松本ミトヒ。『メガミのカゴ』
今回は初の前後編。その意図するところは…。

南さんから借りた漫画で、知らず知らずにキャラ萌えしてる明美さん。でも「萌え」に関しては南さんのほうが上手。ていうか、萌えた場面のページ数まで覚えてるのはほんと、マニアック…。
今回「乙女の鏡(メガミ)委員会」のカゴに入っていたのは、願い事のカードだけではありません。いっしょに靴まで。しゃれてるなぁ。そのカードには、「私たちのヒロインになってください!」と。わ、なんて大胆な!(違)
送り主が「演劇部」ということで、本当の意味でのヒロインになってほしいということなんです。ということで、演劇部部長・笹本真理さんの登場。やはり部長さんは、どちらかといえばヒロインよりは主役を演じるほうが合っていそうな、ボーイッシュな女性です。それでいて制服はミニスカートにしているんだな。程よく「モエス(南さん語)」な少女です。
で、なぜ明美さんなのかというと、前回の「音楽室の幽霊」騒動のときの新聞写真を見たのだとか。「委員長」という肩書きに違和感を覚え続ける明美さんですが脇は甘いぞ、っと(笑)。
県民ホール(大会場でしょうね)での晴れ舞台を前に、先輩方が抜けてしまって層が薄い演劇部の助っ人になってほしい、というのが笹本さんのメガミ委員会へのお願いだったのです。
そんなお願いをされた明美さん。もう受けないわけにはいきませんよね。ちなみに明美さんの演劇歴は、「小学校の学芸会で乙姫様を…」とのこと。すでにその美貌の片鱗を見せつけていた乙姫様モエス(笑)。
「ミュージカルじゃないから大丈夫」という南さん。言ってくれるなそんなこと!(笑)→前号参照

演劇部だけに、衣装を作る人もいます。それが副部長の小峰杏さん。小峰さん(愛称・こみっち)は南さんのご友人でもあります。
南さんと衣装、と聞いてピンと来る人もおられるかもしれませんが、これまでの作品に出てきた数々の衣装(コスプレともいう)は、小峰さんが製作したものだったのです。この作品の衣装担当でもあるわけですな。
晴れ舞台での演目は「シンデレラ」(靴がでてきただけに)。この舞台のために小峰さんは、物語に出てくるの「魔女」を「妖精」に変更してもらってまで、素晴らしい衣装を作ろうと努力されているのでした。
さてそうなると、明美さんにつりあう「王子様」が必要です。そこでバレー部のクミさんに声がかかるわけで。なるほどたしかに明美シンデレラとつりあう王子様としてはハマる選択。でもクミさんには別の思惑があるみたいですが。南さんがいうとおり、たしかにシンデレラの王子様に笑いは必要ない(笑)。
さらに妖精さんも、となれば、クミさんといつも一緒のしぃ太さんがハマり役です。と、みごとに明美さんのお友達で固められた「シンデレラ」のキャスティング。
「…気がついたら」「完全に断れない…」と悟っている明美さん。いまさら気づいたか(笑)。明美さんの横で南さんもニヤリ。

あまりにも順調に進んでしまって出番がないようにみえた南さんですが、ちゃんと出てきます。まずはそのオタクな知識と所蔵物の数々を、劇と舞台芸術のために。そして、クミさんの「魔物」(立派な…)を封じるアイデアのために。中世風のヒラヒラ襟巻で解決! なわけですが、「凄腕検事」って、小峰さんあなた…。
ほぼ仕上がった「シンデレラ」の、ラストシーン。明美シンデレラをお姫様だっこするクミ王子なのですが。うわぁ! ちょっミニスカ危険!ってそっちじゃなく。
いやこの光景、ハマり過ぎですわ…。だって美人ふたりですもの。
でもそんなお姫様だっこにもきちっとダメだしをする製作総指揮の笹本さん。『お姫様だっこはロマンですから…ハートとは、すばらしい見識の持ち主です。

だがなにかが欠けている。当日がやってきてもまだ欠けていた。なにがって衣装ですよ。なかなか仕上がらなかったようで、小峰さんがギリギリまでかけて仕上げたのでした。もう小峰さんふらふら。
でも王子様の衣装が…。ヘソだし王子だ。というよりクミ王子立ち往生の図。これはまずいと、急遽王子様を変更しなくては…、ということで南さんに白羽の矢が。
いやでもそれは無謀でしょう。なにせ稽古もつけてない、せりふも覚えてないというのに。しかしそこは明美さん。全セリフを記憶したと言う彼女が、シンデレラの役を演じながら王子様のセリフを教える(プロンプ)というのです。いやそれも常人離れしてるよな明美さん。そもそも台本のセリフをすべて覚えてるというのがすげえ。
だがそれではまだ足りぬ。王子様としての心構えから教えなくてはならない(「ダンスを踊るのは初めてッスか?」には爆笑しましたが!)わけで。
しかし、明美さんには更なる秘策があった。この前半最後の秘策が面白いですわ。これを書いちゃうと後半の「肝」も面白くなくなりそうなのであえて書きませんが。
南王子様がとにかくかっこいいっす!

さあこの秘策で、演劇部は、明美さんは、そして突然巻き込まれる形となった南さんは、大舞台を乗り切れるのか。次回が楽しみです。