片桐先生と西井くん(ワーカホリック)
作者の犬上すくねさんの長らく続いた商業作品、『ういういdays』の後日談作品三冊目。プラトニックな恋をしていた教師と元生徒の二人の距離が、縛られていた枷がなくなってどんどん縮んでいくのだが、臆病だった女教師が恋と愛欲の深みにはまっていくのを見ると、おんなといういきものの深遠さを覗きこんでいるようで怖くなってくる。でもその怖さをもっと感じたい。

お姉ちゃんは待ちきれない(渚のハイカラ金魚)
姉と弟のエッチな関係を描いた短篇集。「姉」というキャラクターはすごく色っぽい!と感じる。そして、「姉と弟」という近親関係は、他の近親関係よりもなにか意識が違うというか、とても距離が近いものに感じる。 「姉と弟」を究めていってくれたら、この作者の作品が楽しみになるなあ、と思う。

サマーロマンス。(ムンチャイ)
作者のテンヤさんが描いた商業作品の新エピソード。 妹キャラの可愛さが以前より増していてすばらしい。 そんなまゆちゃんに振りまわされる兄の振りまわされ加減も比例して増しているような(笑)。 でも基本的にはみんな変わってなくて安心できる。

真夏のストール会長(すこやかペンギン)
ふかさくえみさんの作品は、地に足の着いたSFを描く力をいつも見せてくれるが(変な表現だけども)、今回もその力を十分に発揮された作品になっている。 そして、ふかさくさんが描くキャラクターはなんかみんなかっこいいことに、いまさらながら気づいた。

常夏サイクル(くろみや別館)
今回は、社会において「空気を読むこと」の大切さを教えてくれたような気がする作品。 「気づき」が大切だと説くビジネス書とかはたくさんあるけれども、へんなところで「気づく」と惨めなことになるなあと、作者の行動から感じて、思わず笑いがこぼれる。

鬼越JS #7 雨宿りJS(MPNふかもり)
毎回いろいろと違う視点を持って描かれているように感じるシリーズ。今回は「ゲリラ豪雨」という単語から始まる言葉遊びが楽しい。さらにいえば、セリフ運びのスピーディーさが楽しい作品。 そして主人公のしおりちゃんはあいかわらずかっこかわいい。