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日記といふもの

日々どうでもいいことを書き連ねて「いきたい」日記帳です。 最近はTwitterに逃避しがち。良ければそちらもよろしくです。

同人誌イベント

11 9月

コミティア109P&R投稿しました

ベトナムに行ってきたヨ物語 後編(カンプ。)
二人の漫画家さんのベトナム旅行記本後編。
前編は買い物ばかりしていたようなおぼえがありますが(失礼)、後編はけっこう真面目なベトナム史を探求する訪問記になってました。
ミリタリー好きにはもっと面白いかも?ベトナム戦争に対する視野が広がりますね。
二人の漫画家さんたちの珍道中ぶりも健在で楽しいです。

一日一回、あなたを好きだと思わせて。(妄想をトランクに詰めて)
恋愛、結婚など「好き」という情念にまつわる短篇集。ハッピーエンドありバッドエンドあり…、この作者はバッドエンドの描き方が上手い。というよりも、発散していく感情よりも収縮していく感情を描くほうが上手いのだろう。
収縮していく感情のせつなさ、無念さがリアルに感じられて読むほうもせつない。
でも、描かれるハッピーエンドもまるできらきらと輝いているようで素敵です。

風鈴ナイト(くろみや別館)
今回は実録ものでも創作ものでも、4コマの「起承転結」のうちの転と結のそらし方というか、はぐらかし方というか、そういう部分の切れ味がよくて、読んでいて楽しくなります。
苗字で使われる高の字の「はしごだか」の話は全編通してあるあるぽかった…。

「部活動宇宙船 レッド・アンブレラ号」(妄文とりはる社) 
舞台はSF、SFなんだけど、ものすごく人間くさい話から感じる違和感が面白い。当たり前ですけど宇宙人も人間臭くなかったら地球人とコミュニケーションがとれないものね。ひとつひとつの設定がSFとギャグと人間くささの三点で際立っているなと感じます。

新鎌ヶ谷のパン屋さん Canis Minor(ストロカインムコスタ錠)
天気が良くないと「パンが本調子じゃない」って、パンの世界も奥が深いな…。
15 5月

コミティア108 P&R投稿しました

ジャポニカ自由帳41(ジャポニカ自由帳)
作中、『灰色の春』で、2011年3月の遠野を描いた小坂俊史氏の作話能力の高さに唸ります。描かれているキャラクターの内側、ひいてはそのキャラクターを描いた作者の内側にも、もっと重たい感情があるのかもしれないが、そこを上手く、読者に直視はさせないけど認識をさせている感じが、この作品の評価としては的外れかもしれないけれども「痛快」に感じました。

タスキに短し。7(くろみや別館)
この作者のすごいところは、他の人がやっても笑いが起きないようなことを笑いに変えられるそのキャラクター。時々ボケを演じている時もあるけど、それよりも脱力系な笑いを呼び込む生活をずっとされているのがすごいです。

とうふくんすぱ (inui@b)
このシリーズはずっと読んでいる作品なのですが、今回も「とうふくんというキャラクターが(物理的に)壊れる」という愛すべきワンパターンでひたすら笑わせてくれます。
とうふくんはじめ、キャラクターの愛くるしさと、豆腐に無理な力を加えれば壊れる、という当然のことをひたすら当然のように繰り返すのが笑いの秘訣なのでしょうか。

不思議な森のミント 1(お手製のポトフ)
森の世界に住む、よく寝ぼけたりよくボケる少女と、かっこいいのか悪いのかよくわからないタヌキのコンビを描いたストーリー4コマ。
みんなすごくてきとーな感じで生きていて、それでもちゃんと生きていけるのが感じられて、とても楽しい作品。1とついているわけだから続編にも期待します。

110010(すこやかペンギン)
サークルで出された創作同人誌が50冊をかぞえた記念のご本。サークルの歴史をきちっとした本として記録に残されたというのがまず素晴らしいと感じます。
描きおろしの漫画も、タイトルの数字が鍵になっていますが、数字がダメな私でも入り込んでしまうミステリアスな内容で、またよし!

自意識過剰なあたしの話。(妄想をトランクに詰めて)
自意識過剰な女の子が一人の男の子にのめり込んでいく結果、自爆して離れていく、というだけの話ですが、以前の作品と比べて難解ではあるけれども、何回か読み込んでいくうちに男の子へも感情移入させていって物語を理解できるような感じになる、というところが面白いと感じます。
 
13 2月

コミティア107P&R投稿しました

セーブはこまめにしたいのに (すこやかペンギン)
記憶を脳に「セーブ」することができる女の子に恋の騒動が、というお話。記憶できる量に制限が、とか、その回避策を考えついたけど…、とか、場面展開の上手さが引き立っていると感じます。
ハッピーエンドへと導かれていく展開と、男の子のセリフもかっこいいです。

鬼越JS #8 観察JS(MPNふかもり)
短い作品を連ねてシリーズ8作目の今回は、脇役同士(というよりサブキャラという方がいい?)が仲良くなっていく(のか?)エピソードが、シリーズ全体にさらなる深みを与えているように感じます。いつものサブキャラふたりがまた、ふたりとも面白みがあるキャラクターなのでさらにさらに。

帰ってきた成人病のひみつ(東京猿人改)
様々なことを描き続けてこられて20年。素晴らしいですが、今回のネタは正直見習いたくないというか…です。自分もそういう年齢に差し掛かりつつあるだけに、健康な体は大事!と反面教師的に楽しませていただいております。
それはともかく、ためになる薀蓄をテンポよく1ページずつの漫画で連発していく手腕は流石です。

相も変わらず地味ですが。(くろみや別館)
相も変わらず、世間とはずれまくっていると思います。作者だけがずれていたり、作者も周りの人もみんなずれていたり、このへんのさじ加減がいい。加減によっては作者がツッコミになったりするけど…、作者がボケる、じゃないズレてるほうが面白いかなと。

AV女優とAV男優が同居する話。(妄想をトランクに詰めて)
タイトルでかなりの部分を言いあらわしている。そしてその部分から作られる展開が爆発力を秘めていてすごい。初めて読むサークルの作品だけど、いきなりとんでもない作品を見つけてしまったな、という感じです。キャラクターがきめ細かく作りこまれているから双方のキャラクターに感情移入しやすいし、ストーリー展開はある程度予想できるものなのだけど、キャラクターの出来の良さのおかげで、ラストへの展開を含めて感動へ導く力がとても強くなっています。(おそらく)1冊でまとまっているところも、ちょうどいい感じです。

ベトナムに行ってきたヨ物語(前編) (れんれん&晶)
二人の漫画家さんが一緒にベトナムへ行ってきた話なのですが、同じ旅程を描かれていてもアグレッシヴに描く人と淡々と描く人との対比ができているところが面白いです。
なにより、異国を旅することの面白さをきちんと描いているところが、読んで良かったと感じさせます。

やっぱりこたつと鍋がすき (お手製のポトフ)
四コマで、女子高生が雪とたわむれ、こたつで鍋を囲む話。この作者の作品は、シンプルなモチーフをシンプルに描き出しているところに好感を持てます。
シンプルだけど面白い。シンプルだから面白い。
鍋の締めはうどんだね。
10 2月

「文化庁メディア芸術祭」功労賞を受賞された中村公彦さんのシンポジウムに行ってきました

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国立新美術館の受賞作品展示会場で展示された、コミティア107で書かれた寄せ書き
じつは私も書いたんですよねえ…あんなに大々的に飾られるとは思わなかったので

創作系同人誌即売会「コミティア」の中村公彦代表が、このたび「文化庁メディア芸術祭」の功労賞を受賞され、2月9日に受賞者とゲストを招いてのシンポジウム「コミティアという場所/マンガの周縁に在りつづけて」が開かれたので行ってきました。
中村さんご本人も「受賞は意外だった」とおっしゃるだけあって、これまで漫画関係で受賞されたのは、すでに一線を退かれた漫画雑誌創業世代の編集者さんなどがほとんどなのですが、今回の受賞は賞の審査委員会の中でも異論なくすんなり決まったとのことでした。

コミティアのカタログなどでもお馴染みの漫画家belneさん、同じく漫画家さんで20回目ぐらいのコミティアまでスタッフとしても働いておられた山川直人さんがゲストで、中村さんいわく、「コミティアに影響を与えてくれたふたり」ということでゲストに招かれたとのことでした。
シンポジウムというよりは、コミティアよもやま話という感じでしたが、面白かった話をちょっと抜き出してみましょうか。

「コミティアはなぜ生まれたか」
もともと、中村さんと山川さんは亜庭じゅん氏が主宰していた創作系イベント「MGM」に参加されていた。おふたりにとってMGMはとてもいいイベントだったが、亜庭氏の意向で、「規模拡大はしない。古くからのサークルを無碍にできないぶん、新しいサークルは入りづらい」という面があったために、それなら新しいサークル、新しい作家さんのために即売会をやろう、ということで仲間とともにコミティアを立ち上げた。
当時は、当日のスタッフが30人ほどで(大半は全参加サークルの半分を占めた委託スペースのための人員)、事前準備まで参加するスタッフは10人もいなかったとのこと。

「コミティアに関わるきっかけ」
当時中村さんが勤めていた漫画情報誌「ぱふ」の出版社に話を通して、ぱふとして「協力」という形になった。
やがて初代コミティア代表が就職で代表を続けられなくなったので、3回目から中村さんが代表に。「ぱふ」が協力していた手前、代表がいなくなったからといって終わらせるのはしのびないのが理由だったとか。
山川さんはサークルをやりながらコミティアスタッフをやっていた。中村さんいわく、「小演劇など、漫画とは違ったジャンルからのアイデアを出してくれた」
belneさんは、ある時に委託スペースの売り子が足りないために頼まれて売り子をやったのがコミティアに深く関わるきっかけだったとか。コミックワークショップ(以前は東京コミティアでも行っていたが、現在は新潟コミティアで年二回)や、コミティアのカタログであるティアズマガジンでの漫画の描き方講座などで活躍される。
中村さんいわく、「描きたいものがあってもどう描くかがわかっていない人に的確に教えるというのは、なかなかできるものではない」

合同誌が多かった時代、誰かの原稿が揃わなかったという理由でクオリティが低い本を出してくるサークルが目立つようになったことに苛立った中村さんが、「これからは個人サークル以外参加お断りにしたい」とbelneさんに相談したところ、belneさんに「それはダメだ」と一喝された。
belneさんいわく、「なんでも先鋭化したらだめになる」。「そのときは、中村さんにいま思い出すと『禁じ手』ともとれる発言もした(「それならお前が漫画を描いてみろ」的な)」。

コミティアも当初はいろいろな会場で行われた。一回は飯田橋駅上にある商業施設、ラムラのアーケード部分で行ったが、その時ちょうど「東京・埼玉連続幼女殺害事件」の犯人が逮捕されたころ。
メディアの取材が殺到した。当時は取材申請などもなかったので、中村さんも「(取材が来たのは)把握してなかった」。
当時スタッフだった山川さんも取材を受けて、「(犯人の家のビデオテープや漫画の散乱ぶりに)あれぐらい普通。うちだってあれぐらいはあります」と答えたが、ビデオテープに関しては「それほどはなかった」と。

山川さん「10年ほど前に、コミティアにサークル参加すると友達ができたり、あるいは恋人ができたりするという話が聞こえるようになって、コミティアの質が変わってきたのかなと」。
belneさん「コミティアは年4回あるけれども、漫画を描く人にとっては、それが締め切りのようになっているから描けることもある」。「すでに鬼籍に入られている知人だが、がんの治療を受けていて、もう残された時間がいくばくもないとされた作家さんが膨大な量のアイデアを思いついてしまい、でももうそんな大作を描く余裕なんてない、と思っていたところに、私が『コミティア合わせで少しずつ描きためていけば』とアドバイスしたところ、そのコミティア連載が約200ページの作品になり、webでも発表されて、ついに商業の単行本になった」。

「商業誌とコミティアとの関係」
中村さん「昔は、同人と商業は対立関係にあったけれど、ある同人サークルの主宰さんにインタビュー(ティアズマガジン関係?)した時に、『面白い作品に商業も同人もない』と言われて、対立するものじゃないと考えるようになった」 。「コミティアで、アメコミなどに携わる出版社のマーベルから原画展をやりたいという希望があり、その際に『スペースをもらって原稿の持ち込みを受け付けたい』という希望もうけて、それなら、と知り合いの編集者などにも募って開催したのが、コミティアで現在も続く出張編集部(持ち込みコーナー)」。 

中村さん「webが発達し始めた頃、私はおぼろげに、『これが進めば即売会とかも要らなくなるのかなあ』と思っていたけれど、いまはwebで発表していた作家さんが、『読者の生の声を聞きたい』とか、『無料のwebではなく、代価を払って買ってもらう形式でどれだけ反応が返るのか知りたい』という理由でコミティアに参加するようになって、コミティアの規模も大きくなっている。予想と違って、コミティアにとっては嬉しい流れになった」

このほかにも面白い話がいろいろあったんですが、記憶がはっきりしているこのぐらいで。
受賞当時から中村さんが言い続けておられる「この賞はコミティアに携わる全員でもらった賞」、というのと、「この賞は『(先払いならぬ)先貰い』で受け取った賞、これからまだ何年も頑張って(そのためには健康第一ですよ!)、その結果何十年後かに、今回審査をしてくださったみなもと太郎先生からまた授賞式をやっていただきたい」という受賞の言葉が印象的でした。
 
29 8月

コミティア105P&R投稿しました

片桐先生と西井くん(ワーカホリック)
作者の犬上すくねさんの長らく続いた商業作品、『ういういdays』の後日談作品三冊目。プラトニックな恋をしていた教師と元生徒の二人の距離が、縛られていた枷がなくなってどんどん縮んでいくのだが、臆病だった女教師が恋と愛欲の深みにはまっていくのを見ると、おんなといういきものの深遠さを覗きこんでいるようで怖くなってくる。でもその怖さをもっと感じたい。

お姉ちゃんは待ちきれない(渚のハイカラ金魚)
姉と弟のエッチな関係を描いた短篇集。「姉」というキャラクターはすごく色っぽい!と感じる。そして、「姉と弟」という近親関係は、他の近親関係よりもなにか意識が違うというか、とても距離が近いものに感じる。 「姉と弟」を究めていってくれたら、この作者の作品が楽しみになるなあ、と思う。

サマーロマンス。(ムンチャイ)
作者のテンヤさんが描いた商業作品の新エピソード。 妹キャラの可愛さが以前より増していてすばらしい。 そんなまゆちゃんに振りまわされる兄の振りまわされ加減も比例して増しているような(笑)。 でも基本的にはみんな変わってなくて安心できる。

真夏のストール会長(すこやかペンギン)
ふかさくえみさんの作品は、地に足の着いたSFを描く力をいつも見せてくれるが(変な表現だけども)、今回もその力を十分に発揮された作品になっている。 そして、ふかさくさんが描くキャラクターはなんかみんなかっこいいことに、いまさらながら気づいた。

常夏サイクル(くろみや別館)
今回は、社会において「空気を読むこと」の大切さを教えてくれたような気がする作品。 「気づき」が大切だと説くビジネス書とかはたくさんあるけれども、へんなところで「気づく」と惨めなことになるなあと、作者の行動から感じて、思わず笑いがこぼれる。

鬼越JS #7 雨宿りJS(MPNふかもり)
毎回いろいろと違う視点を持って描かれているように感じるシリーズ。今回は「ゲリラ豪雨」という単語から始まる言葉遊びが楽しい。さらにいえば、セリフ運びのスピーディーさが楽しい作品。 そして主人公のしおりちゃんはあいかわらずかっこかわいい。
16 5月

コミティア104P&Rに投稿

08(ogasite)
メインの短編は、生徒と教師の恋愛ものになるのかと思ったら肩透かしを食った気分になる。でも、肩透かしを食っても不思議と不快感がないところは、作者がキャラクター全員をしっかりと作っているからではないか、と見る。

きらきらアスパラガス(すこやかペンギン)
レベルの高い掌編を常に用意してくる作者のチカラに感銘する。
メインの2作品には仕掛けがあるが、一度読んだ段階だと2作品が途切れていないので気づきにくいかもしれない。もう一度後ろから読んでみよう!
それにしてもハトのくせにハトがいいキャラしている。

まんまるディスカバリ(妄文とりはる社)
キャラ作りとギャグが上手く合わさっているところがよいなと。破れかぶれキャラというか、めちゃくちゃなキャラクターがいると物語はすごく進みやすくなるなと感じる。

ビューティフルネーム(妄文とりはる社)
話が進んでいくうちに主人公よりも脇キャラのほうに光が当たっているように見えてしまうのはご愛嬌か。主人公も成長というか夢は成し遂げたし。でもラストまでに端折られた部分のほうが読みたくなるのは、こういう作品の常なんだろうなあと。

春雨ノイズ(くろみや別館) 
やはりこの作者は、誰かとしゃべるとそれだけでネタを作っているように思えてしかたがない。
物を捨てる指南書が部屋に大量にあるという時点で、やってることがもうネタになっている。

台湾に行ってきたヨ物語。(レンレン&晶)
タイトルどおりの旅行記本。台湾の食べ物が日本と微妙に違っているところが食欲を誘う。
作者のベトナム旅行記も併録されているが、値札を破り捨てて新しく値上げして売りつけようとするベトナム人店員に笑いがとまらない。
傍から見ると、外国に行くことは苦労することも多いのに、それでも旅行しようとするのは、外に出ることが楽しいからなんだなと感じる作品。

鎮守の森のユニコーン(武礼堂)
少ないページ数の中でも、ギャグと小動物に関する薀蓄が両立していて、さらにキャラクターの動きの多い展開を作るのはすごい。

ゆりっぷるのあれ事情。(衛星べジータG)
作者のあとがきでの、「えろは誤魔化し効かないので(絵の)練習に向いている…」という発言に、この作品への妥協のなさを感じた。キャラクターデザインはシンプルだけども、目とか構図の描き方からは読者に訴えかけてくるものを感じる。この作品、一読した時の印象よりも重たい作品なのではないか。

俺の彼女が発情期のようで(放課後めろんぱん)
男女ともにキャラクターがしっかりと描かれているところと、思いつめてる系女子がかわいくて、思わず読み込んでしまう作品。

ベリーベリーベリーA(女の子パヤパヤ)
作者の商業作品の後日談作品ですが、この作品単体でも面白いのではないかと。作品を知っているほうが理解はしやすいですが。
主人公のひとりであるレンが抱く不安、そんなレンの不安を払拭するもうひとりの主人公、ナコの強さからみてとれる安心感、ふたりの絆の強さがさらに深くなったように感じる終盤と、読んでいて気持ちがいい。

29 11月

コミティア103P&R投稿しました

鬼越JS#5 宿敵JS(MPNふかもり)
男女に限らず、小学生って集団生活だからペースを周りと合わせようと躍起になるものですよね。あたふたしてるように見えなくてもなんかあせってる、そんな心の動きが楽しい。そしてこれまでの生活に新たに加わる異分子の存在が…、また楽しすぎです。

いろいろ(ムンチャイ)
作者の商業作品になりかけた(?)作品を集めた短編集。
キャラクター造形にも苦労のあとがにじみ出ているようで興味深い。
その中では「ちゃいるどママ」という作品が、名前通りのキャラクターでキャラクターがきちっと定まっていて、見せ方も上手くできていると感じた。

ハッピーカムカム完全版2(あつあつCOOK)
 単行本未収録に終わった作品がようやく出てくれたときの感動はなかなか味わえるものではない。あまり味わいたくないことでもあるけれど。
各人色々な属性を持った5人の女子中学生のドタバタが、とても近い視点から見られる。それだけでこの作品が面白くならないわけがない、のです。
惜しむらくはもっと後の時代にこの作品が世に出ていたら…、各方面でもっとこの作品を理解してくれる人がいてくれたんではないかなと思うと、惜しくて仕方がないのです。

悪魔娘と神父様(渚のハイカラ金魚)
ファンタジー的な設定の作品は、設定がすごく多くなることに振り回されてしまって面白くならないことが多いけれど、この作品は設定をなるべく少なく見せる(少なくしているわけではない)ことでエロスが少し前面に出てきていて、バランスのよさで面白く読ませている。
少女に憑いたサキュバスの荒んだ感じと、悪魔に勝ちながらも最後に自らの身に悪魔を受け入れる若き神父の心の動きとその意外さが面白い。

教室で待ってる(すこやかペンギン)
 夢の中でしか出会えない先生を好きになるとか、聞いただけなら一瞬戸惑ってしまいそうな導入部なのに、そして長くはない作品なのに、ちゃんと最後には説得力を持たせた作品にしてしまうのがすごい。登場するすべてのキャラクター造形が上手いからだろう。
そして少し読むとちょっとでも盛り上がる場面というか描写があるというのもすごいけれども、それでいて盛り込みすぎるわけでもないことのほうがすごいのだろうか。

ラーメンを食べよう。3(なぐもカレー部)
タイトルに反して、ラーメンを紹介する作品ではない(笑)。
ラーメンを介して知り合った高校生カップル未満、のふたりの交流を描いた作品の三冊目。今回は違う組み合わせでラーメンを食べていますが。
ラーメンを食べて、ちょっとおしゃべりをしているだけの作品だけど、作者が作り出す独特の雰囲気が楽しくてつい読んでしまうのです。

今回はページ数が少ないコピー誌が多かったり、先に、コミティアでサインをいただいた単行本について書いたらなんかやり遂げてしまった気になってモチベーションを上げなおせなかったりと難産でした。6作品、これでもよく出せたと 思えるぐらいに難産でした。

(追記)感想は書けなかったけど内容がよかったので、タイトルとサークル名だけでも何冊か挙げておきます。
誰かの目に止まりますように。

猫が行く!EX (猫が行く) 
イマドキ青春番外編(カンプ)
タスキに短し。5(くろみや別館)
丸蟲絵日記帳、丸蟲絵日記13、埼玉のパン屋さんでパンを買う(ストロカインムコスタ錠)
はるひことーこ(うな丼無限ロード)
Jamble Girls -complete- (ゆずきなこ)
00(やたこ)
ウワサのつづき(ogasite)
さわやか荘205号室の性活事情(放課後めろんぱん) 
父親とむすめ(sakaki)
オトコノコ充(T-NORTH)
 
24 5月

コミティア100 P&R投稿しました。

トコバコ(サルフォカゴス)
作者が飼っている黒猫の墨たんが可愛すぎて、彼女を溺愛する作者もあわせて、もう戻れなくなっている気がします。
むしろ墨たんに振り回される周りの人たちもみんな可愛いのかもしれません。
この作品を夢中で読む我々ももう戻れないのかも。

たびのほん(ogasite)
例えば、スケジューリングにあまり縛られない、たくさんの場所を観光したいとは思わない、ゆったりとした旅をお好みの方にはおすすめできる旅行記本。
ゆったりとした旅の雰囲気とか、各所で得られる旅先の土地の小ネタ的知識がとても楽しい。
旅する人たちも、旅先で出会う人たちも、楽しかったりゆかいだったり可愛かったり、とてもいい。

粗茶ですが(やたこ)
擬人化された、マグカップやコップなどのような器たちのキャラのつくりがとても印象的。
健気な主役の湯のみちゃんに感情移入するけれど、他のキャラも性格づけがきちんとなされていて、読者それぞれの好みのキャラが分かれそう。

ポンチョ。(高嶋屋。)
カレシとポンちゃんがいいコンビですね。このふたり、恋人同士でもなんでもないのだけど、本当の恋人である、ポンちゃんのお姉さんよりも息が合ってしまうのです。
それにしても、この作品に出てくるキャラクターは男女を問わず(動物も)どこかしらキュート。
作品の中で、みんなに幸せな日常が続きそうで嬉しいです。

カスタネットプラネット(妄文社)
SFのセンスと、異星人との交流を通じて描かれる心温まる物語と、4コマまんがで描かれるギャグとがすべて引き立てられて読みたくなる作品になっている。
異星人が使うスマホが、スマホと言えないレベル、って思わずツッコみたくなるアイデアに膝を打った。

先生はお兄ちゃん。Color(ムンチャイ)
商業誌で使われたカット等のカラー原稿をカラーでまとめた再録本。
イラストや漫画はともかく、カットの類はなかなか読者の側で残しておくのにも漏れがあったりするもので。
2色ページで掲載された漫画も、きちんと2色で再録しているのは芸が細かいし読者としては嬉しいです。

WOLF'S CAT Macaron:(プラステン)
慣れてる人、好きな人にはとても安心して読めるハードコアエロス。
ギャグもあるが、演出としてきっちり「寒いギャグ」にできているところがまた良かったりする。
またそんな場面から、ふたりの愛情の深さが見えてくるんですよね。

蝴蝶酒店奇譚(WATTS TOWER)
ファン待望、と言っていいと思う、商業作品再録誌。
作者のキャラ作りの上手さもあるので物語に感情移入していきやすいし、物語の重さ・軽さの分量をとても見極められている印象が深い。
きっと、作中で読者にとってのベストな物語はそれぞれ違うけれども、それだけの幅広さを持っている作品でもあるだろう。

ベツ×バラのべつばら(Monkey's taste)
ベツ×バラのふたりがあまあますぎる!
でも甘いもの好きなのでもっと読みたいなあ! と思ってしまいます。すばらしい。
商業作品の後日談的作品ですが、たしかにこの甘々さは商業誌では描けなさそう。

雲からぼたモチ(くろみや別館)
実録系4コマ作品を読んでいると、この本の作者も周りの人も、みんな面白すぎる。
みんな、考えすぎてぐるっと一周して笑いにつながってしまうところがまた独特で、単純にボケてるよりも怖い。
それをもとにしたオリジナル4コマもまた、登場人物がみんな考えすぎているのを笑えてしまうのがまた怖い。

3度目のキス(T-NORTH)
同人作品と商業作品の両方で描かれてきたふたりが、紆余曲折を経て、この作品で互いの温度をさらに高めていく。
このふたりは熱すぎる。熱愛ではないけれど、熱情とでもいうべきものは強く感じられて、読んでいてその熱情にあてられてしまう。
作品タイトル、作中で使われるフレーズ、そしてこれまでの作品を思い出すと感激もひとしお。
10 11月

コミティア98P&R投稿しました

秋のとうふくん(inul@b)
とうふくん。ある時は砕け散り、またある時はまっぷたつ、はたまたあるときはきのこが生える。あまりにもデンジャラス。四季を描いたのでこのシリーズは今回で一休みとのこと。また遠からず新作が出ることを願います。

墨たんですよ!!(サルフォカゴス)
作者が最近飼い始めた猫を擬人化して描いた作品。
作者が墨ちゃん(猫)に持つ感情を、とても率直に描いているところが痛快で面白い。
最後にあるように、猫を飼う人が猫を描くとその作品は猫へのノロケ話になるんだなあと。

鬼越JS(MPNふかもり)
全体を通して、女子小学生を中心に描いた「たわいもない話」なのだけど、生命というものについて考え込まされる感覚に陥ったり、まだ見ぬ世界を探求する感動を味わったりと、敷居が低いのに驚かされることが多い作品。

ぼくたちつきあってます…?2(ムンチャイ)
お外で、恋人づきあい(?)のふたりがおでんを食べる光景の違和感を楽しむ。
前巻に続き、主人公の夏目くんの思いとは裏腹に一歩一歩おつきあいの既成事実化が進んでいるところに、読者の笑いを誘う作品。

はっぴーでいず(やたこ)
「叔母バカ日常マンガ」と作者も銘打つ、作者の甥っ子くん&姪っ子ちゃんへの愛に満ちた甘々な作品。
可愛い子たちに囲まれた幸せな日常が描かれていて楽しい。
そして、甘々だけど置いてきぼりに感じたりいらいらせずに読めるのは、甥っ子ちゃんや姪っ子ちゃん、更には作者本人のキャラクターのためだろうか。

愛されサイレント(いわしの甘露煮&ROOM#310)
主人公が一切セリフを喋らない作品。喋らない理由はともかく、主人公の姉と妹が喋りまくるのでバランスが取れているのかもしれない。姉キャラの天然ぶりも妹キャラの直情ぶりも、ともに可愛い。
こんなに愛くるしい姉と妹に、私も愛されたい!

鶴見東女子アクメ☆自転車部(デジタルボウイズ)
題名からわかるようにエロマンガなのだが、作者がなんとか作品をエロマンガ側に置こうと苦心しているように見えるのに、こちらが作品や作中人物への思い入れなしにで見てしまうと、どうしても笑えるものが前に見えてしまう。
笑いの方向だけでも充分おバカで面白い作品。可能性にはあふれている。

カニが食事中になくした相棒をいっしょに探すミッション(すこやかペンギン)
カニカニ! カニと少女とイソギンチャクという取り合わせの妙や、こちら側とは微妙に違う、SF的というかファンタジーというか、そういう世界へのいざない方が楽しい作品。
未来の「ネタばれ」という展開の面白さ。タイムパラドックスはないのかな?
1 9月

コミティア97P&R投稿しました

夏のとうふくん(inul@b)
とうふくんが、真っ二つに切れたり、粉々に砕けたり、魚に食われてどんどん小さくなっていったり、グロテスクな場面(?)ばかりでとても笑える作品。
しかし、とうふくんはどんな状況でも表情も変えず、断末魔の叫びを上げるでもない。読み重ねていくと、無常観のようなものまで頭に浮かんでくる、そんな作品。

先生はお兄ちゃん。0時間目(ムンチャイ)
表題作の商業誌投稿時代のものと、連載終了後の最近に描き下ろされたものの2本立てとなっているが、前者と後者との間では、主人公 の兄のキャラクターの表面からも内面からも尖った感じがなくなっているところがあったり、主人公の内面が強く、格好良くなっていたりするような変化が見ら れるのが興味深い。

小悪魔になる方法(黒猫亭/ムンチャイ)
2サークルによる、「小悪魔系」をテーマにした合同誌。
ろくさぶろう氏は、カップル二人ともを小悪魔系に描いている。小悪魔な男女が揃うと、エロ可愛さを感じる面白みがあるのかと思い知らされる。
テンヤ氏が描いたのは小悪魔な妹キャラ。実の妹ではないので葛藤にさいなまれる主人公キャラの心の揺れが楽しい。

ふわふわアルペジオ(すこやかペンギン)

某高校生向クイズ番組ネタ漫画と見せかけておいて、そつなく得意のSF展開に持ち込んでいく。そして少ないページ数なのに甘酸っぱいラブコメまで入れ込んで一区切りの作品を作ってしまう。
そんな作者の、いつも通りのストーリー作りの上手さというか底知れなさで、買ってよかった&読んでよかった感を強く感じられる。


souco(ogasite)
主人公の女教師が思い出した、学生時代の恋の辛い記憶。その辛さを克服していくのにしたがって、同い年の男性教師と気持ちを通わせていくラブコメ。
若いときはわからなくても、後になってみればわかることはたくさんある。もう戻ることはできないけれど、人はそうして辛い記憶を乗り越えていける。
それだけでも年齢を重ねていく甲斐がある、というものかもしれない。

らぶてきな。(やたこ)
女の子同士の、キスを通じた恋心競争のような風景と、その内面の描写が読者の心をくすぐる。
ラストに進むにつれて、親友の女の子に片思いする主人公の女の子の想いの深さがはっきりと描写されていくあたりは、からっとさばけていて心地よい。

七十転び八起き(くろみや別館)
日ごろの生活や作者の言動から起きた笑える場面を描いた実録漫画は、作者が勤める会社の人々がすごくばかばかしいなと(誉めてます)。私もこんな会社で仕事したい。ぜったい疲れると思うが。
今回併載されているフィクションの漫画のほうも、実録漫画から感じるばかばかしい雰囲気を持ったキャラクターが集まっていて、実生活からフィクションへばかばかしさを発展させているのかと思える。

可愛すぎる日高先輩とXXXしたい!(T-NORTH)
ヒロイン・日高千智への、主人公・都山勇太の愛情の深さ。その愛情を精一杯受け入れようとする千智の心、双方を描くシナリオは細やかだが、二人が結ばれる描写には力強さを激しく感じる。
二人の、さまざまな面での初々しさも、とても眩しく感じられる。

Pussy & Butterfly(渚のハイカラ金魚)
2本の作品がそれぞれ充実した内容で楽しめる。
男の娘メイドと女性メイドとご主人様を描いた作品からは、いたってマニアックな感覚を受け、その感覚から更なる愉悦を感じる。
そして男の娘メイドが「男の娘」になった理由を読むと、自らが女性メイドを犯すことになった事に哀しみを感じていなかったかと思ってしまうが…?
姉弟を描いた作品は、姉と弟の双方が互いを好きなことに葛藤を感じながら、その葛藤まで快感に結びついていそうな貪欲さと正直さを読み取り、読んでいて清々しさと淫靡さの双方を感じた。


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非リア充集団がクラスメイトを女装させて彼女にしてみた|2012.11.26発売 パンなキッス3巻9/22発売!
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