越路吹雪[愛の生涯 ?この命燃えつきるまで私は歌う]

かなり昔に、NHKのドラマ『ごめんねコーちゃん』で、越路吹雪と岩谷時子(越路吹雪を公私にわたって支えたマネージャー的存在【越路吹雪からは給料を受けとらなかったそうだけど】)のことが取り上げられていて、ドラマ自体はかなり興味深く観たことを思い出し、今回のドラマを観ました。

今回の越路吹雪役は天海祐希で、岩谷時子役が松下由樹。
NHKのドラマのときも、越路吹雪役は元宝塚の女優さん(幸和希)だったけど、やはりキャラクターを当てはめると、宝塚にいた人が一番近くなるのかと(そのときの岩谷時子役は竹下景子だった)。

岩谷時子と聞くと、私にとっては、ミュージカル『レ・ミゼラブル』の訳詞が印象深い作詞家・訳詞家なのですが、ドラマを観ていると、やはり越路吹雪に人生を賭けた(お金とか名誉を得るためでなく、純粋に人生を賭けた存在としての)側面が前面に出ていて、ひねくれている私にとっては、「そこまでやるか? できるか?」と思うところもあるのですが。
でも、岩谷時子は、越路吹雪の才能に、純粋に惚れこんていたのかもしれないなあ…。

NHK版と、今回のフジテレビ版、両作品とも、原案を岩谷氏が書いているようなので、どうしても同じようなストーリーにはなってしまいます。
ただ、今回のフジテレビ版のほうが、越路吹雪サイドをより深く掘りさげて作られているような感じはしました。NHK版のときは、どうしても越路吹雪と岩谷時子の「絆」にばかり力を入れてドラマを作っていた印象が強かったので。
今回、小澤征悦が演じた、越路吹雪の夫である内藤法美の役どころも、かなり力を入れた役作りになっていたけれど、NHK版のときは、全く印象になかったくらいキャラが薄かった…。

天海祐希ですが、歌っているときの役作りがすごく良かったと思います。ドラマの最後のほうで出てくる、実際の越路吹雪の映像と比べても、かなりさまになっているのではないかと。
それもいいんだけど、やはり歌がいいんですよ。『愛の讃歌』とか、『サン・トワ・マミー』とか。
思わず、番組終了後の越路吹雪CDプレゼントにさっそく応募したくらい。

観る前は、昔観たもののほうが…、と思ったのですが、民放ドラマだから、というのも偏見だったかなあ、と反省しています。