先に作品だけ。

「芳文社・タイム系」
今月推すのは、松田円先生の『サクラ町さいず』(「まんがタイムオリジナル」4月号)と、荻野眞弓先生の『たまのこしかけ』(「まんがタイムスペシャル」4月号)を。
『サクラ町?』は、2月にコミックス4巻も出ました。「タイオリ」4月号での、脇役さんたちが演じるギャグの切れがすばらしかったので。
『たまの?』は、いぶし銀系な作品が多い『タイスペ』のなかで、いぶし銀ならではの存在感のある作品、という意味で。
来月号から絶対的エース格な作品がやってきますが、こちらも「柱」の一角でしょ?

今月の押しあらため、「今月の先物」は、神堂あらし先生の『もののふことはじめ』(「まんがホーム」3月号ゲスト)を。
『もののふ?』は、着想がすばらしいと思いました。
単なるタイムスリップ物とは割りきれないものを感じます。可能性というか。
連載してほしいなぁと。連載でなくても、一回だけでおわるにはもったいないかなと(弱気)。


「芳文社・きらら系」
今月推すのは、蕃納葱先生の『教艦ASTRO』(「まんがタイムきららキャラット」連載中)を継続パワープレイ。推すときにはとことん。
そして、師走冬子先生の『スーパーメイドちるみさん』(「まんがタイムきらら」での連載は3月号で終了)も推したい。
3月発売分(5月号)からは、「まんがタイムスペシャル」での連載ですが。2月までは「きらら」連載でしたからね。
考えてみれば、『ちるみさん』が常に雑誌の真ん中あたりにあったのだから、「きらら」ってぜいたくな雑誌だったんだな。
謎?を引っぱって「タイスペ」に帰っていくのは、反則ですよ…。


「竹書房系」
今月の「推し」は、佐藤両々先生の『こうかふこうか』(「まんがくらぶオリジナル」連載中)と、小笠原朋子先生の『Hiスクラップ!!』(「まんがライフMOMO」連載中)を。
『こうかふこうか』は、今月けっこう作品の雰囲気を揺さぶってきた感じで。
個人的には、作品の流れに逆らう新キャラの叶(かない)さんに惹かれました。隠れ?きょぬーですし。年齢不詳? お局様? だからなに?
私の独断で言わせていただくと、佐藤両々先生は、例えば「キャリアOL」とか、例えば「結婚して何年目かの人妻さん」とか、ある意味「経験」を積んでる女性を描かせたら日本一の絵師さんだと思うのですよ(断言)。
『Hiスクラップ!!』は、テン(はじめ)よし(小動物系な亜季くんと理子ちゃん)、中よし(麻生くん忙しすぎ!)、しまいよし(誘うな! 麻生くんしぬぞ)と、今回は一話を通してどの4コマもお話が面白いです。
ここしばらく亜季くんと麻生くんのかげに隠れている感じだった理子ちゃんも、今回存在感をアピールしているように思います。
1本目で小動物系かわいさかと思えば、2本目ではお笑い方面にも(本人には責任ないけどね…)。
そしてもちろん、麻生くんのアワレさも。
小笠原朋子先生の作品は、『おいしい日曜日ハート』(「まんがライフオリジナル」連載中)も。
竹書房系に連載するる2作品ともハイレベルです。

「今月の先物」は、小池恵子先生の『おかあさまといっしょ』(「まんがくらぶオリジナル」連載中)を。
「どS」なお嫁さんの本性と、火花が散っているはずなのに表面はアットホーム(余裕綽々のせい)な展開が、読んでいて面白いです。
前作(『ななこまっしぐら!』)が終わってどうなるのか? という雰囲気だったのも、今回あたりで上手く離陸できたのではないかと思うのですが。


「その他・実話系」
一緒のくくりにするのは微妙ですが。

今月の推しは、湖西晶先生の『ソーダ屋のソーダさん。』(「まんが4コマKingsぱれっと」【一迅社】連載中)を。
直感・想像力・感受性、あらゆる感性を研ぎ澄まして読むのです。
作品にただよう生活感、殺伐としているわけでもないのに、謎が謎を呼ぶ展開。まさしく、湖西晶先生の新境地を開く作品だと思います。
掲載誌の知名度がまだまだ…というところですが、この作品は、もっとたくさんの人に読まれていいはず。


「コミックス」
2月は豊作でしたので、特別に項目を。

まずは蕃納葱先生の『教艦ASTRO(1)』なのですが。
それにしても、売れるんではないかという予感はあったけれども、軒並み書店品切れになるような事態は想像していませんでした。うれしい誤算ですね。

「きらコミ」で、こういう売れ行きを示した本て、いままであったのかなあと。

ここまできたら、質も伴っているのだから売れ行き以外の結果も残ると良いと思うのです。
読者の側には難しいところがあるぶん、芳文社にはなにかしらの賞が獲れるように、推してくださるとありがたいなあと思いますが、さて。


またのちほど