08(ogasite)
メインの短編は、生徒と教師の恋愛ものになるのかと思ったら肩透かしを食った気分になる。でも、肩透かしを食っても不思議と不快感がないところは、作者がキャラクター全員をしっかりと作っているからではないか、と見る。

きらきらアスパラガス(すこやかペンギン)
レベルの高い掌編を常に用意してくる作者のチカラに感銘する。
メインの2作品には仕掛けがあるが、一度読んだ段階だと2作品が途切れていないので気づきにくいかもしれない。もう一度後ろから読んでみよう!
それにしてもハトのくせにハトがいいキャラしている。

まんまるディスカバリ(妄文とりはる社)
キャラ作りとギャグが上手く合わさっているところがよいなと。破れかぶれキャラというか、めちゃくちゃなキャラクターがいると物語はすごく進みやすくなるなと感じる。

ビューティフルネーム(妄文とりはる社)
話が進んでいくうちに主人公よりも脇キャラのほうに光が当たっているように見えてしまうのはご愛嬌か。主人公も成長というか夢は成し遂げたし。でもラストまでに端折られた部分のほうが読みたくなるのは、こういう作品の常なんだろうなあと。

春雨ノイズ(くろみや別館) 
やはりこの作者は、誰かとしゃべるとそれだけでネタを作っているように思えてしかたがない。
物を捨てる指南書が部屋に大量にあるという時点で、やってることがもうネタになっている。

台湾に行ってきたヨ物語。(レンレン&晶)
タイトルどおりの旅行記本。台湾の食べ物が日本と微妙に違っているところが食欲を誘う。
作者のベトナム旅行記も併録されているが、値札を破り捨てて新しく値上げして売りつけようとするベトナム人店員に笑いがとまらない。
傍から見ると、外国に行くことは苦労することも多いのに、それでも旅行しようとするのは、外に出ることが楽しいからなんだなと感じる作品。

鎮守の森のユニコーン(武礼堂)
少ないページ数の中でも、ギャグと小動物に関する薀蓄が両立していて、さらにキャラクターの動きの多い展開を作るのはすごい。

ゆりっぷるのあれ事情。(衛星べジータG)
作者のあとがきでの、「えろは誤魔化し効かないので(絵の)練習に向いている…」という発言に、この作品への妥協のなさを感じた。キャラクターデザインはシンプルだけども、目とか構図の描き方からは読者に訴えかけてくるものを感じる。この作品、一読した時の印象よりも重たい作品なのではないか。

俺の彼女が発情期のようで(放課後めろんぱん)
男女ともにキャラクターがしっかりと描かれているところと、思いつめてる系女子がかわいくて、思わず読み込んでしまう作品。

ベリーベリーベリーA(女の子パヤパヤ)
作者の商業作品の後日談作品ですが、この作品単体でも面白いのではないかと。作品を知っているほうが理解はしやすいですが。
主人公のひとりであるレンが抱く不安、そんなレンの不安を払拭するもうひとりの主人公、ナコの強さからみてとれる安心感、ふたりの絆の強さがさらに深くなったように感じる終盤と、読んでいて気持ちがいい。