28日は、ある意味(笑)いつもとは異色のイベント、「『そらあすかのまんが日本史BLばなし』から学ぶ BL&歴女入門」というトークイベントに行ってきました。
そらあすか先生は、わたし的には芳文社の実話4コマ誌「超まるなま 本当にあったここだけの話」で 『ふたりはヲタふーふ』という作品を連載されていて、旦那さまも、まんがタイムきらら系の雑誌連載されていて単行本も出されている漫画家さん、ということを存じております。ついでに個人的に思い入れ抜きで言うと、そらあすか先生と、かみじょーひろ先生は実話系で単行本が出れば近いうちにブレイクするのではないかと思ってます。
今回のイベントは、そらあすか先生が先月に出された単行本『そらあすかのまんが日本史BLばなし』(新書館刊)をたたき台に、BLってなんだ?とか歴史上の偉人ってそんなに男色家が多かったんか?とか、そういう疑問を解いていくトークイベント、だったと思います。
豊島区南長崎で行われている「トキワ荘プロジェクト」の卒業生(そらあすか先生がそうだとははじめて知った)ということで、ツイッターで地元関係でフォローしている人からからツイートが回ってきて、「まるなま」での作品がおもしろいので、BLばなしだけどどうしようかなあと思っていたのですが、もうお一方のゲストが久世番子先生の『暴れん坊本屋さん』 でおなじみ新書館の村沢功さん(今回の本も編集担当)、さらにもうお一方のゲストが、わたし的には『ビジュアル探偵明智クン!!』の阿部川キネコ先生で、これはもう行くほかないなと(笑)。
いつもだと、トークイベントならツイッターで実況してそのままにしてしまうのですが、今回の会場である下北沢の「B&B(ブック アンド ビア、ということらしい)」という書店は、書店だけど中でビールなどのドリンクが楽しめるという変わったお店だし、トークイベントの会場が売り場をそのまま仕切っただけで書棚がふつうにあるとか、控え室もないから打ち合わせもダダ漏れとか(笑)、なにより演者のスペースと客席の距離が近すぎて実況すると明らかに浮くよね!ということでブログにまとめる形にしました。
いまって、個人店舗レベルでもネットチケットを発券できるシステムとかがあるんですね。
カードで決済できるし。というかネットでチケットを取る場合、カードがないと面倒…。
でも会場に行ってみるとそのシステムを活用しているわけでもなく(笑)。
このお店の場合は、イベント参加者の取りまとめ用ツールなのでしょうね。
スペースがそれほど広くはないので、参加者は女子15人:男子3~4人
(そういえばそのうち一人はそら先生の旦那さまだった。これって関係者枠?笑)ぐらいの比率でした。
自分が座った席の周りが全員女子でかたまり、「これは、詰んだか…!?」と心の中で思ったものですが、
べつになにもなかったでござると(笑)。
司会は「マンガナイト」の山内康裕さん、そらあすか先生と村沢さんと阿部川キネコ先生ともうお一方、阿部川キネコ先生の秋田書店の担当編集者の方が、村沢さんや阿部川キネコ先生に助けを呼ばれたということで、飛び入りゲストとして入られていました。
iPhoneで取ったメモと記憶を頼りに。メモはツイッターでの実況と同じノリで書いているので、いつものブログとは文章が異なります。ご容赦を。
以下、トーク再録分については敬称略、とくに注記がない括弧は私の感想・ツッコミです。
第一部 BL(ボーイズ・ラブ)とはなにか
(BLを一言で説明)
boyとboyが一緒になってBL(阿部川)
(まさに掛け算ですね!←なにも上手い事言ってねえオレ)
(なぜBLを読むのか)
普通の少女まんがだと異性間の恋愛になるから、男の子を相手の女子に取られて悔しい思いをすることもあるけど、BLはそういう構図の枠外(第三者的視点?)に自分を置けるから楽しく読める(そら)
初めてBLを読んだ時、誰に感情移入をすればいいのかわからなかった(村沢)
今回のイベントの最初の打ち合わせで、「例えば、机と椅子ならどちらが攻受なんですかね?」と聞いてきた村沢さん。いきなり無生物BLとか、村沢さんBL熟練者だな!BL編集部に馴らされ過ぎだろ!(笑)と思った(阿部川)
(村沢さんは女性向け漫画誌「WINGS」の編集さんですが、新書館はBL雑誌等も刊行しています)
攻受というのはどちらが上になるか下になるかというか…(村沢)
(村沢さんに攻め受けの説明をさせるそら先生と阿部川先生、キチクや!)
(男性編集者?にBLを読むときは、受に感情移入するんだと思っていたという話をうけて)
BLを読む場合、受に感情移入するなんて あ り え な い ! でも受キャラも好きになることがあるんですよね(阿部川)
(筆者注:「ありえない」の部分はこういう感じで強調されていました。同じ漫画を読んでも、男女で漫画の読み方が違うんでしょうかね?)
ショタものはBLに入るのか? 百合が好きな男子は腐女子と近い?(阿部川)
(個人的には、最近「男の娘」ものはよく読みますが、あれは売り方的に男性向的な売り方をしてますよね。商業も同人も)
「腐女子」という単語はいつから使われた?2000年代に入ってからか?(阿部川)
(私は1995年に同人誌を読み始めましたが、その頃は使ってなかったはず…)
「やおい」、「JUNE」、BLとは直接関係ないけど「よろず」。みんな同人界で使われなくなった言葉。
「JUNE」は、昔は唯一といっていいBL雑誌で…、でも当時のJUNEってジャンルはいまのBLとも違うというか。
竹宮惠子先生とか萩尾望都先生とか、「花の24年組」と言われた漫画家さんたちが描いていたような耽美的なものというかお堅いというか…、それからするといまのBLはカジュアルになった気がする(阿部川)
(当時のやおい系サークルの人と付き合いがあったころ、『風と木の詩』を読まされた記憶があるなあ…)
「やおい」や「よろず」という単語を20代ぐらいの子に使うときょとんとされる。やおい(二次創作BLの総称?)に至っては、「やwおwいwww」ぐらいの勢いで笑われたことがある。やおいだったものは、現在はホモって言う事が多いようだ(阿部川)
阿部川先生の初コミケは友人のサークルの売り子として参加。
「晴海じゃないの。ええと、なんかモノレールに乗って行った」(阿部川)
「ああー、ゆりかもめですか?」(そら)
「ゆりかもめじゃなかった。どこだっけ…?」(阿部川)
ここで思わず私が「平和島のTRC(東京流通センター)ですかね?」と客席から助け舟。
「あ、たぶんそうです」(阿部川)
(調べたら…TRCでのコミケ開催はレアケースで、かつ、けっこう前ですね)
ちなみにそら先生のコミケ初参加は有明。
(ここでもジェネレーションギャップが)
BLが好きになる瞬間というのは、どうして好きになるとかの説明がつかない(そら)
(ウーマンズ・リーズンなのだ)
バリバリの歴女・そらあすか先生は新撰組から歴史BLの道へ
(『燃えよ剣』とかあるしね。新撰組じゃしょうがないね笑)
ちなみに秋田書店の編集者さんが初めて読んだBL作品(当時だと「やおい」?)は、週刊少年ジャンプで連載されていた『封〇〇義』ものだったとか。そら先生も同じぐらいの頃にBLを初めて読んだとか(?)
BLを読んだ最初は「なにこれ…?!」と、手で目隠しするような感じだったが、そのうち、指のすき間からチラチラと読むようになり、やがてやみつきに(そら・秋田書店の編集者)
腐女子は仲間意識が強い(秋田書店の編集者)
強い反面、攻受のカップリングの違いや、はては攻受の正逆(リバーシブル)でも掴み合いのケンカになることもある。
でもカップリングで喧嘩別れした人同士が、別の作品を好きになったときには同じカップリングを好きになって大の仲良しになったことも(阿部川)
(腐女子ええ話や…←そうか?)
(休憩時間の時も控え室がないから休憩もなにもあるかと笑)
第二部 日本史とBL
(『日本史BLばなし』から村沢セレクション【byそら先生】をプロジェクターで投影しながら)
日本史が好きで関係書を読みふけっていたら、登場人物たちの男色話がけっこう出てくる。それをまとめたら面白いのでは? と思い、『まんが日本史BLばなし』が生まれた(そら)
(戦場に女性を連れて行けない戦国武将たちが小姓として少年たちを戦場に連れて行った)
おいおい戦場なのに別の戦が始まっちゃうぞ!(阿部川)
(阿部川先生のツッコミがおやじくせえ笑)
仙台出身で、青葉城のすぐ下に住んでいました。でも伊達政宗のまんが(『ぼんたん!!』)を描いた時に調べたのがきっかけで、昔から歴史好きだったわけではないんです。今も「こんなイベントに出ていいのか?」と思ってます(阿部川)
仙台いいなぁ!神奈川出身なのだけど、地元の後北条氏がすごく地味で萌える気にならない…(そら)
ちなみにそらさんがいちばん好きな武将って…?(山内)
直江兼続です。…好きになったきっかけは『花の慶次』なんですけどね(そら)
(今月の「超まるなま」でも描かれてました)
漢(おとこ)・兼続だね!(阿部川)
最初は奥村助右衛門(永福)が好きだったんですけど、あの、兼続と、慶次や三成との仲良しっぷりを見てたら…!(そら)
(客席からも、うなずき多数・笑)
デビュー作品が単行本になった理由「武将好きすぎて気持ち悪いから本にしましょう」(そら)
(なんかおかC)
小学校の自由研究が「城めぐり」(そら)
親御さん意識高い(阿部川)
(意識高すぎというかおかC)
平安末期の貴族・藤原頼長(通称:悪左府)は、日記に男性との恋愛の内容を事細かに書いていた。
調べていて、「なぜこんなに男色の内容を書いてるのこの人…」と感じた(そら)
最近は学術的な歴史研究でも、そういった日記や文書から男色の内容を読み取って論文にまとめている研究者もいる(山内)
私らはともかく、学術的にそういうことを調べていてどんな気分になるんですかね(そら・阿部川)
昔の人はなんで日記に男色のことなんか詳細に書くんですかねえ(そら・村沢・山内)
(現代でもジェームス三木がセックス記録帳をつけてたら当時の奥さんにばらされたことがあったよなあ←『仮面夫婦』)
(さらにいうと、三島由紀夫が好き合っていた男性との往復書簡が最近明らかになったりしたし)
(書状や日記のほうが、個人的なものだから濃くなるんだろうなあ)
(武将や貴族は、幼い頃に寺に預けられることが多かったことをうけて)
お 寺 で す か ら なにが起きるかわかるでしょ(阿部川)
(男色ですねわかります)
(たとえば地元の武将など)歴史上の人物が男色家でも、歴史である以上、現実とは一線を画しているというか、フィルターが掛かっている気がして嫌な感じはしない(山内)
「男同士の恋愛は清いものだが、男女の恋愛は穢れである」by『葉隠』
日本で上流階級に男色が流行ったのは、男尊女卑が根底にあったのかも(阿部川)
男色ばなしがたくさん集まると、ゲイではない自分がおかしいのかと感じるようになる(山内)
(それあかんやつや…笑)
江戸時代以前だと、日本人は全体として性に奔放だったのは間違いない(そら)
質問コーナー
(質問:『日本史BLばなし』に続く、次の単行本は?)
次ははっきりした男色の話だけじゃないものにしたい。一見友情だけどじつは…的な
今回は調べていって確実な証拠がないものは外した(そら)
(一部、噂レベルなものも注釈つきで載せています←「忠臣蔵にBLの影?」とか)
「匂い系」ってやつですか?(村沢)
匂い系はBLの基本だよね! 火のないところに火を燃やす!
主従関係というだけでいい薪になるの!(阿部川)
(燃料投下ですねわかります。ちなみに阿部川先生は政宗より片倉小十郎がお好みだとか)
そらさんは手紙や文書など、原典をあたって男色関係を証明して描いているのがすごい(村沢・阿部川)
でも考えてみると、証拠が挙がっているということは「BL」じゃなくて「男色」ばなしだったんですかね?(そら)
(そこに気づくのはマズイ気がします笑)
『世界史BLばなし』もありですかね?(山内)
世界史は濃いですよー。日本史のごく一部でも一冊の本にできるんですから、世界史だったら各時代で一冊ですね(そら)
今回調べていて、世阿弥の魅力がすごかった。三代義満以降、足利将軍が男色家ばかりなのも再確認した。
室町時代とBLで一冊にできる!(そら)
(室町時代前期は武家文化の最初の爛熟期でしたから、そうなるのもある意味当然…?)
(質問:商業誌だと漫画でも小説でも歴史BLってなんか少ない?)
少ないですねー(そら・阿部川)
商業誌だと、やはり学園ものとかリーマンものが売れ筋で、それ以外は極端に少ないです(村沢)
あとはアラブの王様がー、みたいな超ファンタジーものになっちゃいますよね(秋田書店の編集者)
王様に売られて、みたいな(阿部川)
そういうもののほうが、想像で描ける余地が大きいのはあるかも。歴史ものだと設定とかをきっちりしないといけなくなりますし(秋田書店の編集者)
あと、ひげと月代が障壁になってる気がする(阿部川)
(BLではないけど、記憶に残っているものだと、織田信長はふたなりであったという設定の小説を読んだことはあったなあ…)
さいごにひと言
着物を着てきたんですけど今日は暑かった(そら)
(ちなみにそら先生は和装男子激萌えだそう)
いっそ甲冑を着てくればよかったんじゃない(笑)?(阿部川)
どこで甲冑を買ってくるんですか!(笑)(そら)
硬い紙で作る甲冑があって、白石城(宮城)で着たんですけどそういうのは?(阿部川)
(着たんか!笑)
今年の正月には伊達家の現ご当主にもお会いしました(阿部川)
歴史上の人物にもご子孫がいることが多いから、こういうのを描いているとなんか申し訳ない気分になりますね…(そら・阿部川)
ということでお開きでした。
イベント後にはサイン会。噂によると阿部川キネコ先生も初サイン会だったという。マジですか?!
そら先生とは『ヲタふーふ』のことを、阿部川先生とは『明智クン』のこととかいくつかお話できてうれしかったです。
今回はほんとに楽しいトーク、というか阿部川キネコ先生に笑いの神降りすぎ(笑)。ほんとに楽しかったです。
そらあすか先生、阿部川キネコ先生、 新書館の村沢さん、秋田書店「月刊プリンセス」編集者の方、下北沢B&Bさん、本当にありがとうございました。
そらあすか先生は、わたし的には芳文社の実話4コマ誌「超まるなま 本当にあったここだけの話」で 『ふたりはヲタふーふ』という作品を連載されていて、旦那さまも、まんがタイムきらら系の雑誌連載されていて単行本も出されている漫画家さん、ということを存じております。ついでに個人的に思い入れ抜きで言うと、そらあすか先生と、かみじょーひろ先生は実話系で単行本が出れば近いうちにブレイクするのではないかと思ってます。
今回のイベントは、そらあすか先生が先月に出された単行本『そらあすかのまんが日本史BLばなし』(新書館刊)をたたき台に、BLってなんだ?とか歴史上の偉人ってそんなに男色家が多かったんか?とか、そういう疑問を解いていくトークイベント、だったと思います。
豊島区南長崎で行われている「トキワ荘プロジェクト」の卒業生(そらあすか先生がそうだとははじめて知った)ということで、ツイッターで地元関係でフォローしている人からからツイートが回ってきて、「まるなま」での作品がおもしろいので、BLばなしだけどどうしようかなあと思っていたのですが、もうお一方のゲストが久世番子先生の『暴れん坊本屋さん』 でおなじみ新書館の村沢功さん(今回の本も編集担当)、さらにもうお一方のゲストが、わたし的には『ビジュアル探偵明智クン!!』の阿部川キネコ先生で、これはもう行くほかないなと(笑)。
いつもだと、トークイベントならツイッターで実況してそのままにしてしまうのですが、今回の会場である下北沢の「B&B(ブック アンド ビア、ということらしい)」という書店は、書店だけど中でビールなどのドリンクが楽しめるという変わったお店だし、トークイベントの会場が売り場をそのまま仕切っただけで書棚がふつうにあるとか、控え室もないから打ち合わせもダダ漏れとか(笑)、なにより演者のスペースと客席の距離が近すぎて実況すると明らかに浮くよね!ということでブログにまとめる形にしました。
いまって、個人店舗レベルでもネットチケットを発券できるシステムとかがあるんですね。
カードで決済できるし。というかネットでチケットを取る場合、カードがないと面倒…。
でも会場に行ってみるとそのシステムを活用しているわけでもなく(笑)。
このお店の場合は、イベント参加者の取りまとめ用ツールなのでしょうね。
スペースがそれほど広くはないので、参加者は女子15人:男子3~4人
(そういえばそのうち一人はそら先生の旦那さまだった。これって関係者枠?笑)ぐらいの比率でした。
自分が座った席の周りが全員女子でかたまり、「これは、詰んだか…!?」と心の中で思ったものですが、
べつになにもなかったでござると(笑)。
司会は「マンガナイト」の山内康裕さん、そらあすか先生と村沢さんと阿部川キネコ先生ともうお一方、阿部川キネコ先生の秋田書店の担当編集者の方が、村沢さんや阿部川キネコ先生に助けを呼ばれたということで、飛び入りゲストとして入られていました。
iPhoneで取ったメモと記憶を頼りに。メモはツイッターでの実況と同じノリで書いているので、いつものブログとは文章が異なります。ご容赦を。
以下、トーク再録分については敬称略、とくに注記がない括弧は私の感想・ツッコミです。
第一部 BL(ボーイズ・ラブ)とはなにか
(BLを一言で説明)
boyとboyが一緒になってBL(阿部川)
(まさに掛け算ですね!←なにも上手い事言ってねえオレ)
(なぜBLを読むのか)
普通の少女まんがだと異性間の恋愛になるから、男の子を相手の女子に取られて悔しい思いをすることもあるけど、BLはそういう構図の枠外(第三者的視点?)に自分を置けるから楽しく読める(そら)
初めてBLを読んだ時、誰に感情移入をすればいいのかわからなかった(村沢)
今回のイベントの最初の打ち合わせで、「例えば、机と椅子ならどちらが攻受なんですかね?」と聞いてきた村沢さん。いきなり無生物BLとか、村沢さんBL熟練者だな!BL編集部に馴らされ過ぎだろ!(笑)と思った(阿部川)
(村沢さんは女性向け漫画誌「WINGS」の編集さんですが、新書館はBL雑誌等も刊行しています)
攻受というのはどちらが上になるか下になるかというか…(村沢)
(村沢さんに攻め受けの説明をさせるそら先生と阿部川先生、キチクや!)
(男性編集者?にBLを読むときは、受に感情移入するんだと思っていたという話をうけて)
BLを読む場合、受に感情移入するなんて あ り え な い ! でも受キャラも好きになることがあるんですよね(阿部川)
(筆者注:「ありえない」の部分はこういう感じで強調されていました。同じ漫画を読んでも、男女で漫画の読み方が違うんでしょうかね?)
ショタものはBLに入るのか? 百合が好きな男子は腐女子と近い?(阿部川)
(個人的には、最近「男の娘」ものはよく読みますが、あれは売り方的に男性向的な売り方をしてますよね。商業も同人も)
「腐女子」という単語はいつから使われた?2000年代に入ってからか?(阿部川)
(私は1995年に同人誌を読み始めましたが、その頃は使ってなかったはず…)
「やおい」、「JUNE」、BLとは直接関係ないけど「よろず」。みんな同人界で使われなくなった言葉。
「JUNE」は、昔は唯一といっていいBL雑誌で…、でも当時のJUNEってジャンルはいまのBLとも違うというか。
竹宮惠子先生とか萩尾望都先生とか、「花の24年組」と言われた漫画家さんたちが描いていたような耽美的なものというかお堅いというか…、それからするといまのBLはカジュアルになった気がする(阿部川)
(当時のやおい系サークルの人と付き合いがあったころ、『風と木の詩』を読まされた記憶があるなあ…)
「やおい」や「よろず」という単語を20代ぐらいの子に使うときょとんとされる。やおい(二次創作BLの総称?)に至っては、「やwおwいwww」ぐらいの勢いで笑われたことがある。やおいだったものは、現在はホモって言う事が多いようだ(阿部川)
阿部川先生の初コミケは友人のサークルの売り子として参加。
「晴海じゃないの。ええと、なんかモノレールに乗って行った」(阿部川)
「ああー、ゆりかもめですか?」(そら)
「ゆりかもめじゃなかった。どこだっけ…?」(阿部川)
ここで思わず私が「平和島のTRC(東京流通センター)ですかね?」と客席から助け舟。
「あ、たぶんそうです」(阿部川)
(調べたら…TRCでのコミケ開催はレアケースで、かつ、けっこう前ですね)
ちなみにそら先生のコミケ初参加は有明。
(ここでもジェネレーションギャップが)
BLが好きになる瞬間というのは、どうして好きになるとかの説明がつかない(そら)
(ウーマンズ・リーズンなのだ)
バリバリの歴女・そらあすか先生は新撰組から歴史BLの道へ
(『燃えよ剣』とかあるしね。新撰組じゃしょうがないね笑)
ちなみに秋田書店の編集者さんが初めて読んだBL作品(当時だと「やおい」?)は、週刊少年ジャンプで連載されていた『封〇〇義』ものだったとか。そら先生も同じぐらいの頃にBLを初めて読んだとか(?)
BLを読んだ最初は「なにこれ…?!」と、手で目隠しするような感じだったが、そのうち、指のすき間からチラチラと読むようになり、やがてやみつきに(そら・秋田書店の編集者)
腐女子は仲間意識が強い(秋田書店の編集者)
強い反面、攻受のカップリングの違いや、はては攻受の正逆(リバーシブル)でも掴み合いのケンカになることもある。
でもカップリングで喧嘩別れした人同士が、別の作品を好きになったときには同じカップリングを好きになって大の仲良しになったことも(阿部川)
(腐女子ええ話や…←そうか?)
(休憩時間の時も控え室がないから休憩もなにもあるかと笑)
第二部 日本史とBL
(『日本史BLばなし』から村沢セレクション【byそら先生】をプロジェクターで投影しながら)
日本史が好きで関係書を読みふけっていたら、登場人物たちの男色話がけっこう出てくる。それをまとめたら面白いのでは? と思い、『まんが日本史BLばなし』が生まれた(そら)
(戦場に女性を連れて行けない戦国武将たちが小姓として少年たちを戦場に連れて行った)
おいおい戦場なのに別の戦が始まっちゃうぞ!(阿部川)
(阿部川先生のツッコミがおやじくせえ笑)
仙台出身で、青葉城のすぐ下に住んでいました。でも伊達政宗のまんが(『ぼんたん!!』)を描いた時に調べたのがきっかけで、昔から歴史好きだったわけではないんです。今も「こんなイベントに出ていいのか?」と思ってます(阿部川)
仙台いいなぁ!神奈川出身なのだけど、地元の後北条氏がすごく地味で萌える気にならない…(そら)
ちなみにそらさんがいちばん好きな武将って…?(山内)
直江兼続です。…好きになったきっかけは『花の慶次』なんですけどね(そら)
(今月の「超まるなま」でも描かれてました)
漢(おとこ)・兼続だね!(阿部川)
最初は奥村助右衛門(永福)が好きだったんですけど、あの、兼続と、慶次や三成との仲良しっぷりを見てたら…!(そら)
(客席からも、うなずき多数・笑)
デビュー作品が単行本になった理由「武将好きすぎて気持ち悪いから本にしましょう」(そら)
(なんかおかC)
小学校の自由研究が「城めぐり」(そら)
親御さん意識高い(阿部川)
(意識高すぎというかおかC)
平安末期の貴族・藤原頼長(通称:悪左府)は、日記に男性との恋愛の内容を事細かに書いていた。
調べていて、「なぜこんなに男色の内容を書いてるのこの人…」と感じた(そら)
最近は学術的な歴史研究でも、そういった日記や文書から男色の内容を読み取って論文にまとめている研究者もいる(山内)
私らはともかく、学術的にそういうことを調べていてどんな気分になるんですかね(そら・阿部川)
昔の人はなんで日記に男色のことなんか詳細に書くんですかねえ(そら・村沢・山内)
(現代でもジェームス三木がセックス記録帳をつけてたら当時の奥さんにばらされたことがあったよなあ←『仮面夫婦』)
(さらにいうと、三島由紀夫が好き合っていた男性との往復書簡が最近明らかになったりしたし)
(書状や日記のほうが、個人的なものだから濃くなるんだろうなあ)
(武将や貴族は、幼い頃に寺に預けられることが多かったことをうけて)
お 寺 で す か ら なにが起きるかわかるでしょ(阿部川)
(男色ですねわかります)
(たとえば地元の武将など)歴史上の人物が男色家でも、歴史である以上、現実とは一線を画しているというか、フィルターが掛かっている気がして嫌な感じはしない(山内)
「男同士の恋愛は清いものだが、男女の恋愛は穢れである」by『葉隠』
日本で上流階級に男色が流行ったのは、男尊女卑が根底にあったのかも(阿部川)
男色ばなしがたくさん集まると、ゲイではない自分がおかしいのかと感じるようになる(山内)
(それあかんやつや…笑)
江戸時代以前だと、日本人は全体として性に奔放だったのは間違いない(そら)
質問コーナー
(質問:『日本史BLばなし』に続く、次の単行本は?)
次ははっきりした男色の話だけじゃないものにしたい。一見友情だけどじつは…的な
今回は調べていって確実な証拠がないものは外した(そら)
(一部、噂レベルなものも注釈つきで載せています←「忠臣蔵にBLの影?」とか)
「匂い系」ってやつですか?(村沢)
匂い系はBLの基本だよね! 火のないところに火を燃やす!
主従関係というだけでいい薪になるの!(阿部川)
(燃料投下ですねわかります。ちなみに阿部川先生は政宗より片倉小十郎がお好みだとか)
そらさんは手紙や文書など、原典をあたって男色関係を証明して描いているのがすごい(村沢・阿部川)
でも考えてみると、証拠が挙がっているということは「BL」じゃなくて「男色」ばなしだったんですかね?(そら)
(そこに気づくのはマズイ気がします笑)
『世界史BLばなし』もありですかね?(山内)
世界史は濃いですよー。日本史のごく一部でも一冊の本にできるんですから、世界史だったら各時代で一冊ですね(そら)
今回調べていて、世阿弥の魅力がすごかった。三代義満以降、足利将軍が男色家ばかりなのも再確認した。
室町時代とBLで一冊にできる!(そら)
(室町時代前期は武家文化の最初の爛熟期でしたから、そうなるのもある意味当然…?)
(質問:商業誌だと漫画でも小説でも歴史BLってなんか少ない?)
少ないですねー(そら・阿部川)
商業誌だと、やはり学園ものとかリーマンものが売れ筋で、それ以外は極端に少ないです(村沢)
あとはアラブの王様がー、みたいな超ファンタジーものになっちゃいますよね(秋田書店の編集者)
王様に売られて、みたいな(阿部川)
そういうもののほうが、想像で描ける余地が大きいのはあるかも。歴史ものだと設定とかをきっちりしないといけなくなりますし(秋田書店の編集者)
あと、ひげと月代が障壁になってる気がする(阿部川)
(BLではないけど、記憶に残っているものだと、織田信長はふたなりであったという設定の小説を読んだことはあったなあ…)
さいごにひと言
着物を着てきたんですけど今日は暑かった(そら)
(ちなみにそら先生は和装男子激萌えだそう)
いっそ甲冑を着てくればよかったんじゃない(笑)?(阿部川)
どこで甲冑を買ってくるんですか!(笑)(そら)
硬い紙で作る甲冑があって、白石城(宮城)で着たんですけどそういうのは?(阿部川)
(着たんか!笑)
今年の正月には伊達家の現ご当主にもお会いしました(阿部川)
歴史上の人物にもご子孫がいることが多いから、こういうのを描いているとなんか申し訳ない気分になりますね…(そら・阿部川)
ということでお開きでした。
イベント後にはサイン会。噂によると阿部川キネコ先生も初サイン会だったという。マジですか?!
そら先生とは『ヲタふーふ』のことを、阿部川先生とは『明智クン』のこととかいくつかお話できてうれしかったです。
今回はほんとに楽しいトーク、というか阿部川キネコ先生に笑いの神降りすぎ(笑)。ほんとに楽しかったです。
そらあすか先生、阿部川キネコ先生、 新書館の村沢さん、秋田書店「月刊プリンセス」編集者の方、下北沢B&Bさん、本当にありがとうございました。
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