ほんとに、久しぶりの4コマ単行本レビューです。
今月は小笠原朋子先生の『パパ★Lv1』(竹書房刊)。
4月に板倉梓先生の『少女カフェ(1)』と『あかつきの教室(1)』(こちらはストーリーものですが)。
5月には師走冬子先生の『うさぎのーと(3)』(芳文社刊)
と、3ヶ月連続刊行がありますので、強化期間としてレビューを書いていきます。

さて、『パパ★Lv1』は、竹書房の「まんがライフオリジナル」で連載されておりました。
香芝景樹(けいき)さんが好きになった千代子(ちよこ)さんは、娘のつぐみちゃん(5歳)がいるお母さん。そして娘のぐみちゃんも景樹さんが大好き(異性として)!
こんなシチュエーションで、波乱が起きないわけがない、のが小笠原朋子作品の持ち味ですね(笑)。

前作ともいえる『ウチへ行こうよ!』(竹書房刊)とも近しいというか、鏡映しにしたようなシチュエーションですが、娘のぐみちゃんを5歳児にしたところがこの作品の肝ではないでしょうか。
当たり前ですが、子どもは感情を大人より激しくあらわすもの。そこが、漫画的にうまくいって、ノリにのっている作品になったと感じられます。
また、途中からぐみちゃんが、どんどんと「景樹×ぐみ」的妄想をたくましくしていく能力を身に付けていったので、その妄想をのぞき見ていくところで、ストーリーの良さの上に、読者に直球の笑いを呼び覚まさせていったところが、またこの作品の評価を上げていったのではないかと感じます。また、ぐみちゃんがかわいいので、周囲からは景樹さんの本当の狙いは…?なんて疑われちゃったりして(笑)。

でも、ラストに向かっては、やはり景樹さんと千代子さんにとっての一つの区切りともいえる「挙げていなかった結婚式」という大イベントに持っていく安定感も良いと思います。
描きおろしとなった結婚式では、眼鏡を外した千代子さんというレアバージョン(笑)が見られて眼福。
ぐみちゃんもあたらしい恋を見つけられてよかったと思います。

そしてこの作品でも、小笠原朋子先生のキャラ作りの上手さが光っています。子どもなぐみちゃんを除くと、基本線普通の人が多い作品なのですが、若さのせいか妙に熱さを感じる景樹さん。年の差に不安を隠せず、景樹さんの熱さにタジタジになりながらも景樹さんが大好きな千代子さん。登場は少なかったですが、千代子さんの兄である誠司さんもいい味出してました。そりゃあ、この一家の構図で、千代子さんが猛烈にアタックしたんだろうと思うのも無理はない気はします(笑)。

そして今回はゲストコーナーも充実。板倉梓先生、犬上すくね先生、おーはしるい先生、師走冬子先生と、竹書房各誌でお馴染みの方々のゲストが、「チョイえろ」をテーマにイラストや漫画を描いておられます。
というか、板倉梓先生と師走冬子先生が描かれた千代子さんは、おっぱい大きすぎるんじゃね?と思われるのですが(笑)、それがお二人の流儀なのでしょう(笑)。おっぱい。
双璧を形成してます。

今回ページ数も分厚いですし、竹書房では今月からコミックス紙質が変わったそうなので、よけいに分厚く感じられてズッシリ感が心地よい本になっています。
その分、値段も他の竹書房4コマコミックスより高めになっていますが(税込みだと780円になるかな?)、オススメです。
売れ行きがよければ、2ndシリーズも近いという噂ですし。