回は、いつもとは違って狙ってやってます。いつもは「つめあわせ」ですが、今回は2作品なので「2点セット」で。

「duet」2009年11月号(ホーム社)のレポートまんが@『マイガール』
すでに連載化されている、「duet」誌での小笠原朋子先生のドラマ撮影現場レポ。今回は特別版なのか、2本で計2ページとなっています。倍です(笑)。
今回はそのひとつの作品のほうを。
このあと取りあげる『パパLv.1』もそうなのですが、最近の小笠原朋子先生の作品に増えた魅力のひとつは、男女を問わずかわいい子供を描く腕がめきめきと上がったことではないかと。
その意味で、テレビ朝日系ドラマ『マイガール』の撮影現場イラストレポは小笠原朋子先生にぴったりでしょう。
もうね、小笠原朋子先生が描く、コハル役の石井萌々果ちゃんがめちゃめちゃかわいいのです。そしてしかも、萌々果ちゃんと共演する、主役の正宗役・相葉雅紀さんとの、撮影の合間でのじゃれてる感じを見ていると、ふたりともがすごくかわいくなるのです。コハルの髪を整える正宗のシーンでの、「ニャー」と言う萌々果ちゃんと、相葉さんとのからみとかもう最高!(笑)
そして、相葉さんに世話女房的な萌々果ちゃんの様子も描かれていますが、これはなんというか、小笠原朋子先生が描く女の子のパーソナリティにとても近いものがあって、小笠原朋子先生が描くためにセッティングされている光景ではないかと思えてしまいます…(笑)。でも、ああいう世話好きなところって、女の子にはよくありますよね。
にしてもかわいいなあ…。

まんがライフオリジナル2009年11月号(竹書房)
『パパ★Lv.1』
やあ3話目なんですけども。つぐみちゃんの「強奪愛」が凄すぎます。
すでにつぐみちゃんの中では、景樹さんに対する愛は「つぐみ>千代子」という力関係が成立しているわけで(笑)。あくまでつぐみちゃんの中でだけですが。
それでもって、今回は千代子さんと景樹さんのあいだにちょっとだけ嵐が吹き荒れたわけですが、そこにあわせるかのように、わりと「効いてる」脇役キャラを多数投入しているのは上手く計算されているなあと感じます。隣家の住人とか、幼稚園の先生とか。幼稚園の先生は、基本的に1本しか出ていないのにけっこうインパクトがありますね。いろいろと含んでいるところがありそうなところがそう思わせるのかも(笑)。
そして、つぐみちゃんとおとなりさんの光太くんの様子(光太くんめっさ片想い【笑】)を見て、景樹さんの父性愛はレベルアップしているという(笑)。かなりもりあがる3話目になっています。
いっぽうで、「ひとりカヤの外」的な千代子さんは会社で、部下の人たちを仕事わんこそば状態に追い込む暴虐を(なんの腹いせか【笑】)。それにしても、この会社の人たちって上司にも遠慮無い物言いをしてくれてすごく面白いです。
でも、千代子さんも景樹さんに甘えることでうまく距離感を近づけることができたらいいのですけれどもねえ。
あとですねえ。ゴメン、景樹さんにヒゲはないですわ(笑)。景樹さんはやはり、カワユスなければ。

それにしても、小笠原朋子先生は甥っ子さん姪っ子さんの影響なのか、ほんとうにかわいい子供を描く手腕が素晴らしいなと感じます。今回の2作品のようなつながりが、またどんどん作品にフィードバックされていくんだなと思うと、どれだけいい作品を創っていかれることか…、とても楽しみです。
2 10月

実話系雑誌から

「本当にあった笑える話Pinky」2009年11月号(ぶんか社)
師走冬子『チヤホヤさせて』ゲスト掲載
『チヤホヤ』も、「ほんわら」グループではPinkyで3誌目の掲載となり、これで「ほんわら」全誌掲載経験あり、ということに。
テーマを決めて描かれている作品としては、こういう形での掲載は珍しいことではないかと。
さて今回は…、Pinkyだけに(注・Pinkyはお水・風俗系実話漫画誌です)放尿プレイですね、わかります(違)。
いやでも自分としてはあまり茶化せないところもありますが。実家で飼っていた犬が似たような状況になったことがあるので。
プライドを傷つけられたストレスから来るそそう癖というのは大変です。犬・猫にかぎらず動物はヒトよりもストレスにはかなり弱い側面があるのに、動物のメンタルヘルスというのはまったく進んでいないような感じがするのですがどうなのでしょう。ヒトのメンタルヘルスに動物を使う(いわゆる「癒し」ですね)という発想はあるのに。
それにしても、茶々ちゃん(ネコ・2歳)は大きくなりましたね。たしかに千也ちゃん(ネコ・3歳)がビビルのも分かる気が。以前の回で、「窮猫 猫を噛む」のようなお話がありましたけど、あの時はまだ茶々ちゃんは子猫でしたからねえ。それがさらに大きくなったら…。でも基本、仲はいいらしいですから安心です。
と、ヒトサイドでは、師走冬子先生のお母様のノリツッコミ的な、というか、師走冬子先生に説明していて、千也ちゃんがそそうをするのを止められなかったから冬子先生にツッコむあたりがノリツッコミみたいだなと(笑)。
そして、千也ちゃんへの対処法として正論を吐く(?)師走冬子先生に夕飯としてカップラーメンを出そうとするお母様もいいオチをつけられるなあと。

4コマでは、熊田プウ助先生の作品が、描かれている熊田先生の周りの人がかなりバカバカしくて気楽に笑えるところがいいなと。
あと、梅宮あいこ先生のストーリーものも、できれば過去の分からまとめて読みたいと思うのですが(4コマのほうは単行本もあるのですね)、なかなか難しいのでしょうかね。

「たかの宗美スペシャル!!」Vol.14(ぶんか社)
小笠原朋子『ニュースになりたい!』
将太くんのドラマの撮影スタジオに招待された、ななえさんと志津さん。「志津ちゃんも家族みたい」だから志津さんも一緒らしいですが、その言葉を誤解しちゃうのが将太くんです。やっぱり自意識過剰?
さて、「(未来の)ぼくの嫁」が正しいか、「ななえさんの妹」が正しいか(笑)。しかし、志津さんを「妹」と言ってるななえさん、あなたはいったいいくつなのかと(禁句)。でも今回のななえさんは、あきらかに若く見えるメイクをしているような。何が狙いなのか(笑)。そんなななえさんをツッコミを入れた将太くんは(こぶしで?)、何に対してツッコんだのか。
将太くんとしては、ここは撮影でかっこいい場面を見せて志津さんをときめかせたいようです。恋する男だな(笑)。
しかしほんとにななえさんは若メイクのせいもあってか、現場に馴染んでるところが怖いです。前回(Vol.13)も思ったのですが、志津さんほどではないけど、ななえさんもつかみどころがない女性なんだよなあ…。典型的なステージママって感じでもないですし。

と、ななえさんのミッキー(幹本さん)アンテナがぴぴっと。スタジオなのに幹本さんに飛びついちゃうところは、やはりななえさんは馴染みすぎてると思います(笑)。別のドラマの撮影に来ていたという幹本さん。主演ドラマを撮っているあたり、やっぱり売れているひとだということ。
と、ななえさんはここで空気を読んでいるのか読んでないのか、志津さんと幹本さんをふたりきりにしてしまうわけで。
撮影だからメイクばっちりの幹本さんと、すっぴんがメイクの志津さんという対比が面白い。でも幹本さんあなた、どう聞いても志津さんとの会話は口説いてるようにしかみえません。志津さんに「超浮いてる」(魅力的だ)と言ってみたり、「勇気あるよね」(「自分」を持ってるよね)とか、「遠くからでも(志津さんのことが)よくわかった(ニヤニヤ)」なんて、もはや決めゼリフにしか…。
ふたりの世界になってしまっているわけです。
そしてそれを傍で見ているななえさん。そりゃあ「ふたりの世界」ではそのふたりが主人公ですもの。ドラマになるわなあ。

ですがもちろん! その世界に割って入らなければならない人がひとり…。はい、将太くんです。志津さんをわたすわけには行きませんから。
自分を見ようともしない将太くんを止めようとする幹本さんへの将太くんの目は、もう必死そのもの。もう敵ですよ敵。必死な目をしてしまう時点でまだ子供なのでしょうけどね将太くんは。
ただ、恋をしている者の前では先輩もなにも、同じ「人間」でしかないわけで。恋をするとそうなってしまうのですよね。
演技もノリにのったらしい将太くん。いろいろな意味で、掴めるのかな?

4コマでは、さかもとみゆき先生の『三丁目刑事』がバカバカしいハイテンションで面白いです。この作品のアフロ刑事を見ていると、今年の春?夏ごろににCM等で流れていた「おしゃれ番長?♪」とか歌っている曲を思いだします(笑)。
30 9月

「まんがライフMOMO」2009年11月号

師走冬子『奥さまはアイドル』
祝・部長昇進、博嗣さんなわけですね。めでたい。
ところで社員→係長→課長→部長の順ですよまゆりちゃん(笑)。でも会社で働く人でないと、会社の役職の順番なんて理解できないですよねえ。
会社によっては、課長や部長でも担当する部署によって軽重があったりしますし、さらには係長の下に「主任」とか、部長と専務のあいだに「本部長」なんて役職があるところもありますし。出世したらしたで、社長や会長なんていわずに「COO」とか「CEO」なんていいますものね。もうわけわかりません。
博嗣さん的に目標は、「目指せ社長」なのかと思いますが、まゆりちゃんなら「目指せトップアイドルと主婦の両立」なのでしょうか。

そして、松川さんに博嗣さんの出世話を話すため、遺書をしたためて松川さんの前に立つまゆりちゃんが生真面目すぎ、そしてバカすぎる(笑)…。
松川さんの「まゆり殺ス」発言なんて冗談に決まって。いや、博嗣さんに関してはそう言い切れないところがイヤなのですが(笑)。
で、その出世話に即反応する松川さんも松川さんです。かわいい、というかまゆりちゃんの事になるとお子ちゃまです、松川さんの心は。
そして舞い上がってとまらないまゆりちゃんの心。9本目「うれしい」の様子なんてのはほんとよくわかるなあと。むしろひとりのほうが、止める人間がいないから楽しいのですきっと。
一方そのころ博嗣さんは、仁志岡さんとただならぬ仲ということになっていた(部下たちの間で)。仁志岡さんは空気読んでるのか読んでないのか、よくわかりません(笑)。

12本目の「落第だけは」のオチも勢いがありすぎてすごいです。「桜井は寝てません!!」なのが、変なリアリティを感じてしまいます(笑)。
博嗣さんに贈る歌の題名もなあ。なぜに「ファンタジー」。まゆりちゃんが考える歌の題名って、言わんとするところはわかるし創ったときの気持ちも分かるのですが。なにか速球を待ってたら超遅球が投げられてきたような、そんな感じです。

野広実由『うちの姉様』
るるちゃんの癖、というか「スピスピ」って、ものを食べるときに空気を大きく吸い込んじゃうのは消化に悪いですよね。胃には気をつけたほうがいいです。子供のときは私も似たような癖を持っていたので。
形から入った、おしとやかな涼音さん。たしかにきれいなのですが、『ヘチャーイ』とかやってたらダメだわな(笑)。しかし、お母さんのワンピースって、涼音さんのお母さんのわりには趣味が若い?
そして遠野さんのファッションチェック(笑)。ですが、やはり文章ですべて表現しているのでしょうか。まあ写真を撮っているから視覚的には問題なし(違)。

山口舞子『ひなちゃんが王子!』
王子様のような小学生・ひなちゃんのお話なので今回は学芸会のお話になっているわけですが、この学芸会のダンスの韻の踏み方だとかリズムのノリかたとかが、すごく良いと思いました。『カギっこ』でもそうでしたが、山口舞子先生は時折こういう、「韻」とか「リズミカル」のようなものを重視したお話を描かれているように感じます。このあたりが山口舞子先生の真骨頂だと。

東屋めめ『まぐ ばぐ』
・酒トラップに引っかかる虫たちがなんだかなあって感じなのですが(笑)、虫がアルコールに弱いのは事実ですからね。それでうわばみだったらもう目も当てられない(笑)。
・ぶどう狩りに虫たちを連れて行ったら普通に食害ですね、わかります。

27 9月

石見翔子『かなめも(3)』(芳文社刊)を読む

アニメ放送中に単行本を、という熱意が実ったのでしょう。3巻が発売となりました。
今回私はここまでで、comiczinとメロンブックスで2冊買い。他の特典も集められるようなら集めておきたいですが。

さて3巻でも石見翔子先生が描く独特の風情と雰囲気は変わりなく。と思うのですが、「きららフォワード」誌にゲスト掲載されたあたりを境にして、読んでみたときの感覚としての読後感が変化したようにも思えます。なんか、ワンクッションがなくなったような…。

口絵のキャラ紹介のイラストはこれまでとは違う印象で、CGのキャラっぽくみえるあたりはアニメ的なのかなあと。
巻頭の描き下ろし。なんだこの美華ちゃんは(笑)、という感じですが。恋に恋する男の子のような模索感はなんなのでしょうか。
というか猫と練習て。まあ抱き枕に人物画を描いて練習してる女の子と比べれば(そういやあちらも同年代だよな…)まだましなのか?(笑)

ひなたは、この作品での風情とはとくにうまくマッチしてるのですよね。雑草狩りの回(9ページ?)でかなちゃんといっしょのところを読むとそのあたりがよくわかります。
でもって、かなちゃんともとても似合いのふたりに見えるのですが、まああまり近すぎても色々な方面が困るのだろうなと。
3巻でも、はるかさんははるかさんなのですけど(笑)。なんというか、「No ようじょ No Life」って感じですよね(笑)。「No Girl No Life」と書くとかっこよく感じるのに、「ようじょ」だとなにか厳しい気がするのはなぜでしょうか(笑)。でも、「No ようじょ No Life」最高!
おっと、忘れてはいけない55ページからの「はるか強化月間」の回がありましたね。今になって考えてみると、あのはるかさんは、誘い受ならぬ、「誘われ攻」という新しいカテゴリーを作ろうとしているのではないかと思えてきます。

ネタ的には29ページからの髪ネタの回が特に良いかと。4コマの一本一本が面白くて、出ているキャラクターのキャラも全員立っているし、キレキレの回だなあと感じました。この回は、ゆめがある意味危険なキャラになってるなあと。

そして3巻を読んでいると、美華ちゃんはとても繊細な心を持った女の子なんだなとあらためて感じます。
恋する女の子の熱情、でも突っ走れない気持ちもある。だけどやはり、「かなのことが大好きなのじゃ!」って感じがかわいいですね。
あとなんといっても。なんかしらんけども、なぜそんなに余裕があるのか、って感じで美華ちゃんをいなすかなちゃんの凄さ(笑)。20ページの「図星」はその意味でベストな1本ではないかと。オチでの、目から上だけ出たかなちゃんの含んだ笑顔というかにやけ顔が最高ですね。

今回も良かったですな。まだしばらくはこんな感じで続いてくれるといいのになあと。
24 9月

松田円『それだけでうれしい』(芳文社刊)を読む

松田円先生の新作は、「まんがタイムスペシャル」誌で連載されていたショートストーリーです。
喫茶店の主・将一と、和菓子屋の娘さん・夕子の恋愛模様(?)を綴ったストーリー。

ストーリーといえば、松田円先生は4コマ作品でも『サクラ街さいず』や『つくしまっすぐライフ!』のような、4コマ作品を描き続けるなかでストーリーがゆるりと動いていく作品を、芳文社でよく描かれています。
この作品も、約3年間にわたる隔月連載の中で、将一と夕子の関係はお世辞にもあまり進展したとはいえないのですが(笑)、終わってみれば確実にふたりの距離は縮まっているわけです。
ストーリー的には、ふたりの間に割って入りそうなお邪魔虫的な存在だった三好さんの登場あたりから、ゆったりとは言えども事態は急展開を迎えて、読んでいるほうとしてはどういう風に結末をつけるのかどきどきしながら読んでおりました。まさか「あの」将一さんに強奪愛はないよなあと思いつつ、そんな展開もありうるのか!? と思っていたのですが、やはりこの作品らしい滑らかな終わり方を迎えたのは安心できましたし、それほど不幸な人も出ずに終わったのは(いるとしたら三好さんぐらい?)、それだけでうれしい(笑)。
と、この作品の前半では、各話ごとに題名でもある「それだけでうれしい」というフレーズが必ず1度は使われているのですが、連載時も「そこまでせんでも…」と思わないこともなかったりします(笑)。

それにしても、「歯がゆい恋」って良いですね。分別のついた大人だからこそそうなってしまう感じの。この作品の場合は、将一さんの性格のせいでもあるような気はしますが(笑)。
夕子さんの「歯がゆい恋心」が、読んでいるこちらの心を打つのです。外面的にはさばさばした明るいひとなのに、内面には歯がゆい恋心を持つというところもまた良い。

そういう意味でいうとこの作品は、『松田円先生 meets 「もうひとりの松田円先生」』なのかもしれません。
この作品のあとがきで、この作品が創られたきっかけが描かれているのですが、それを読むと、上の言葉の意味をお分かりになる方もおられるかもしれません。
そうすると、いちばんそれらしいキャラクターは三好さんなのですよね。三好さんもまた、じつは歯がゆい恋心を抱えていて、彼から感じる雰囲気からも、もうひとりの松田円先生世界の住人のように思えて。三好さんがこの作品内でしていることは私はあまり好きじゃないのですが、私も含めた読む側の心に残りやすそうなひとではあると思います。

あとこの作品の、物語の情報量の積み上げ方の上手さ、というかもしかしたら、松田円先生のストーリーの描き方の熟成の深まり方、なのかもしれませんが、そこもとても良かったです。
当初はかなり単純化したストーリーだったように思えるのですが、徐々に物語の糸のより合わせ方が太くなっていき、三好さんが現れてどんどん複雑化した話になっていくあたりは、読んでいてとても楽しいです。引き込まれるのですね。

手軽に読みやすい、入りやすい作品なので、読んでもらえれば「松田円先生の描き方」をよく知ることができるのではないかと。
22 9月

春日部という街から『クレヨンしんちゃん』という作品を見る

しんちゃん作者崖下のぞき込んでいた(日刊スポーツ)

臼井儀人先生が亡くなられたわけですが。上の記事を読むかぎり、危険な領域まで行って崖下の写真を撮りたい、というよほどの欲求にとらわれての転落事故だったのかもしれません。
強い探究心の末だとしたら、本人も意図しない状況なわけですし、心残りだっただろうなと思います。

さて、臼井儀人先生といえばどうしても『クレヨンしんちゃん』になるわけですが、私のプロフィールを読んでいただいても分かるように、臼井儀人先生が住まわれ、『しんちゃん』の舞台のモデルともなった春日部市に4年前まで長く住んでおりました。私の場合は、世代的に『しんちゃん』を熱心に見ていたわけではなかったですが…。

最近でこそ、春日部市は市を挙げてしんちゃんを街のシンボル的にしていたわけですが、映画がブレイクするようになる頃までは、春日部の街からの『しんちゃん』への反応はかなり冷たいものであった、というか、「黙殺されていた」というのが正しいかと思いますが、そういう感じでした。

なぜ黙殺されていたか。私が考えるに、古くから、それこそ江戸時代から代々住んでいるような春日部市民から見れば、しんちゃんはじめ野原家の人たちが、「よそ者」的な存在に過ぎなかったからというのがあるのではないかと見えるのです。
春日部という街は、昔からそういう古株な人たちが牛耳ってきた街だったために、しんちゃん一家のような存在が春日部のイメージキャラになることをなかなか許さなかったのではないだろうか、と考えるのですが。

さらに言えば、ある意味「まんがのキャラクターごとき」で左右される街であってはなるまいぞ、という古くから住んでいる春日部旧住民の概念が、春日部市と『しんちゃん』を結びつけることを長く邪魔してきたようにも感じられます。
これは『らき☆すた』にも同じことが言えて、『らき☆すた』に関して言えば、いまだに春日部市としては黙殺状態ですから。だからこそ「『らき☆すた』の街」の称号を鷲宮町に取られたわけですが。春日部が取っておけばいい商売になったのに(笑)。

しかし事実としては、これまでこれといったアイデンティティのなかった春日部市に、『クレヨンしんちゃん』がはじめてアイデンティティを与えることになったわけで、その存在感は著しく大きなものであったと感じます。
『しんちゃん』がブレイクしてからは、「春日部? ああ『しんちゃん』の街ね」で通るようになったのですから、これほどすごいことはないでしょう。
なにせ、それまでの春日部を代表するものといえば、「桐たんす」と「麦わら帽子」、あと「牛島の藤棚」でしたから。「東洋一の住宅団地」と呼ばれた武里団地(草彅剛氏の出身地でもある)も、外からみれば有名なのですが、春日部旧市民からすればしんちゃんと同じ「よそ者」の土地なわけで、内側からは自慢の種にはなりませんでした(笑)。

春日部という街にアイデンティティを与えてくれた『クレヨンしんちゃん』という作品に、春日部市民はいくら感謝しても足りないと思いますし、これまでも現状でも、まったく足りていないと思います。

ということで、臼井儀人先生への追悼代わりの一文、これにて。
最後になりましたが、臼井儀人先生のご冥福をお祈りいたします。
19 9月

雁須磨子先生サイン会 in ジュンク堂池袋店

2ヶ月ぶりのこのカテゴリ。久しぶりのサイン会は、雁須磨子先生のサイン会です。
『かよちゃんの荷物(2)』(竹書房刊)と『いばら・ら・ららばい』(講談社刊)の同時刊行記念サイン会となった今回のサイン会。
発売日翌日には参加券配布が終了したようで、事前に電話予約ができるジュンク堂さんという特徴があったとはいえ、人気を集めるサイン会となりました。

当日は14時開始ということで、13時40分ごろに会場のジュンク堂池袋店に到着したのですが、すでに長い列がコミック売り場の外周に。
ああ今回もまたBLコーナーをガン見する作業が始まる…、と思ったのですが(笑)、意外にも列は途中で一度曲げられて店内裏手の階段へ。
なるほど。今回は参加者が100名なので外周にまっすぐ列を作らなくても階段に入れればなんとかなると考えましたか。そしてなんとかなっていたようです。

それにしても、今回の参加者は女性が多い! いやここ笑うところじゃないですからお客さん。
私はもっぱら『かよちゃんの荷物』を読んでいてここに参加しようと思っていたので、変な言い方ですが「少女(若年女性向け?)まんがサイドの雁須磨子先生」はまったく知らなかったのです。『いばら・ら・ららばい』を読むまで。
ですから、雁須磨子先生のファンに女性が多いこともまったく知らなかったですし、女性参加者が多いサイン会に参加するのもおそらく初めてに近いので、面食らったのはたしかです。
でも、約9割はいたと思われる女性参加者さんも含めて(?)、サイン会の列で読まれていたのは『かよちゃんの荷物』ばかりだったのは、どう理由付けすればいいのだろう。

開始から約一時間ほどで、ようやく私の順番が近づきました。今回のサイン会は、雁須磨子先生にサインと簡単なイラストを入れていただき、その後で「かよちゃんマトリョシカ」スタンプや雁須磨子先生が彫られた自画像スタンプを参加者が押して完了となる形式でした。セルフサービス(笑)。まあスタンプですからセルフのほうが安全なのでしょう。失敗しても諦めが付くというもの(そんな)。

そして私の順番が。まず参加券をみた雁須磨子先生が、「ええとこのお名前は…?」と私に尋ねられたので、私が「V、o、y、a、g、e、r、で、ボイジャーです」と答えるところから始まりました。そう、女性率が高いということは、おそらくハンドルネームをサイン会で使う文化もあまりないと見ました。まあそれ以前に難しいHNを使ってる時点で、というところですね、すみません。
雁須磨子先生が、「ああ、やはり(読み方は)ボイジャーですよね」と言われたところで、こちらからあとまわしになったごあいさつを。はじめまして。
サインを入れていただくペンの色は何色かから選ぶことができたのですが、そんなことも女性向けまんがを描かれている方ならではかなあ、なんて。

前の方達の様子からして、おそらくそれほどお話しする時間はないだろうと見て、『かよちゃんの荷物』を主に読ませていただいているのですが、いつもペースが絶妙で、ゆっくりした雰囲気もありますけれど、畳み掛けられるような台詞回しを読んでいると、(私がその台詞回しに追い込まれて)「ああだめだ…」って感じで、顔がニヤけてしまいますね。
と感想を述べさせていただくと、「ありがとうございます!」と雁須磨子先生。そのあと雁須磨子先生は、「かよちゃんが『だめ』なのかと思いました…」と。
いやいやいや、そんなことはありませんよ。むしろかよちゃんを笑える存在じゃないですから私なんて。しかし日本語は難しい。

最初、順番が来る前に話題にしようかと思っていたのですが、『かよちゃんの荷物』のキャラクターの魅力と、キャラの魅力とつながっている作品全体の魅力のひとつとしてあるのが、キャラたちの中では一生懸命生きているつもりなのに、周りはそう思ってくれていないところのズレと、そのズレを別に修正しようと思っていないキャラたち(とくにかよちゃん)の心の持ち様が、とても面白いなあと思っていたのです。
そう思ったら、とてもかよちゃんのことを笑うなんてとてもとても。

まあそんな感じで、雁須磨子先生がサインを入れ終わるのはわりと速かったです。

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パステルカラーって、フラッシュ撮影すると見えなくなるのですね。

サインの上に宛名を入れられたのは上出来、とは雁須磨子先生。って他の方のサインはどんなだったのか。
そしてそのあとスタンプを。けっこう上手く押せたと思うのですが、間に紙を挟んで持ち帰ったところ、帰宅したら朱肉が紙とくっついてしまって、離すのにちょっと苦労しました…。
そしてさらにおみやげとしていただいたのは、『かよちゃんの荷物』&『いばら・ら・ららばい』の表紙や扉絵などのカラーイラストで作られたカレンダー。
ちゃんと2010年バージョンでした。そういえばもう9月も下旬かあ。

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楽しいサイン会、というか、私の中ではいいサイン会になったと思いました。
また次の機会があれば、期待しています。雁須磨子先生の今後の作品も楽しみです。
16 9月

小笠原朋子先生作品のつめあわせ(2)

再びまとめ書きになってしまいました。申し訳ない…。

「まんがライフオリジナル」2009年9月号&10月号(竹書房)
『パパ☆Lv1(レベルワン)』新連載
小笠原朋子先生しばらくぶりの、そして待望の新連載です。
いきなり連載一本目がプロポーズ(笑)。このへんの唐突な出だしが小笠原先生の作品らしいところ。そんなプロポーズで結ばれた3人が、香芝景樹(けいき)・千代子(ちよこ)・つぐみの3人家族。主夫の景樹さん、かわいいです。もう少しくだけた言葉を使えば、カワユス。反面、主夫としての「重み」はないですが(笑)。それも当然か、世間にもまれた経験のない23歳ですから。
でも逆に、世知辛さのなさそうなところが、カワユスにつながっているのかも。
つぐみちゃんは5歳の幼稚園児ですが、自分のことを「パパ」と呼んでほしい景樹さんに、「断固拒否する」と応えて机をバンバンと叩く(笑)。そんなキャラクターが、やはり小笠原先生の描くキャラクターらしくて楽しいですし面白い。そして景樹さんを「パパ」と呼びたくない理由も、いかにも小笠原朋子作品らしい感じで良いです。そしてそんなつぐみちゃんもかわいい。
そして一家の大黒柱(あれ?)で正しいのが千代子さん。会社の敏腕社員として活躍されているのですから。で、景樹さんと結婚したわけですが、景樹さんにはハラハラドキドキさせられているわけです。なんというのか、千代子さんにとってみたら、子供がもう一人増えちゃったんじゃないのか? とすら思えるハラハラドキドキぶりなわけです。
で、初回は家事に振り回されて疲れてしまった景樹さんがつぐみちゃんの布団で寝てしまうというその心配どおりの状況になってしまうわけですが。
そんなこともあって、どうしても同じ目線で景樹さんを見られない千代子さんに景樹さんは…。ボケ倒すのですね(笑)。
でも、そんな感じで上手くいってしまうのだから結果オーライ? そしてハラハラドキドキしたあげくに景樹さんに癒されている千代子さんもかわいく見えて。ああもう、みんなかわいいですねえこの作品は。

そして2回目。2回目ではうってかわって、景樹さんのしっかりしたところが出てくるお話になるわけですが、この「うってかわりかた」がかなり激しくて、驚くというか戸惑ったというか。
まずお弁当。景樹さんはすごいちゃんとしたお弁当、というか、ある意味ラブラブ夫婦らしいお弁当を作ったわけですが。いまどきハートマークとか、やらないよなあ、と(笑)。まあ、二次元世界のラブラブな世界のお弁当としては正しいでしょう。
でもさすがに千代子さんには耐えられなかったと。まあ、千代子さんには耐えられないでしょうねえ(笑)。とりあえず、見た目関係なく一気に残さず(ココ大事)かきこんだという千代子さん、正解です。
そしてそこで同時に明らかになる、つぐみちゃんと千代子さんとの「差」なわけですが(笑)。たしかに、娘さんに「ラブラブ」弁当はないかな? 
4本目の「伝わらない」での、アゲて、アゲて、アゲて、落とす、という感じの展開がじつに面白いというか。
それにしても、千代子さんとつぐみちゃんは似たもの親子であるわけですけれども、景樹さんが大好きなところも、似たものというか、お互い同じぐらいの愛の炎を燃やしているあたりは、血は争えないって感じです…。
そして、景樹さんのしっかりしている点のもうひとつは、独身時代から目標を持った生活をしていたということ。しっかりお財布の管理をして、留学に行きたいという思いを、千代子さんたちとの新生活にひとまず変えた感じの景樹さんですが、こだわりはなかったのかな?と。やっぱり千代子さんが大切なのかなあと。まあ、生かされる場面は今後もあることでしょう。
ラストは、つぐみちゃんと千代子さん、それぞれが欲しいお弁当を作ってあげた景樹さん。なかなかあなどれないオトコです。

遅くなってしまいましたが、まずは待望の新作。誌内での扱いもけっこう良い位置にあるように思え、今後の展開も楽しみな作品になっていると感じました。


たかの宗美スペシャルVol.13(ぶんか社)
『ニュースになりたい!』
今回はちょっと趣向が変わって、ななえさんの少女時代のお話になっています。
そうか。ななえさんは、とまちゃん(『あいたま』師走冬子先生)みたいな女の子だったのですね(笑)。笑いが取れなきゃ死ぬみたいな。「私の血はみんなの笑いでできているのよ」みたいな。
いちおう美人なのに(いちおう言うな)、なぜそんな方向に走るのか(笑)。いいよなあ、「共演したい芸能人:いかりや長介」というそのセンスは買います。
しかし、アイドル業界に入ろうとしたらそういう気質は邪魔者でしないわけで…。そりゃあサルのまね(not猿真似)をオーディションでやったら落ちますよね。
まあ、将太くんのいまの容姿を作ったのはななえさんの容姿のおかげなのかと思いますけどね。この気質が遺伝しなくてよかった、のだろうな(笑)。
いっぽう、将太くんのいまの頭脳を作ったのはお父さんです。子役のお仕事のために勉強を犠牲にしないということだそうですが、すごい頭が良いらしいです。ななえさんに言わせると、子役をやらせておくのがもったいない、という感じなのかな?と。でも、ななえさんはそんな将太くんの頭脳にはあまり貢献してない、ようです。勉強を見てくれるのはお父さん。
すごくしっかりしたお父さんなのですけど、翔太くんの内面(幹本さん談:「キャラの薄い子?」)を作ったのもお父さんなのかと思うと、ちょっと損しているのかなあと思わなくもなかったり。
それにしても、こんなお父さんがどうしてななえさんと出逢ったのか? それこそ、血が笑いでできている感じのななえさんと、あんなにしっかりしたお父さんが出逢うところが想像つきません。
そして、幹本さんは子役時代成績が悪かったらしいです。って、志津さんに見抜かれているし(笑)!
15 9月

口八丁ぐりぐら『ゆきくも』(一迅社刊)を読む

『花と泳ぐ』(芳文社刊)などの作品を描かれている口八丁ぐりぐら先生の新作。
「まんがぱれっとLite」誌に連載された作品ですが、以前に発表された作品『おこのみで!』(「まんがタイムきららキャラット」誌)に似ているようなところが多々感じられます。

なんだかよくわからない家政婦紹介会社「スノウズ」から派遣されてきた家政婦の研修生・ゆきと、なんだかよくわからないうちにスノウズと契約して、ゆきが家にやってくることになった青年・夏生。
無気力、というわけではないけれど、生きていくことに目的を見出せなかった夏生が、ゆきと出会ってどう変わっていくのか。というのがこの作品の中心軸になっています。
まず、ゆきが夏生のもとに現れるわけですが、ゆきがまあ年齢不詳だなあと。夏生たち周りのキャラクターとの対比で見ると小学生高学年から中学生ぐらいにも見えなくはないし。でも家政婦さんのタマゴという設定(?)になっているのなら、少なくとも10代後半にはなってないと大変ですよね。
ですが、子供用携帯電話が似合うお年頃なので、やっぱり見た目は子供、中身もこどもなのでしょう(笑)。

物語の序盤は、家政婦としてのスキルを上げさせてひとり暮らしの手伝いをさせたい夏生と意欲はあっても腕と頭が追いつかないゆきの悪戦苦闘ぶりが、うまいことボケとツッコミになって笑いを引き出しているのですが、途中からはスキルアップをあきらめたのか(誰がだろう?)、笑いよりも叙情的なところに話の中心を持っていって、うまく終盤に物語を動かしているように見えます。
連載のときはともかく、一冊を通して読んでみるとこのあたりのバランスが上手く取れているようになっているのでしょう。
そして、後半の叙情的な部分をさらに後押ししているのが、夏生が働くお店の同僚でもあり、みんなのお姉さん的存在である秋本さん。
秋本さんが持つ、悲しくつらい過去。でもゆきは、そんな秋本さんの過去も包み込むようにして秋本さんを慕っていきます。そんな動きに導かれるように、ゆきとは違った意味で秋本さんを慕っていた、夏生と秋本さんが働くお店の社員・春田さんも秋本さんとの距離を近づけていきます。

こうしてみると、ゆきの存在が、夏生だけでなく、秋本さんや春田さんのことまで変えていったように思います。この作品の人物紹介でも書かれているような、ゆきが癒し、みんなが癒される、という関係だけでなく、人生の停滞したところ、混沌としたところが直るように道筋をつけていくような、そんな存在にゆきがなっていったように思います。
だからこそ、ゆきも最後はステップアップできたのかなと。うまい具合にみんながハッピーエンドを迎えられたのも読んでいてうれしいです。

萌え4コマとしては上質の作品。ゆきちゃんはかわいいし。
でも「萌え4コマ」というものとは違う方向性も見える作品。なんというか、萌え4コマの皮を被った童話的まんが作品といいますか。
11 9月

佐藤両々『つれづれなるママ本』(竹書房刊)を読む

佐藤両々先生が刊行されている同人誌『ままの本』シリーズの傑作選的な再録単行本となっている、この『つれづれなるママ本』。
私も、『ままの本』シリーズをこれまで読ませていただいて、感想も何冊分かは書いておりますが、今回、内容がほぼ完全に同人誌のままの状態で単行本になっていることに驚きました。
でも考えてみると、両々先生が『ままの本』で描かれている画は商業誌で描かれている画とはまったく違いますが、この画はこの画で、ちゃんと完成されている画なのですよね。
『ままの本』の感想を書いた時には書かなかったのですが、昨年テレビで放送されていた、江戸時代の禅宗の僧侶・仙涯義梵(せんがいぎぼん)が描いた水墨画に出てくるキャラクター(?)を見たところ、両々先生の自画像によく似ていたのです。そう見ると一見単純な両々先生の自画像も芸術的なものに見えてきて面白いです。

と、話が横に逸れた感がありますが。
『ままの本』というのは、佐藤両々先生がおふたりのお子さんをご懐妊され、そして出産されて、お産まれになったお嬢さんがたが成長されている様子を両々先生が自ら描いた作品です。『つれづれなるママ本』では、その作品の序盤のほう、というのでしょうか。両々先生がご長女のかのちゃんを出産されて、お嬢さんが成長されていく様子を描かれた部分をメインに再録されています。
読んでいて面白いのは、両々先生の作品の描き方が、妊娠されているときは何もかもが手探り状態のような、不安感ではないけれど、未知の世界を旅するような心持ちで、妊婦さんへのハウツー的情報を発信されているように見えたかと思えば、ご長女が産まれると、こんどはお嬢さんに人生の先輩風を吹かせているような感じで、ご長女が成長されていく様子を描かれている。さらにそこへ、お嬢さんのかわいさにメロメロになった両々先生とだんな様(ウサギさん)の視点も入ってきて、とても温かい感情を持って読むことができる作品になっているわけです。

第三者的視点からいうと、特に良いと思うのは、『ままの本』の感想のときにも書いたかと記憶しているのですが、お嬢さんの目線に近づいて描かれた叙情的なお話のあたりでしょうか。お嬢さんが、出張から帰ってこられないお父さんにさみしがって泣きだしてしまうお話とか、お父さんとお嬢さんのお話「休日うさぎ」が再録されているのはうれしいです。
あ、あと「ムーわ」のお話があるのもうれしい!(笑) あれは読んだあともいつまででも覚えていられるお話ですから。

今回巻数表記がないので、この続きの作品が再録された単行本が出るのかはわかりませんが、役に立つ部分もあれば、とても叙情的なところもあったりするこの作品が、再録単行本という形で、同人誌という形態のときよりももっとたくさんの方に読んでもらえたら良いなと思います。
楠見らんま・おとこの娘×駄菓子4コマ単行本『いとをかし』2巻 5月27日(竹書房)発売です♪ 楠見らんま単行本『みちるダイナマイト!』1月25日発売☆
※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
非リア充集団がクラスメイトを女装させて彼女にしてみた|2012.11.26発売 パンなキッス3巻9/22発売!
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