なんか、サイン会とかがないとほんとに間隔が開き開きになっちゃいますねえ。ほんとすいません。
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さて、先頃3巻が刊行された、『純真ミラクル100パーセント』(芳文社刊)に続く秋★枝先生の新刊は、『伊藤さん』という題名。
なに?って感じですが、秋★枝先生のサイト『ロケット燃料』で不定期連載?されていた作品がまとめられた上に、秋★枝先生のデビュー作を含む初期の作品もまとめられた短編集となっております。
秋★枝先生ご自身は、「若さと勢い」があったから描けた作品、とおっしゃっていますが、なにをおっしゃるかと。
デビュー作である『先生+』から、読む者を作中世界に引きずりこませ、作中人物たちの心象風景が読むものの脳裏に映し出されるようなストーリーテリングは確立されています。
そしてなんといっても秋★枝先生が描かれる人物たちの艶めかしさ。これは本当にすばらしい。男性も、そしてもちろん女性もとても艶めかしい。
とくに濃ゆい画風でもないのに人物たちが艶めかしい漫画家さんというのもじつに珍しいのではないかと。

そして各作品ではその艶めかしさを軸足にして、読み進むにつれて笑いがこみ上げてきそうな「憧憬の家」や、切々とした男女の心情をきめ細かく描いた「はじまり」や「ふたりの出会いのお話」、はたまた、「ブラフ」のような人間関係の綾を解きほぐすことのむずかしさを描いた作品など、さまざまな作品を描かれているわけで。
この方は、真の意味で漫画を(同人・商業両方で)描くことで「鍛えられている」漫画家さんだなとつくづく感じさせられました。

そういえば、マクロスFのランカとシェリルを描いた同人作品『ランシェリ』を読んだときにも強く感じたのですが、秋★枝先生の作品は、読むほどにその深遠に嵌りきってしまい戻れなくなるのではないかという恐れを持ちます。この『伊藤さん』にもその恐れを強く感じました。
秋★枝先生の世界にはまり込んでしまいたい人は読むのがよろしいかと思います。