voyager_2

日記といふもの

日々どうでもいいことを書き連ねて「いきたい」日記帳です。 最近はTwitterに逃避しがち。良ければそちらもよろしくです。

同人誌

10 3月

COMITIA95 P&R投稿しました

今回は書いたのがギリギリだったので、4冊しか挙げられず…。
いつも読むサークルさんがコピー誌だったのもあるのですが(笑)。

『カフェらった!(2)』(いわしの甘露煮)
商業連載作品の再録本。(1)は商業単行本になったのだけど…
連載後半に当たるこの作品では、脇キャラたちの恋模様だったり、主人公の生活環境が掘り下げられたりと盛り上がる展開になり、メイド喫茶のかわいい女の子たちが動き回る展開がうまくまとめられている。それだけに、商業で刊行されなかったのは残念でもあるが…
ともあれ、まとめて読める形になったのは良かったと思う。待望していたので嬉しかった。

『バレンタインロマンス』(ムンチャイ)
バレンタインの時期だからこそ出せるドタバタ劇(笑)。
主人公・まゆが作るチョコレートを巡って、シスコン兄はもちろん、まゆを想う人(?)が心そわそわする。
その一方で、まゆが想う人はのほほんとしているのに最後には彼らしからぬ行動でビシッと決めてしまうあたりが、意外に感じつつも鮮やかな展開を作っている。

『俺×彼女05』(Senseism)
妻子に囲まれ幸せな家庭を築く教師が、教え子の女生徒に犯される。
教師を一途に想う女生徒の純粋さと邪悪さ、そして彼女が与える快感が教師を壊していく、その描写と展開に衝撃を受ける。
だが、壊れたことの「つけ」は必ず支払わなければならない。その支払方法…哀しい終焉。
読んでいて、作者が描く女生徒の純粋さと邪悪さの両面にとにかく惹きつけられてしまうし、壊れていく教師にも、同情とも共感とも何かが違う感情が芽生える。

『働く車。』(草壁正和)
警察で働く車の擬人化本。
それぞれの車の特徴を活かしたネタを用いたギャグ漫画に、思わず読み入ってしまう。
今回イラストだけだった車たちを描いた漫画作品も読んでみたいなあと。
6 2月

柳原望先生サイン会 in ジュンク堂書店池袋店

2月もサイン会が多くなりそうな予感です…!
そんな2月最初のサイン会は、柳原望先生です。『高杉さん家のおべんとう(3)』(メディアファクトリー刊)の刊行記念。
柳原望先生というと、私は白泉社で描かれた『まるいち的風景』から入った者ですが、この作品でもまるいちが登場していたり、オールドファンの目から、といっては失礼ですが、そういう目からも楽しくなってくる作品です。でももちろんそれはあくまでも別線のもの。
柳原先生らしい、読んでいて心が暖かくなる作風を楽しむのがメインなこの作品です。
そんな柳原先生のサイン会を楽しみにしていました。

さて当日は、ちょっと目白や池袋のサンクリ(同人誌即売会)を歩き回ることになった一日でしたが(バス代高いし)、暖かい午後にサイン会はスタート。
早めに並んだので、すぐに私の順番でした。
「以前から作品を読んでいたので、今回のサイン会を楽しみにしていました。」とお伝えすると、私の宛書のペンネームをみて、「この宛書のネームとか、読んでいてくださった感じですよね。」と。
たしかに、『まるいち』だけではないのですが、こういう作品を読んでいるからこそ名づけたハンドルネームでもあったので、そう言ってくださったのは嬉しかったです。

今回は柳原先生のサインと、好きなキャラのイラストシールを一枚貼ってくださるということで、小坂さんを選びました。むしろそれしかないと思っていたのですが、久留里ちゃんも選びたかったなあ。「見ないで。」と、イラストの横に書いてあったんですよね(笑)。
ともあれ、あっという間にサインを書き上げられた柳原先生でした。
画像 006


楽しみにしていたサイン会、参加できてよかったです。
柳原望先生、メディアファクトリーさん、ジュンク堂書店池袋店さん、ありがとうございました。
25 11月

コミティア94P&R投稿しました。

「夜蝕病棟」 渚のハイカラ金魚(あ07b)
看護士の女性と入院患者の青年とのあまりにも潤いのないセックス。看護士が主導権を握っているにもかかわらず、看護士からは青年への情感が全く見られない。
情感の無さの、あまりにも悲しい理由は後に明かされるが、最後の転回によって訪れる救いのない結末と相まって、物語に叩きのめされ、心の中で涙が拭いきれなくなる。
美しく、そしてせつなすぎる物語に、かき乱された。


「お母さんは水の中6」 渚のハイカラ金魚
ことし商業単行本にもまとめられた、金魚とひよこの親子(?)のかわいい4コマ作品。
今回は、金魚にあるまじき肥満ぶりに苦しむことになったきんぎょちゃんがダイエットに悪戦苦闘するナンセンスぶりが笑いと直結していてニクい。
しかし、実在の金魚もそれほど動かずに餌を食べているように見えるのに、なぜ丸々と肥えたきんぎょちゃんのようにならないのだろうか…


「ふかふか(2)」 やたこ(ま21a)
高校生のちはやと、幼稚園児のひろのふたりのお話を綴った商業再録本の完結を告げる2冊目。
1冊目でのちはやとひろのなかよしぶりは2冊目でもそのままだが、2冊目では、成長していくちはやとひろ、そして、ちはやの幼稚園の篤人先生へのほのかな恋心も加わり、読んでいてのわくわく感も増していく。描きおろしで夢と恋心をかなえた、ちはやの笑顔がまぶしい。


「Carnival After」 T-NORTH(Z06b)
商業誌に掲載された作品の後日談もの。作者は「男の娘」もので新たな境地を開拓していることをはっきり感じさせる。
可愛いもの、美しいものに対してエスカレートしていく感情は、いかなる条件・障害をも超越できるものである、と声を大にして言いたくなる作品。
主人公の郁己(いくみ)のかわいらしいこと…

「06」 ogasite(は18b)
以前に刊行した同人作品の後日談と、商業作品の後日談を収録したもの。
眼鏡男子をモチーフにした作品では、眼鏡男子の田中くんが眼鏡をかけたり外したりするたびに恋心を不安定にさせる、鈴木さんの感情のアップダウンが見ていて楽しい。そして、自分の背が田中くんよりも高くなってヘコむ鈴木さんの姿もまた愛らしい。
商業作品の後日談は、バカ3兄妹(失礼!)がさまざまなベクトルにバカやってるところが笑える作品。空回りバカ系な兄二人の存在が笑いをさらに盛り上げている。

「BLACK BLACK BLACK」 猫丸印(み06b)
軽妙に怪奇を描いた作品あり、叩きのめされるような怖さを描いた作品あり、と三者三様の怖い話を描いた三人誌。
女の子(?)同士の化物を描いた作品は、キャピキャピとした女の子のじゃれあいを描いていながら、場面転回で一気にお互いの怖さが余すところなく描かれている。

「ようちえんのミカタ」 ムンチャイ(ま19a)
商業誌で連載された2作品の再録誌。
幼稚園児たちが主役だった前半は、はしゃぎまわる園児たちの動きが目まぐるしい。
前半作のスピンオフ的に連載された幼稚園の先生を描いた作品は、新米先生のあたふたぶりに、自分の社会人なりたてのころもあんなだったなあ…と、ある種の共感を持って読むことができた。

「24時間チェリー」 Nekomitsu
投稿した後で気づいたのだけれど、どこのサークルで頒布していたのかわからない…。
女生徒と女教師の恋愛短編。女教師に惚れる強気女子がかっこいい。いつの間にか引きずられる女教師の弱さもかわいい。

9 9月

コミティア93P&R投稿しました。

「0105」ogasite (う01a)
子供からいい大人まで様々な世代がいる作品群を読んでいると、
子供には子供のひたむきな思い、大人には大人の揺らぐ思いが
それぞれあるということを気づかせてくれる総集編。
「ひた向きな思い」から感じる心地よさは、
大人になると得にくくなる感情と同じものなのだろうか。

「ふかふか1」やたこ(し23a)
女子高生のちはやと、生意気だけどどこかピュアな甥っ子のひろ。
二人ともかわいい同士の「おいおば」作品は、時々子供らしく
バタバタ動きまわる事もあるけれど、まったりした日常の雰囲気
のなかで流れていく「時」がとても心地よい。
読んでいて、いつまでもこの時が続いていれば良いのに、と感じる。

「秋風と君の花飾り」WATTS TOWER(み06b)
なかなか世に広まるチャンスが少ない、雑誌の単発掲載作品集。
だが、どの作品にも必ずどこかの場面で、心がきゅっと
しめつけられるような感覚を受ける。
でもそれは不快感などではなくて、心温まる瞬間を
目撃した時の驚きだと感じる。
素直に、「読んでよかった」と思うことができる作品たち。

「腐女子の『腐』っ。H2」猫丸印(て12b)
腐女子の心情を面白く描いている。
恋人同士を描いた前半の作品は主人公・いづきの
男前な同人者思考に笑いが止まらない。
オタクな兄妹を描いた後半の作品では、妹の、
オタク的思考への浸かりっぷりと、それに比べて、
兄の半端な性格のほほえましさが脱力的な笑いに
繋がっている。両方とも続きが読みたい作品。

「ラストデイ。」ムンチャイ(し09a)
商業誌連載作品(「先生はお兄ちゃん。」)の番外編となる作品。
連載時の主人公でもある兄妹の、絆の深さをあらためて感じられる。
素直に気持ちを出せなくても、妹は兄のことをちゃんと見ているし、
常に妹にべったりだった兄は当然のように妹の事を思っている。
そんな「二人だけ」の世界を描くからこそ描ける作品。
12 5月

コミティア92 PUSH&REVIEW 再録

書いてみた&ブログにも載せてみた。

「うら★うらら」WATTS TOWER
作者自らが、「おバカな作品」と語り、おそらく読者も、
「これはおバカだ!」と納得できる作品。
だが、実はその裏に隠れたものがあるのでは?とも感じる作品。
あなたは愛している相手の「別の面」も愛せるか?
主人公からはそんな葛藤を感じる。
絵の可愛さは商業誌等でもおなじみ。さすが。

「RD」T-NORTH
いわゆる「男の娘」を扱った作品は幅広く出てきているが、
この作品からはひと味ちがうものを感じる。
シチュエーション、展開、主人公とヒロイン(?)との
心の接近ぶりetc…
読者の側も一緒にドキドキできる作者のストーリーテラーぶりは、
素晴らしいのひとこと。
4 9月

C76で買った同人誌を読んでみた(2)

短期集中連載コーナー。遅々として、2回目です。
今回は、まんがタイムきららなどに関係あるご本から何点か。

『INTERMISSION3 夏の番外地-』(成人向け)「NOI-GREN」
まんがタイムきららキャラットにて『CIRCLEさーくる』を連載されている榊さんのご本。こちらのサークルさんは、私が書店委託に頼らずコミケ当日にスペースまで必ず買いに行くことを決めているサークルさんのひとつ。今回は近くて助かりました…。
さて今回のご本は、いつもとはちょっと違う明るめの作品。夏真っ盛りな異次元世界の管理人を務める女の子が、とても可愛いのです。
それにしても榊さんの描く女性キャラは、同人誌作品でも商業作品でも、読者のフェティシズムをとても強くかきたてるものがあります。胸とか下半身とか。今回はその部分がより強くなっているように感じられました。
また、管理人の女の子が主人公の男性に対して無邪気に接しているのか、あるいはそうではないのか、読んでいてわからなくなってくるところもまた、この作品の魅力を増しているようです。

『ペルソナよんのほん2』「なぐもカレー部」
榊さんと同じく、まんがタイムきららキャラットにて『ラジオでGO!』を連載されているなぐも。さんのご本。
『ラジオでGO!』もそうなのですが、なぐも。さんの作品は、各キャラクター同士の接近を伴う甘い緊張感(仕事における戦友的感情・友情・恋愛etc.)があると、その作風の魅力がより高まるような。
今回の作品はそういうところでの、なぐも。さんが描く作品の魅力がたいへんはっきりと伝わってくるように思います。はっきりしたものではないのだけど、読んでいて感じる高揚感というか、やはり甘い感じのふわふわしたような感覚がいいよな、と。
そして今回は、ゲストに蕃納葱さんが。イラストなのですけれども、やっぱり綺麗な線だよなあと、見ていてしみじみ思います。やはり蕃納葱さんは、私の中でそれまでわかっていなかった、自分の、画に関する趣味嗜好をちゃんと形として見せてくださった方なのだなあと。
今回の画もなんというか、女の子のいい匂いが漂ってきそうな感じの画、なのです。
や、今回はなぐも。さんに感謝しなくてはいけません。

『09 SUMMER』「apricot+」
こちらも毎回コミケでの購入を目標としている蒼樹うめさんのご本。今回もつてを頼ってなんとか購入できました。
今回は、ちょっと長めのショートストーリーまんが1作品なのですが、これがまた良いのです。COMIC1☆3で出されたご本での、「若いっていいね」的な恋愛ショートストーリーともちょっと違う感じの、「若いっていいね」という作品です。
ヒロインの美代さん。かわいいです。でも彼氏との別れ話があってめっちゃ弱ってて、悩んでて。美代さんのような女の子をほうってはおけないんだけど、ほうっておくしかないような、そんな感じで。
で、そんな美代さんをほうっておかないのが大和くん。不器用だよなと。でもそれも、若さゆえの特権だよなと。
このふたりに幸せな展開が訪れることを願います。
蒼樹うめさんの同人誌での作品ではいつも感じられることですが、女の子の、デザイン的・内面的、両方での「透明感」を描くことに関しての、この方のスキルは高いです。
この透明感は危うい。

『Devote』(成人向け)「T-NORTH」
まんがタイムきららフォワードにて『メガミのカゴ』を連載されている北河遊哉(商業誌での名義は「松本ミトヒ。」)さんのご本。
今回は「とある魔術の禁書目録」本。「青年×少女」カップリングと書くと、誰を描いているのか、知っている人には分かるのかな?
というか、北河さんが青年(or少年?)×少女カップリングを描かれると、さすがに上手い。オリジナル作品でもそうですが、少女の魅力を最大限に引き出すところが上手いのです。
ほんとにもう、愛らしいんだから。
そして、愛らしい者と繋がりたいという気持ちを抱くのは当然のこと。その「気持ち」を真正面から描き出しているところがこの作品の魅力ではないかと。
『メガミの(カッコ)』「T-NORTH」
松本ミトヒ。さんが描く、『メガミのカゴ』番外編まんが。じつは第2弾。まんがは基本的に1ページのショート・ショートギャグですが。
とくに面白かったのは、麻倉南編の「Notマネージャー」。というか野球部にそんなもの教えられても実戦じゃ役にたたねえ!(リアル高校野球的な意味で)
香椎環姫編の「とっておき(2)」。しかしオヤジギャグとか、しぃ太さんは何でもありか!(笑いのネタが)
岡田浩輝編の「ですから!」。そういうキャラで周りと険悪にならないのは、ヒーローだからなのか!?
八重樫琉子編の「ツンデレ急便」も、明美さんと琉子先輩は立場は違っても気持ちは繋がってるなあと感じました(笑)。

『おさわり厳禁』「安全第一」
こちらは石見翔子さんのご本。コミケ当日は即完売だったらしく、当日私はなんとか合同誌のほうは購入できたのですが(それも午前中で完売したようです)、こちらの石見さん個人誌はとらのあなの通販で補完。
読んでいて、立花先輩は期待を裏切らないキャラだなと。歯の浮くようなセリフを平気で言うようなキャラだけど、それがちゃんと地に付いている感じで。でもって周りからモテモテですし。完全無欠じゃないか。
あ。長次先輩とバカップルだからそこがいちおう「欠」なのかなあ? でもこのバカップルぶりは、見ていて楽しいです。

『かなみか』(成人向け)「ビギナーズハウス」
こちらはここまでとは違って、きらら作品のファンブック型同人誌。きららの他の4コマ作品の二次創作も出されている、けっこうベテランさんのサークルなんじゃなかったかと。
無邪気に、ほのかにエッチなところが、この作品の元ネタ作品の二次創作らしくて良いと思いました。しかしじっくり読んでいると、エッチなところは「ほのかに」なはずなのにけっこうヤバイ、かも。頒布価格を考えるとお買い得な二次創作作品かもしれないです。まあ趣味が合えば、ですが。

30 8月

C76で買った同人誌を読んでみた(1)

はいどうも?(謎)。
先日の、コミックマーケット76で新刊として刊行されたご本の数々。そのほんの一部ですが、私が読んだご本について書いていこうかと思います。
ちなみに、ここまで遅くなった理由は、当日に購入できなかったご本の最後の一冊を補完できたのが8月30日だったからです(笑)。
今回は最初に購入したご本と最後に購入したご本をとりあげます。

『05』「渚宮」
小笠原朋子さん個人誌。このご本は、C76前に先行して通販で頒布がスタートしたので本番前の購入。
ここまで続いてきた連載(?)「小栗くんと小椋さん」は最終回。ここまで、ミスリーディングが鍵を握ってきたわけですが、「出来た」て(笑)。小笠原朋子さんも付録のペーパーなどで書いておられますが、たしかにミスリーディングも極まりました(笑)。
それにしても、小椋さんは回を重ねるごとに可愛くなって行きました。ここまで可愛くなっちゃったら、小栗先生は小椋さんに尽くしきってほしい。おもに「作った料理を食べてもらう」という意味で(笑)。けして小椋さんを食べちゃう(下)という意味ではなく…。
もうひとつの作品は、まんがライフオリジナルでゲスト掲載された「シェアハウス・デイジー」の再録。正直いって、連載につながる感触がなかったので掲載時には取りあげづらかったのですが、あやめさんはかわいい。天真爛漫だし。ドンくさい人に悪い人はいないでしょ。見てたらイライラするけど(笑)。
さらにもうひとつの作品が、「ひつじの皮」。女装少年ものなのですが、諒ちゃんこと霧島諒くんはヒロインよりソリッドで美人な少年。いやヒロインの菜乃ちゃんも十分美人なのに(笑)。
商業誌ですが、同じ作家が描いた『Hiスクラップ!』の亜季くんともまた違うタイプで、なにげに中性性が強くて。へんな言いかたですが、「男子としても男子にモテておかしくない」という感じです。しかも深いタイトルにもあるように、諒くんは菜乃ちゃんを食べちゃう気満々なのですよね…。
この作品、小笠原さんも予想外の続き物になったようですが、私は諒くんのこれからに注目したいです。

『渚のふたり(3)』「渚宮」
こちらはC76当日購入。小笠原朋子さんと深森あきさんの恒例の二人誌。今回は少女本、というか幼女本なのかも。深森さんの作品「CLOTHES TO YOU」は、女の子のやんちゃっぷりと気まぐれさにとてもリアリティを感じるのです。でもって、深森さんが描く女の子はかっこよくっていじましい。愛着を感じるタイプの女の子ですね。
小笠原さんの作品「大きくなったら?」は、かわいい女の子と、かわいいお父さん&かわいいお母さんの一家を描いたお話。ファンタジーな感じもしなくはないですが、どこかのアニメの売り文句ではないけれど、「かわいいは、正義!」なのです。
でもとりあえず、めいちゃんは早いとこ、大きくなったら何になったらいいかを考えておいたほうがいい(笑)。考えなくてもいい時期なのが今なのですけどね。

『つめたいおかし』(成人向け)「カイチョーマニアックス」
夏コミ当日に買えずにとらのあなで補完した一冊。だから東方&同人音楽の日に東でスタッフやってて西なんて行けませんて。
ナナミヤスナさんは、実質今年になってから知ったといっていいサークル&作家さんですが。
なんというかやはり、じつに繊細というか鋭いというか、綺麗な線で描かれている作品なのです。こういう綺麗な線で描かれた作品には弱いですね私は。
そのうえ、リリティア&ヴォルスングのふたりの強い絆があるから濃密な時間を過ごせるんだよ、というところをきちんと描かれているところが、成人向け作品としてはまたたまりません。
手放しで誉めたい作品。

『elle*』(成人向け)「m.s.t」
サークル名は異なりますが、この作品の作者もナナミヤスナさん。このご本が、30日に届いた最後のC76本です。「会長はメイド様!」本。
まず、装丁を見てちょっと驚き。角が取れているのです。こういう装丁は、ちょっとしたことですが面白い考えですよね。
こちらは、『つめたい?』と比べると癒し系度数が高い作品。なのですが、癒し系度が高いぶんというべきなのか、描かれている情念も強いように思えます。愛のゆれ幅がが大きいのですよ。
『つめたい?』が安定した夫婦愛を描いているなら、『elle*』は熱愛中の恋人同士の愛をそのまま描きました、って感じです。
ヤバイ、碓井くんヤバイって感じですね。危険な男だ。鮎沢さんもかわいいし。
それにしても、これだけ情念の強いご本がなかなか手に入らない(コミケ→無理・とら店頭→完売・残部をナナミヤさんがとら通販に流してくれてやっと買えた!)のは損失です。じつにもったいない。
7 5月

コミティア88 購入本レビュー編

コミティア88イベントレポ編に続いて、こちらでは購入した本のレビューを。

『04』・渚宮(き01a)>小笠原朋子さん作の個人誌第4集。恒例の「小栗くんと小椋さん」シリーズは、これまでよりもさらに抜き差しならないミスリードを誘っているような(笑)。で、小椋さんは料理が苦手、という属性が加わったわけですが、それって、小栗さんとのコンビネーションが上手く行くってことなのでは…?
今回は小栗さんの空回りぶりが楽しいです。
この「ぐりぐら」シリーズは次回で終わりとのこと。描いていて飽きてきた部分も…、とのことですが、好きなものを描き、モチベーションが続くところまで描けるのが同人誌ですから、しかたがないことなのかと。
もう一話は、小笠原朋子先生が(商業誌で)描いてみたかった作品を描いてみる、という企画。今回はアイドルもの。
少女が少年になっちゃうというプロットは、少女漫画だとお馴染みなのか? この作品での「変身前」と「変身後」って、少女のときも少年のときも、どちらのときも中性的に見えるのは意図的なものなのかどうか。
『がありい』・渚宮>こちらは深森あきさん作の個人誌(無料配布本)。絵柄がいつもとちょっと違うなあ、と思っていたら、錦絵に影響されて描かれた画だとのこと。今回の画のような、シンプルだからこそ見えてくる美しさもあるように思います。

『都外から来ました。』・いわしROOM(え03b)>柚月もなかさんと310さんとの合同誌。「各都道府県には一人ずつ、その県の平和を守る戦士がいる」、という設定の世界に生きる3人の戦士。千葉の戦士はギャル系。埼玉の戦士は萌えキャラ(ドジッ娘属性あり)。そして東京の戦士は…。
まず310さん作の埼玉の戦士がすごい。少女が目を伏せて、心の中で「ウザい」「キモい」と言っているのがこんなに萌えるなんて思わなかったです。そんなキャラだけど、ひねくれたところがまったくなくて、たしかにこの娘はみんなに愛されるキャラだなと思います。
柚月さん作の千葉の戦士は、外見ギャル系と取り立てて言うほどでもないかもしれないけれど、やっぱりぱっと見ギャル系っぽく、アホっぽくて、というかほんとにアホじゃないか?この娘は(笑)。東京の戦士へのツッコミ担当でもあるのですが、この娘もたいがいアホな気がします。とくに26ページ。それは盗電だ。怒られるのも当然(笑)。なにより電動の変身アイテムて、リアリティがあるのかないのか(笑)。
じゃあそんな千葉の戦士にツッコまれる東京の戦士って…、埼玉の戦士が言うとおり、たしかにウザキャラキモキャラだと思います(笑)。それでもって、3人の中ではただひとり大人の悲哀を噛み締めてる人でもあるのですが。二足の草鞋を履くことを余儀なくされているみたいだし。東京都を守っているだけじゃあ生活保障されないのか(笑)。
さらに、行動がわけ分からないところがあるし。14ページのネタとか、ヒーローがそんなことをやっても…。意味が分からない(笑)。さらに最後のネタも、せめてスーパーマンのように着替える場所ぐらいどこかつくればいいじゃん…(笑)。
この作品、柚月さんはネタが面白い作品を創られて、310さんは良いキャラを創られているなあという印象です。あくまでもどちらかと言えば、ですが。

『Fetter Maidens』・T-NORTH(ま28a)>北河遊哉さん作の個人誌。北河さん初挑戦の、百合ストーリー作品とのこと。商業誌でも同人誌でも、この方の作品を読んでいると分かるのがキャラ造形の上手さなのですが、この作品に登場するキャラクターも当然、とても造りこまれた魅力的な人物像になっています。
ですが、あえてこのご本で私が推したいのは、作品全体を通して流れている「不器用さ」なのです。
なにが不器用かといえば、まず彩藤(さいとう)さおりと来世鈴音(くるせりんね)というふたりの少女の間に感じられるもどかしさ。もっと楽に距離を近づけられるはずなのに、二人が互いのこころを近づけられない様子が、読む側の心をくすぐります。
そして鈴音に起こる、とあるアクシデントからふたりのこころが一気に近づいていくのですが、その過程もまた不器用で。とくにさおりの不器用さには、読んでいる私も強い共感を持ってしまうほどの、明るい湿っぽさを感じてしまうのです。
なにより不器用なのは、北河遊哉さんがこの作品を描く姿勢なのではないかと感じます。でもこの場合、不器用というのはべつに「下手だ」というような意味とはちょっと違うと思うのです。
北河さんが商業誌で描かれている、『メガミのカゴ』(松本ミトヒ名義)を読んでいただくとわかるかと思うのですが、この方はとても器用に物語を紡いでいく人という印象が私にはあります。イメージとしては、決め球は直球だけど、印象が残るのは変化球、という感じ。
ところがこの作品では、もうひたすら直球しか投げていない。肩も肘もボロボロになろうが構うものか! とでも言わんばかりの直球投げまくりな描き方をされているような。印象としてですが。
でもその直球ぶりが読む側の心を揺さぶります。とくに私の場合、百合とかBLのようなある種極まったジャンルの作品では、変化球よりも直球で押してくる作品に心を揺さぶられるようなところがあるのでそう感じるのかもしれませんが。
読んでいて、とてもウェットで、とても心地よい作品。

この項、この後も続きます。
2 3月

小笠原朋子・深森あき『渚のふたり 2』を読む

小笠原朋子さんと深森あきさんの二人サークル「渚宮」が刊行した二人誌。今回は、「眼鏡男子本」というコンセプトです。
本当は2月のコミティア87で刊行される予定でしたが、完成した本が印刷所から届かず、通販で頒布がスタートしました。
内容はお二人が描かれたショートストーリー漫画がそれぞれ一本ずつ。

小笠原朋子さんの『眼鏡女子』は…、っていきなり今回のコンセプトにケンカを売っているように思えるタイトルですが(笑)、「眼鏡(男子を好きな)女子」という意味のようです。
主人公の女の子。身長170cm。でも好きな男の子(元・眼鏡【いまはコンタクト】)と同じ学校に通うために柔道をやめた、しかもその心のうちを好きな子以外には包み隠すこともなくラブラブ、だなんて、いじましいじゃないですか。
でもいったん荒ぶると、その身長の高さもあいまって、周りの同級生女子からもまるで熊のように見られているのには笑いました。「誰か麻酔薬投げてー!」て。ほんとに熊かライオンじゃないですか(笑)。次のコマではきっちり麻酔薬の注射が刺さっておとなしくなっているところも細かいですが。
そんな彼女に好かれて、そしてコンタクトになって彼女が荒れる原因にもなった男子。もちろん美男子です。でも眼鏡をかけなくなったいまは、美男子だけどちょっとヘタレてみえちゃうのは小笠原さん独特の「味」なように思います。小笠原さん独特といえば、メガネの内側にある目をあまり描かれないのも小笠原流のような。そこがなんというか、眼鏡男子のクール(に見える)部分を上手く見せていると感じます。
メガネがなくなって彼女から離れていた彼、めずらしく彼女に近づいてきた彼を投げ飛ばしちゃう(笑)彼女が、彼になにを起こしたか…。普通だと、「メガネがなくなってどうなるこうなる」のところをそういう風に持っていくのか、というところが面白いと思いました。

深森あきさんの『R&R』は、正直5ページじゃあ量が足りなくないか?というお話。読んでみて、つなぎの部分がもっと充実していればさらに面白いのになあと思えてしまうくらいに目をひく作品です。
いや、でもねえ、メガネかけたからってそんなに人間変わりはしませんて(笑)。←この本にケンカ売ってますかねえ?
自分もメガネですけど、そんな万能のアイテムじゃないもんなあそんな。
そして、ペットボトルロケットを飛ばすときの達成感は、読んでいるほうもとても強く感じました。この躍動感はいいですね。
でもやっぱり、貴志さんがいうとおり、「小学生」だと私も思います(笑)。

今回も、前回に続いて対談コーナーがあるのはうれしいです。やはり、「同人誌」の美風をなくしちゃいけないよな! っと。
自分は男子ですがおもろく読めたと思いますけどもね、この本。絵的に眼鏡男子の魅力を引き出していたのは深森さん作品で、作品の外にあるトークとかまで読むと眼鏡男子の魅力が深く感じられるのは小笠原さん作品、のような。
次回以降の二人誌も楽しみです。

それと、このご本を注文したときのはなしの続きですが、あのあと、ちゃんと水曜日にはご本が届きました。早い。ともかく次からは気をつけます。
そして、この本についてきたペーパーがまた良かった。じつはなにげに次回以降のネタバレになりそうな話も載っていたりして…。「ココだけの話」として載っていたのでここではネタにしませんが。ペーパーだけでも注文する価値があったと思いました。
コミティアには毎回行く者なのであまり通販を頼らないのですが、送料・手数料+読むまでのタイムラグを含めても、今後もペーパーめあてで通販したいかも…。
21 2月

振込むときには気をつけようぜ…

小笠原朋子先生の公式サイトogasiteで、小笠原朋子さんコミティア87新刊の『03』と、コミティア当日に会場へ届かなかった深森あきさんとの2人誌『渚のふたり2』の通販が始まりました。

さっそく私も『渚のふたり2』を発注して、翌21日朝には振込を済ませたのです。
が、振込を終えた後で手順を振りかえってみるとなにかおかしい。
と思いつつ、自宅に帰ってogasiteで通販の手順を見直してみると、通販の申し込みの時には「振込票」(ゆうちょATMのそばにはたいてい置いてあります)が必要だったことを思いっきり忘れていました。
要するにカード&通帳から直接振り込んでしまったのですね。

これなにが問題かといいますと、通販の場合、振込票に注文内容や住所・名前を記入して振り込むことで、振込先の相手に購入する商品や商品の送り先を知らせるわけですが、自分の口座から直接振り込んでしまうと、そこの部分が一切ない状態で振り込まれてしまうということがひとつ。
もうひとつは、振り込まれたことの証拠になる書類が、相手先には通帳やweb通帳での入金明細しかないということ。
推測でしかないのですが、これだと入金を確認するのが大変なのかなと。

さっそくサイトのメールフォームで、振込票に書くべき内容を(もちろんお詫びの言葉も含めて)送りましたさ…。
楠見らんま・おとこの娘×駄菓子4コマ単行本『いとをかし』2巻 5月27日(竹書房)発売です♪ 楠見らんま単行本『みちるダイナマイト!』1月25日発売☆
※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
非リア充集団がクラスメイトを女装させて彼女にしてみた|2012.11.26発売 パンなキッス3巻9/22発売!
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