師走冬子『スーパーメイドちるみさん』
今日も今日とて、麗子さまのヘアメイクに余念のないちゆりさんです。麗子さまいわく、ちゆりさんは「ウデのいいヘアメイク」とのことですが。
でも自分の髪は、あっさりばっさり(笑)とナイフで切るのですね。以前にも、そうして髪をばっさり切ってしまったときがありましたっけ。
そんなちゆりさんをちるみさんに諌めてもらおうとする麗子さまですが…。ちるみさん、春の風が強いからってどこの連獅子だよ、って髪になってます(笑)。
でもメイドさんって、基本的には外見のおしゃれは「ないがしろ」になってしまうものなのではないかと思うのですが? お仕事が忙しいのですから。
しかし「腕がいい」っていっても、「ヘイ ラッシャイ」なんていうヘアメイクさんは…。ヘアメイクというより板前さんでしょう。ハサミじゃなくてナイフで髪を切るあたりも、やはり板前風(笑)。
外見はないがしろになるのも仕方がないと思えるメイドさんですが、ちるみさんもちゆりさんももとは素晴らしいのです。べつに過剰におしゃれをしなくてもだいじょうぶなふたり。
ちるみさんはなにもしてなくても髪がキレイなようですが。破壊ぶりというか失敗ぶりが役に立ってる!? のか(笑)。たしかに、たまご由来成分を使ったシャンプーもあるくらいですから、きれいになってもおかしくありません。

ちゆりさんにヘアメイクしてもらったちるみさん。お団子頭にするだけでも印象が変わるものですね。
エキゾチックになったちるみさんに影響された麗子さまは秘蔵(?)のチャイナドレスをちるみさんに着せちゃうし、気分はもうチャイナタウン。
そこでひとり空気を読んでないちゆりさん(笑)。ジャージ…。ツギあて…。ジャージを大事にしすぎるちゆりさんにキレてる麗子さまには笑います。もちろん大事にすることはいいことなんですけどね。そこまでせんでも。
で、麗子さまに白チャイナを着せられたちゆりさん。ちゆりさんのばあいその銀色の髪も手伝って、チャイナというより「レースクイーン」を彷彿とさせます。バブル期のサーキットにはいっぱいいましたよね。
ただ、これは趣味の問題なのかもしれないですが、ちるみさんもちゆりさんもスタイルとしては秀麗なのだけれども、チャイナドレスを着せてしまうとあまりにタイトになりすぎて、ドレスとの違和感も出てしまうような。いや、タイトなのもぜんぜん良いですけども(個人的な趣味としてはピッタリ)。
日本の着物といっしょで、ある程度は平らなボディのほうが合う服なのかもしれないですね>チャイナドレス

そして麗子さまもチャイナ。しかも黒チャイナで、お色気もドーンと。…ちゆりさん、なぜそこで(読者の)夢を壊すような言葉を入れるかな(笑)。その、「ドーン」な部分は、パットに助けられていたのか。
それはともかく、麗子さまのチャイナ姿を大樹さんに見せることを勧めるちるみさん。夢が膨らむ麗子さま、麗子さまの火に水をかけるちゆりさん、ナイスコンビネーションだなぁと(笑)。ちゆりさんが思うほど、大樹さんはガキじゃないと思うのですけど。でも、チャイナ服<ナース服 ではあるんだよな大樹さんのなかでは。だけど「ガッカリ」までいくとは思えないけれど…。
ちるみさんが止めるのも聞かず、春の風をついて大樹さんちをめざす麗子様ですが、着いてみれば、ちるみさんと同じように風で髪がえらいことになりました。まるでライオン丸…、それでは、大樹さんの目には麗子さまの黒チャイナよりもライオン丸が目に入ったことでしょう…。
ちるみさんが止めるのを、大樹さんと自分のあいだにヤキモチをやいていると思っていた麗子様ですが、それってやきもちではないんですよねたぶん。
ちるみさんは大樹さんと麗子さまのあいだを取り持っている感じですし。やっぱりちるみさんは原田家の「お母さん」的な位置に自分の身を置いているような、そんな印象です。

続く作品ものちほど