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日記といふもの

日々どうでもいいことを書き連ねて「いきたい」日記帳です。 最近はTwitterに逃避しがち。良ければそちらもよろしくです。

週刊漫画Times

25 6月

板倉梓先生の『あかつきの教室』が終わった…

わけです。

暁先生と橋本先生が結ばれた前回ラストから一夜明けて。
冒頭から、橋本先生が抱き枕になってるとか(いろいろな意味で逆な気もするが笑)、妙に自虐的な橋本先生の心の動きとか、暁先生のひと言で救われる橋本先生とか、やはり今回も隙のない展開づくりがなされております。

そして、そういえば盲点だった「卒業式」ラストというのが。
この作品の主題は、暁先生の凍てついた心の解凍にあったことはいわずもがなだったわけですが、そこに行き着くまでに、暁先生や他の先生や、あるいは生徒同士から様々なことを学んでいった生徒たちの物語もあったわけで、それを上手く決着させるいい方法だったのではないでしょうか。成田さんと幾島先生のお話とか、いい思い出ですよね…。

単行本2巻も刊行されることが決まったようですし、その前に8月から同じ「週刊漫画TIMES」で新連載でまた楽しみですし、いい作品でした。
18 6月

板倉梓先生の『あかつきの教室』がとうとう…

終わってしまうわけですよ…。
1巻は4月に出たわけですが、2巻が出るという発表もまだなくて…。
連載分は、今週と来週発売の「週刊漫画Times」(芳文社)で最後なのですが。

ここに来て、主人公の暁小夜子先生が可愛すぎて生きるのがつらいのでございます。
暁先生にとって一生の親友であっただろう(むしろ愛情に近い感情を持っていたであろう)、晴依が谷川という男に取られ(と暁先生は感じていたはず)、さらには自分の知らないところで亡くなって荼毘に付され、何もなくなってしまったように感じた暁先生。
そこから彼女の中に生まれた、氷のような感情が
橋本先生の心によって溶かされて、ついに二人は結ばれて。
布団の上に横たわり、橋本先生と結ばれながら涙を流す彼女の気持ちはいかばかりのものだったか。

その思いを噛み締めるように作品を読んでいると、冒頭のように暁先生が可愛すぎて生きるのがつらくなってくるのでございます。 

板倉梓の気迫を見るような今週と来週の作品。必読です。
 
17 4月

彼女の思いはどこにある? 板倉梓『あかつきの教室(1)』(芳文社刊)を読む


003

『少女カフェ(1)』に続いて、カラーイラストカード特典4点コンプリート。

ブックレビュー強化期間4連戦も後半に入ってしまいました。
3冊目は、2冊目と同じく板倉梓先生の作品。ご自身通算でも2冊目となる、『あかつきの教室(1)』です。

先に単行本が出ました『少女カフェ』とは異なり、こちらは芳文社「週刊漫画Times」誌に不定期連載されている、ストーリー漫画形式の作品です。
日本海に面した小さな町の中学校の理科教師・暁千夜子は、浜辺や山の中で見つかった動物の死体を集めては、理科準備室に教材として展示しているという、趣味とも職務ともつかないことをよくやっている風変わりな美人。
千夜子の周りには、彼女に想いを抱く同僚教師あり、彼女からさまざまなことを学んでいく生徒たちありと、他にもいろいろな人物がいますが、そんな人々への彼女の思いはどこへ行くのか…という作品です。

形式こそストーリー漫画形式なこの作品ですが、毎回必ず登場するのは千夜子先生だけ。彼女に想いを抱く同僚教師の橋本先生も毎回は登場せず、生徒たちですら2話以上登場した生徒が数少ないという構成で、一本のストーリーを持つ作品には見えないようにも感じさせます。
ではオムニバス形式か?というと、それともまた違います。単行本にまとまって、通しであらためて読んでみると、千夜子先生がなぜ動物の死体を集めているのか、という意味がおぼろげに見えてくるように思えます。
じつは、まだ単行本に納まっていない新しい回で、そこが見えてきたのかな?というところもあるのですが、そこは2巻に期待しましょう。

私がこの作品を読んで、作者(@wattstower)とのツイッターでのやり取りをしていて頭の中で具象化したのは、この作品が、暁千夜子という人物がハブ(中心)となって、彼女の周りにいるたくさんの人物一人ひとりが持っている物語を引き出していく作品なのではないか? というものでした。
そしてそこから、千夜子先生から向いている「思い」が引き出される場面もあり、橋本先生の千夜子先生への想いの行方を追ってやきもきするところもあったりと、暖かく穏やかな雰囲気で描かれているけれども、読んでいるほうはちょっと忙しいかも(笑)、的な後味の作品になっているように感じます。

この作品も、やはり板倉梓先生の描くキャラクターがまたすばらしいです。千夜子先生は言うに及ばず、橋本先生の抱く想いやそのモヤモヤぶりの描写が男性にはたまらなかったり。
『4限目 夢見る数学者』に登場する数学教師の幾島先生は、生徒を暖かく見守るその視線と、数学を究めることの激しさを両方持ち合わせているバランス感覚が絶妙です。
あと、『7時間目 雪の国』に登場する冬美さんがたまりません。
板倉梓作品ではこれまでお目にかかれなかった、すれからしのビッチキャラですが、「板倉さん、こういうキャラも描けるのか!」と初読のときは大変驚きました。
しかしそんなビッチキャラでも、心の中には純粋な感情を捨てられずに隠し持っている。そんなところが本当にたまらないのです。
この回は、その冬美さんに心弄ばれて心破れる「純白の少年」・春秋くんの存在と、その心の動きの描写も繊細かつ激しくて、すばらしいと感じました。

余談的なところでは、この作品と『少女カフェ』と両方読んでいると、この作品の千夜子先生と、『少女カフェ』に出てくる葉月さんの外見が似ていて(髪の分け方とか、おっぱいとかおっぱいとか)、もしかして中の人同じ(漫画的に言うところのスターシステム)?と思ってしまいます。作者さん的には違うようなのですが。

この作品は、おそらく読んでいる人ごとに思い入れる作品やキャラクターが大きく異なるのではないかと感じます。ですので一度読んでみてくださることを願っています。
連載は、掲載誌的に敷居が微妙に高いと感じる人もおられるでしょうから(週漫Timesも『茶柱倶楽部』あたりからちょっと変わってきましたけれども)、単行本で読めるようになった今がチャンス。おススメです!
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