小笠原朋子さんと深森あきさんの二人サークル「渚宮」が刊行した二人誌。今回は、「眼鏡男子本」というコンセプトです。
本当は2月のコミティア87で刊行される予定でしたが、完成した本が印刷所から届かず、通販で頒布がスタートしました。
内容はお二人が描かれたショートストーリー漫画がそれぞれ一本ずつ。

小笠原朋子さんの『眼鏡女子』は…、っていきなり今回のコンセプトにケンカを売っているように思えるタイトルですが(笑)、「眼鏡(男子を好きな)女子」という意味のようです。
主人公の女の子。身長170cm。でも好きな男の子(元・眼鏡【いまはコンタクト】)と同じ学校に通うために柔道をやめた、しかもその心のうちを好きな子以外には包み隠すこともなくラブラブ、だなんて、いじましいじゃないですか。
でもいったん荒ぶると、その身長の高さもあいまって、周りの同級生女子からもまるで熊のように見られているのには笑いました。「誰か麻酔薬投げてー!」て。ほんとに熊かライオンじゃないですか(笑)。次のコマではきっちり麻酔薬の注射が刺さっておとなしくなっているところも細かいですが。
そんな彼女に好かれて、そしてコンタクトになって彼女が荒れる原因にもなった男子。もちろん美男子です。でも眼鏡をかけなくなったいまは、美男子だけどちょっとヘタレてみえちゃうのは小笠原さん独特の「味」なように思います。小笠原さん独特といえば、メガネの内側にある目をあまり描かれないのも小笠原流のような。そこがなんというか、眼鏡男子のクール(に見える)部分を上手く見せていると感じます。
メガネがなくなって彼女から離れていた彼、めずらしく彼女に近づいてきた彼を投げ飛ばしちゃう(笑)彼女が、彼になにを起こしたか…。普通だと、「メガネがなくなってどうなるこうなる」のところをそういう風に持っていくのか、というところが面白いと思いました。

深森あきさんの『R&R』は、正直5ページじゃあ量が足りなくないか?というお話。読んでみて、つなぎの部分がもっと充実していればさらに面白いのになあと思えてしまうくらいに目をひく作品です。
いや、でもねえ、メガネかけたからってそんなに人間変わりはしませんて(笑)。←この本にケンカ売ってますかねえ?
自分もメガネですけど、そんな万能のアイテムじゃないもんなあそんな。
そして、ペットボトルロケットを飛ばすときの達成感は、読んでいるほうもとても強く感じました。この躍動感はいいですね。
でもやっぱり、貴志さんがいうとおり、「小学生」だと私も思います(笑)。

今回も、前回に続いて対談コーナーがあるのはうれしいです。やはり、「同人誌」の美風をなくしちゃいけないよな! っと。
自分は男子ですがおもろく読めたと思いますけどもね、この本。絵的に眼鏡男子の魅力を引き出していたのは深森さん作品で、作品の外にあるトークとかまで読むと眼鏡男子の魅力が深く感じられるのは小笠原さん作品、のような。
次回以降の二人誌も楽しみです。

それと、このご本を注文したときのはなしの続きですが、あのあと、ちゃんと水曜日にはご本が届きました。早い。ともかく次からは気をつけます。
そして、この本についてきたペーパーがまた良かった。じつはなにげに次回以降のネタバレになりそうな話も載っていたりして…。「ココだけの話」として載っていたのでここではネタにしませんが。ペーパーだけでも注文する価値があったと思いました。
コミティアには毎回行く者なのであまり通販を頼らないのですが、送料・手数料+読むまでのタイムラグを含めても、今後もペーパーめあてで通販したいかも…。